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   泉州:宋元中国の世界海洋商貿センター (泉州:宋元中国的世界海洋商贸中心)

【中国語名】泉州:宋元中国的世界海洋商贸中心
【日本語名】泉州:宋元中国の世界海洋商貿センター
【所在地】中国福建省泉州市
【世界遺産登録年】2021年
【遺産の種類】文化遺産

宋(ソン)・元(ゲン)時代、中国が世界との貿易で大いに栄えていた時代、その中心となった都市が福建省の泉州でした。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、かつて「刺桐(シトウ)」とも呼ばれた泉州は、数百年前の大航海時代におけるアジア最大級の港町。世界各国の商人たちが行き交い、各地の文化や宗教が融合した独特の都市文化が花開きました。2021年には「泉州:宋元中国の世界海洋商貿センター」として世界遺産に登録され、再び注目を集めています。本記事では、日本の皆さんにわかりやすく、その歴史と魅力を紹介していきます。


目次

1. 泉州ってどんな町?

泉州の基本情報

泉州は中国福建省の東南部、台湾海峡に面した位置にあります。人口は約850万人ほどで、福建省の中でも特に歴史が深く、国際色豊かな町として知られています。市内には大小たくさんの河川が流れ、昔から交通の要衝でした。その温暖な気候と豊かな自然も泉州の大きな魅力。海も山も近く、美しい港町としての顔と、緑あふれる歴史都市としての顔を併せ持っています。

中国国内では「海のシルクロード(海上絲綢の道)」の重要な起点として有名です。宋・元代のピーク時には、人口の約5分の1が外国出身だったとも言われています。市内には古い寺院や橋、商館などが数多く現存し、その歴史ロマンを感じさせてくれます。また、泉州の人々は今も伝統的な方言や風習、料理を守り続けており、誇り高い土地と言えるでしょう。

観光地としても年々注目度が増しています。2013年の福建土楼、2017年の鼓浪嶼に続く福建省3番目の世界遺産として、2021年に「泉州:宋元中国の世界海洋商貿センター」がユネスコの世界遺産に登録されました。日本からも厦門や福州を経由して訪れることができるアクセスの良さもポイントです。

中国海洋貿易の歴史的背景

中国は古くからシルクロードを通じて中央アジアやヨーロッパと貿易してきましたが、特に宋代(10~13世紀)になると政治経済が急成長し、南方の港町を中心とした海上貿易が急拡大します。その絶好の拠点となったのが泉州です。当時、中国国内の主要な港町といえば広州(現・広東省)や寧波などがありましたが、泉州はその中でも最高水準の賑わいを見せました。

宋の時代、中国の科学技術や船舶製造は世界有数のレベルに達していました。井戸水の開発や新しい航海術の導入など、泉州でも多くの技術が発展したことで、長距離航海がより安全かつ効率的に行えるようになります。更に海外との商取引では、アラブ諸国やペルシャ、インド、東南アジアの国々と盛んにやり取りがなされていました。泉州港からは陶磁器・絹・茶葉などが積み出され、香辛料・宝石・象牙・珊瑚などの贅沢品が各地から運ばれてきたのです。

こうした国際貿易の拡大は、中国経済の発展はもちろん、各地の宗教や文化の伝播にも大きく寄与しました。泉州は単なる貿易港以上に、「世界が交差する場所」となり、他国の人々も安心して暮らせる国際都市として進化したのです。

なぜ「世界海洋商貿センター」と呼ばれるの?

泉州が「世界海洋商貿センター」と呼ばれる一番の理由は、その規模と影響力です。13世紀には、マルコ・ポーロが「世界でも有数の巨大な港」と記しているほど。実際、ソン・元時代の泉州港の輸出入額は当時の世界最大規模とも言われ、毎年何百、何千という商船が行き交っていました。

その港から交易品だけでなく、文化・宗教・人材も世界各地へと渡っていきました。イスラム教やヒンドゥー教、キリスト教、マニ教、道教、仏教といった多様な宗教施設が同時期に存在し、多国籍のコミュニティも誕生しました。公式な記録によると、ソン・元時代の泉州には100ヶ国以上からの商人・使節が滞在していたとも言われています。その交易ネットワークは、アラビア、東南アジア、インド、アフリカ、さらにはヨーロッパの遥か彼方まで広がっていたのです。

現在、泉州には当時の繁栄を偲ばせる建造物や遺構が多数残っています。海洋貿易の中心地としてだけでなく、様々な文明・宗教・民族の交流から生まれた特有の文化が今も色濃く息づいています。こうした背景が認められ、世界遺産「泉州:宋元中国の世界海洋商貿センター」の名で登録されたのです。


2. 歴史を感じる泉州のストーリー

ソン・元時代の泉州港の繁栄

泉州港は、宋(960~1279年)・元(1271~1368年)両朝の時代に最盛期を迎えます。漁港としての歴史はさらに古いものの、12世紀以降一気に国際貿易の表舞台へ躍り出ました。そのきっかけとなったのは、南宋時代の「海外貿易局」設置。当時の詔勅によって泉州が中国南方を代表する外貿港となり、多数の商人や役人がこの地に集いました。

13世紀前後には、泉州港は1,000以上の港・船着場を持ち、年間40,000隻以上もの貿易船が出入りしていたという記録もあります。これほど多くの船が寄港した背景には、泉州の発展した造船・航海技術があります。中国伝統のジャンク船は当時のヨーロッパの船よりも耐久性が高く、遠洋航海に適していたため、多くの国の船乗りや商人が泉州の技術を学びに訪れました。

宋代から元代にかけて世界の海洋貿易は大規模化し、泉州港が東洋・西洋を結ぶ「海上のシルクロード」の重要拠点となったことで、町全体も大きく発展しました。当時の泉州は人口が急増し、街並みにも活気が満ち溢れていました。その絶頂期の煌びやかさは、今なお泉州の史跡を歩けば鮮やかに思い描くことができます。

世界中の商人が集った交易都市

泉州にはアラブ商人、ペルシャ人、インド人、東南アジアの国々から来た商人たちがこぞって集まり、実に多様なコミュニティを形成していました。その理由は、泉州が地理的に「アジアの十字路」と呼べる絶好の場所だったからです。新しい商品や文化の受け入れに対し、泉州の行政も比較的寛容だったことが、さらなる栄華をもたらしました。

各国の商人は、それぞれ自分たちの宗教や慣習を持ち込み、泉州には多言語が飛び交い、多民族、多宗教の共生社会が自然発生的に成立しました。イスラム教、キリスト教(ネストリウス派やマニ教など)、ヒンドゥー教、ユダヤ教、道教、仏教など、世界の主要な宗教がこの地で平和に共存していたと言われます。モスク(清真寺)やヒンドゥー教寺院、キリスト教会跡が今も残ることからも、その歴史が伺えます。

泉州の役所には外国人のための通訳や貿易専任者が常駐し、また貨幣制度も多国の通貨を受け入れる柔軟さがありました。税関や船舶の管理システムも進んでおり、商人たちが安心してビジネスできる仕組みが整っていたのです。こうした先進的な体制が、世界中の商人を引きつけた最大の理由でしょう。

異文化交流が生んだ多様な文化

歴史の中で泉州が発展するにつれ、さまざまな国・地域からの文化、芸術、技術、さらには生活習慣までもが流入してきました。その結果、泉州には他都市には見られないような文化の多様性が根付くこととなります。まず食文化を挙げると、イスラムや東南アジアの香辛料や調理法が泉州の料理に自然と取り込まれました。今の泉州料理の独特な風味や、麺類・点心のバリエーションは、その象徴といえるでしょう。

また宗教建築や芸術にも、融合の証が見られます。例えば開元寺では、ヒンドゥー教の影響を受けた石柱の彫刻が残されています。またイスラム教清真寺(モスク)のアーチや装飾には中東のデザインが反映されています。道教や仏教の寺院も競うように美しさを誇り、新旧の様式がミックスされています。

お祭りや伝統芸能も、泉州ならではの国際色が強調されています。たとえば、古くから伝わる「南音(ナンイン)」という音楽や、獅子舞、伝統の人形芝居に至るまで、その中に多くの異文化や多民族の要素が自然に溶け込んでいることに気づくことでしょう。泉州はまさに「多様性の交差点」といえる都市なのです。


3. 見どころと魅力

洛陽橋:千年の歴史を刻む名橋

洛陽橋は、泉州市内を流れる洛陽江にかかる、長さ731メートルにも及ぶ石造りの古橋です。始建は宋代の1053年とされ、以後千年近くにわたり、泉州とその港湾を結ぶ重要なルートとして使われてきました。その構造上の特徴は「筏橋(いかだばし)」というユニークな工法にあり、川底に石の台(筏石)を敷き詰めながら橋脚をつくるという、当時としては画期的な技術です。

観光客にとっては、その雄大なスケールと歴史的価値に圧倒されることでしょう。橋の両側には現在も昔のままの石畳が残り、歩いて渡るとまるで宋代にタイムスリップしたかのような感覚になります。晴れた日には川面に橋が美しく映り、写真スポットとしても人気です。また周辺には昔ながらの船や市場もあり、泉州人の生活と歴史が今も息づいています。

洛陽橋は、中国の橋梁史における記念碑的存在であり、何度も改修されながらもその本来の姿が保たれています。地元の祭りや伝統行事の舞台にもなっており、泉州人の心の拠り所。世界遺産に登録されたことで、今後ますますその価値が評価されることでしょう。

清源山:自然と歴史が調和する絶景

泉州市中心部からほど近い場所にそびえる「清源山」は、泉州を代表する自然景勝地です。海抜500メートルほどのなだらかな山並みが続き、四季折々の草木や、山頂から眺める泉州のパノラマビューが大きな魅力です。古くから「泉州の屋根」と呼ばれてきた清源山は、中国道教の聖地としても有名で、数々の伝説や石窟寺院が点在しています。

山腹には道教の「老君岩」や、巨大な石像が鎮座しており、そのほかにも仏教・道教双方の史跡が多く残っています。山中の小道を歩けば、千年以上の歴史を刻む石碑や、船乗りたちが祈願したと言われる祠を見ることができます。ここでは、国際都市泉州の歴史と、地元民の信仰心が自然と融合した独特の雰囲気を味わえます。

自然散策が好きな方には、春にはツツジ、秋には紅葉、冬は澄んだ空気の中で鳥の声を聞きながら静かな登山を楽しめます。観光シーズンには地元の人々もたくさん訪れ、お弁当を広げてピクニックを楽しむ姿も。歴史探訪とリフレッシュを同時に楽しめる人気スポットとして、必見です。

開元寺:多民族共存の象徴的寺院

泉州の中心部に位置する開元寺(かいげんじ)は、宋代初期の686年に創建された中国仏教の名刹です。その敷地は広大で、美しい庭園や伝統的な中国建築が並び立っています。泉州の象徴的存在として市民にも親しまれており、日々多くの参拝客や観光客が訪れます。

特筆すべきは、その建築様式と装飾の中に、他の宗教や民族の影響が色濃く見られる点です。大雄宝殿の石柱には、ヒンドゥー教のモチーフや、異国情緒漂う彫刻が施されています。これは、かつてインド人やアラブ人などが泉州に滞在し、建築にも積極的に関わった証拠なのです。仏教本来の伝統と、多文化が自然に溶け合った独自の美しさが、開元寺最大の特徴といえるでしょう。

境内には高さ40メートルを超える二基の石塔(東塔・西塔)がそびえ、遠くからでもよく目立ちます。その壮麗な姿は泉州と世界のつながりをシンボリックに物語り、写真愛好家にも人気の撮影スポット。特に朝早くの静かな時間に訪れれば、仏教の清らかな空気と国際都市泉州の歴史をしみじみ感じることができるはずです。

泉州イスラム教清真寺:異国文化の足跡

泉州イスラム教清真寺(清浄寺)は、8世紀後半に創建された中国最古級のイスラム寺院のひとつです。泉州港を経由して多くのアラブ商人が中国へ訪れるようになり、自分たちの信仰や伝統を新天地で守るため、このモスクが建てられました。今も現役の宗教施設として使われ、地元ムスリムコミュニティの支えとなっています。

その建築は、中国伝統の屋根やレンガの造りと、アラビア様式のアーチや尖塔が融合した独特のスタイル。入口にはアラビア語の碑文、建物内部にはペルシャ風の装飾が残されており、泉州の国際的歴史を体現するシンボルといえます。ここを訪れることで、当時のアラブ諸国と泉州の深い交流を感じ取ることができるでしょう。

また、清真寺の周囲にはかつてのアラブ商人の墓や、イスラム教に関連する資料館も併設されています。歴史好きな方はじっくりと碑文や遺構を見学し、泉州が世界に開かれた最先端都市だった証を感じてみてください。

海上絲綢の道博物館:交易の歴史を体感

泉州の港沿いにある「海上絲綢の道博物館(海のシルクロード博物館)」は、泉州の世界遺産エリアをより深く理解するためにおすすめのスポットです。館内では、宋・元時代に泉州港で実際に積み下ろしされた貿易品の数々や、当時の航海図、船の模型が展示されています。見て・触って・学べるため、子ども連れにも人気の博物館です。

ここでは、泉州発祥の陶磁器、アラビアや東南アジアから持ち込まれた香辛料、異国の通貨や宝飾品なども実物展示されていて、往時の国際貿易の広がりを実感できます。宋・元時代の泉州港や外国人居留地を復元した巨大ジオラマもあり、「一日で世界旅行」した気分を味わえます。

また、定期的にワークショップや講演会も開催されており、地元学校の社会見学や市民講座にも利用されています。館内のカフェでは泉州伝統のお茶やスイーツも楽しめるので、一休みしながらゆっくり泉州のロマンにひたってみましょう。


4. 泉州グルメも見逃せない!

新鮮な海の幸を堪能

泉州は中国・福建省の海沿いに位置することから、豊富な魚介類が年中楽しめます。特に有名なのが新鮮なアサリやカキ、カニ、エビ、イカなどの海の幸たち。地元の「海鮮レストラン」や屋台では毎朝港から直接仕入れる素材が使われ、そのプリプリとした食感や濃厚な旨みは格別です。

名物料理には「泉州魚団子」があります。これはスリ身の団子をスープとともにいただくもので、まろやかな味付けと魚の風味が絶妙に調和します。また、貝をふんだんに使った炒め物や蒸し料理、揚げ物も豊富で、どれも日本人の舌にもよく合います。夜市では、シンプルな塩焼きや地元特産の香辛料を効かせた料理が手軽に味わえます。

泉州の海鮮料理は新鮮さと素朴さが特徴。観光客向けのオシャレなレストランから、地元客が日常的に通う大衆食堂まで幅広く、予算に応じて選べます。港町の雰囲気を満喫しながら、ぜひいろいろな海の幸を食べ歩いてみてください。

伝統的なお菓子と軽食

泉州はお菓子や軽食のバリエーションも豊富で、地元ならではの独自のおやつ文化が息づいています。特に有名なのが「四果湯(すーぐぉたん)」という甘味スープ。これはタピオカや豆、果物などが入ったヘルシーなデザートで、夏の定番です。プルっとした食感の仙草ゼリーや、もち米を使ったスイーツも人気。街角の屋台やカフェで気軽に味わえます。

「泉州花生湯(ピーナッツスープ)」も地元の伝統的な軽食。やさしい甘みの温かいスープに、香ばしい落花生がたっぷり入っています。また、「油条」と呼ばれる揚げパン、「焼餅」や「餡入りパン」など、小腹が空いた時にぴったりなストリートフードもたくさん。どれも素朴な味わいで、ほっとする美味しさがあります。

朝食の定番は「泉州米粉(ライスヌードル)」や、小さな点心、蒸し餃子など。泉州の食文化は、他都市や海外の影響も取り入れつつ、独自の進化を遂げています。食べ歩きを通して泉州ならではの「多文化グルメ」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

ローカル市場で食べ歩き

泉州に来たら、ぜひ立ち寄ってほしいのがローカル市場や夜市です。市内各所に大小の市場が立ち並び、新鮮な野菜や魚介、地元の手作り漬物などが所狭しと並んでいます。観光客が普段味わえないローカルグルメも現地市場ならではの醍醐味です。

特に夜は屋台が賑わい、串焼きや餡餅、四川風の辛い麺など、バリエーション豊かな軽食をその場で楽しむことができます。地元民に混じって市場グルメを食べ歩けば、気さくな屋台のおばちゃんや常連客とのコミュニケーションも生まれて、旅の思い出になること間違いなし。

市場では魚やお菓子だけでなく、お土産物や工芸品、茶葉も売られています。早朝の市場は特に活気があり、泉州人の普段の暮らしや活きた文化を間近に感じる絶好のスポット。異国情緒あふれる市場を歩きながら、泉州が育んだ美食の世界を満喫してください。


5. 現地で楽しむ泉州の旅

歩いて巡るお勧めモデルコース

泉州の見どころは比較的市内中心部にまとまっているため、歩きやバスで効率良く巡ることができます。一日観光なら、まず朝は「開元寺」からスタート。歴史的な石塔や庭園をゆっくり散策し、泉州の多民族文化に触れます。その後は開元寺周辺のローカルカフェや屋台で地元の朝食・スイーツを味わうのもおすすめです。

次に、徒歩またはバスで「泉州イスラム教清真寺」や、歴史的なキリスト教教会跡へ。宗教ごとに趣の異なる建築や飾り、各国から持ち込まれた文化財を見学できます。午後は「洛陽橋」へ足を延ばし、古橋を渡って千年の歴史を体感しましょう。途中の市場で軽食やお土産探しもお忘れなく。

夕方には「海上絲綢の道博物館」へ。ここで一日の旅の集大成として、泉州港の役割や世界へのつながりを総復習できます。時間があれば「清源山」まで足を延ばし、山頂から泉州の街並みを一望しながら静かな夕暮れを味わうのも格別です。観光地の多くは市バスやタクシーでもアクセス可能なので、スケジュールや体力に合わせてアレンジしてみましょう。

お土産にぴったりな泉州名産

泉州のお土産といえば、まず人気なのは伝統的な「徳化白磁」や「泉州陶器」。1000年以上の歴史を誇る地元の焼き物は、精緻な白さと手触りの良さが特徴で、食卓を彩る小皿やティーカップが評判です。また、「安渓鉄観音茶」や「ウーロン茶」など福建ならではのお茶類も喜ばれます。香り高い茶葉は、日本では手に入りにくい希少品種も多いので、ぜひ現地の専門店で選んでみてください。

食べ物では「落花生菓子」や「四果湯の素」、「海産物缶詰」や「エビせんべい」などもおすすめ。パッケージもしっかりしているので職場や友人へのお土産に最適です。市場や観光地のお店では、手作りの木工細工や染物、地元アーティストの雑貨も手に入ります。泉州オリジナルの小物は旅の思い出としてもぴったりですね。

お土産選びの際は、地元市場や公式ショップのほか、海上絲綢の道博物館のギフトコーナーもチェックしましょう。観光地を巡りながら、ユニークな泉州グッズ探しを楽しんでください。

観光情報とアクセス方法

泉州へのアクセスは、とても便利です。日本からは、まず上海、厦門、福州などで乗り継ぎ、飛行機・新幹線・長距離バスで泉州入りするのが一般的。泉州晋江国際空港から市街地までは車で約30分とアクセスが良好で、タクシーや市バスも頻繁に運行しています。

市内の主な観光地には市バスやシェア自転車で簡単にアクセスできます。各種交通カードはコンビニや地下鉄駅で購入できます。ホテルは高級からリーズナブルなものまで幅広く、快適な滞在が叶います。日本語対応スタッフがいるホテルはまだ少ないですが、簡単な英語や翻訳アプリで問題なく過ごせるでしょう。

市内の観光案内所や大型ショッピングセンターには多言語のパンフレットも揃っています。観光地ではQRコードで電子チケットが購入できる施設も増えているので、スマホを活用すると便利です。季節ごとの気候やイベントも事前にチェックして、存分に泉州旅行を楽しんでください。


6. まとめ:泉州が持つ独自の魅力

歴史と現代が融合する町並み

泉州の最大の魅力は、千年単位の深い歴史と、現代的な活気あふれる町並みが調和していることです。宋・元時代の栄華を伝える史跡や寺院、伝統行事が今も受け継がれています。それと同時に、近代的なショッピングエリアやカフェ、若者カルチャーも街角にあふれ、過去と未来が自然に共存しているのが泉州の町の特徴です。

町のどこを歩いても、「ここだけの物語」が感じられるのが泉州の面白いところ。開元寺や洛陽橋を訪れ、清真寺や市場を歩けば、当時の国際都市の面影と、今の地元の元気な暮らしが見事に重なります。時代を越えて、ここにしかない多様性と寛容さは、これからも泉州独自の財産として輝き続けることでしょう。

旅人として泉州を訪れれば、普通の観光地とは一味違う深い感動や発見がきっとあるはずです。

世界遺産登録の意義

「泉州:宋元中国の世界海洋商貿センター」が世界遺産に登録されたのは、中国独自の歴史が世界の文化発展にいかに貢献したかを示す大きな証しです。泉州は、交易によって栄え、多民族・多宗教が平和に暮らした「国際都市」のモデルを示しました。この地で育まれた交流や協力の歴史が、今日のグローバル化にもヒントを与えてくれます。

世界初のグローバル都市ともいえる泉州の功績が認められ、現代の私たちにも「多様性を受け入れることの大切さ」「異文化理解の大事さ」を気づかせてくれるはずです。世界遺産の名のもとで、泉州の歴史遺産はこれからも大切に守られていきます。

今後も新たな発見や研究が進めば、泉州という町への注目はいっそう高まることでしょう。

次に訪れたい!泉州の今とこれから

泉州はこれからも進化を続ける町です。伝統文化を大切に守りながらも、現代的な都市開発や観光サービスが着実に広がってきています。新しい美術館や文化施設、カフェやモダンホテルも増えており、「世界に開かれた未来型都市」として新しい役割を果たし始めています。

日本からはまだそれほど多くの観光客が訪れていない泉州ですが、これから人気が高まること間違いなし。中国の歴史を肌で感じ、世界遺産の本当の価値に触れる旅先として、またグルメやショッピングも楽しめる総合観光地として、ぜひ次の旅行先リストに加えてみてください。

終わりに――泉州は、「昔」と「今」、「東」と「西」をつなぐ“時間の交差点”です。その独自の魅力を、ぜひ現地で体感してください。

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