1. 林学院(林学部)
東北林業大学の象徴ともいえる「林学院(林学部)」は、中国国内だけでなくアジアにおいても権威ある林学教育・研究拠点としてその名を轟かせています。この学部は、森林資源の保護・利用、持続可能な発展、森林生態系の維持など多様な分野でリーダーを育成する役割を担っています。
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林学専攻
林学専攻では、森林の成長や生態、樹木の遺伝や改良、植林や更新技術、林業経済など幅広いカリキュラムが組まれています。実験林を活用したフィールドワーク、実際の現場体験を重視し、理論と実践のバランスが取れた学修体系が特徴です。また、森林の多機能性(木材生産だけでなく保水や二酸化炭素吸収、生物多様性の保全など)に関する研究も盛んです。 -
森林保護専攻
森林の健全性と生態系の維持を目指し、害虫や病気、森林火災などの森林災害を予防・管理する方法を学びます。森林保全のための農薬利用、バイオコントロールや森林病理学、昆虫学などの専門知識を深め、森林保護政策にも携わる人材を育てます。 -
森林エンジニアリング専攻
森林測量、資源調査、林道設計、木材搬出や森林機械の運用管理など、森林管理と利用に不可欠なエンジニアリング技術を習得します。新時代の省力・効率化を目指し、GIS(地理情報システム)やドローンなど最先端の技術導入にも力を入れています。 -
森林資源管理専攻
持続可能な森林資源管理・政策設計・計画策定のスペシャリストを育成します。森林資源の計画的な育成・伐採、土地利用との調和、法律・規制に関する知識のほか、経済性評価や社会・地域振興にも関連する教育を展開しています。
林学院は、多様な研究プロジェクトを展開しており、中国だけでなく海外の大学・研究機関との学術交流も活発です。卒業生は政府機関、森林管理局、林業企業、自然保護団体など多方面で活躍し、森林の未来を担うキーパーソンへと成長しています。
2. 環境と資源学院(環境・資源学部)
「環境と資源学院(環境・資源学部)」は、21世紀を代表する課題である環境保護、資源管理、持続可能な発展に対応した専門家養成を目指しています。産業や人口の集積、市場経済の発展に伴い、環境分野のスペシャリストの需要がますます高まっています。
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環境科学専攻
大気・水・土壌などに関する基礎科学から環境評価、環境リスク管理、汚染防止技術まで、広範囲な環境問題の本質を学びます。国際的な環境法や政策に関する教育にも力を入れ、グローバルな視野を持った人材を養成します。 -
環境工学専攻
環境汚染防止、排水・排ガス処理、廃棄物資源化技術など、工学的アプローチによる解決策を研究します。実際の企業や自治体と連携したプロジェクトで実践力を磨きます。 -
生態環境保護専攻
自然保護区、野生生物保全、生態系サービスの維持など、生態学の理論と実践を組み合わせ地球環境問題の解決を目指しています。最新の生態モデリングやリモートセンシング技術も学びます。 -
水資源管理専攻
中国東北部の豊富な水資源を対象に、ダム・灌漑・水供給・水質保全などの計画・管理技術を修得できます。気候変動と水資源管理の関連性にも常に注目しながら、世界が直面する水問題の解決にも寄与しています。
3. 土木工程学院(土木工学部)
「土木工程学院(土木工学部)」は、持続可能なインフラストラクチャー、都市と農村の建設、交通ネットワークの設計・整備に関する革新的な知識と技術を提供します。
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土木工学専攻
構造力学、基礎工学、コンクリート・鋼構造、建築材料、地盤工学、環境土木など、土木分野の幅広い基礎および応用を学びます。環境配慮型インフラや耐震構造、気候変動を考慮した土木技術が重視されています。 -
都市・農村建設専攻
地方都市や農村地域の持続的な発展を視野に入れ、都市計画、住環境整備、農村インフラの改善等を中心に展開します。住民の生活向上、都市・農村統合のための行政・政策分野と協働する力も重視されます。 -
交通工学専攻
新しい交通インフラ計画、道路設計・維持管理、交通流の最適化、スマート交通システム(ITS)など、都市化・人口増加による交通問題に挑む先端領域を扱います。
4. 機械電子工程学院(機械電子工学部)
「機械電子工程学院(機械電子工学部)」は、先端機械設計、オートメーション、ロボティクスを軸に、省エネ・自動化、産業高度化に貢献する人材を育成しています。
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機械設計支援専攻
最先端のCAD/CAM技術や機械要素設計、メカトロニクスなどを学び、産業機器だけでなく林業・農業の省力化機械設計にも応用されます。 -
自動化専攻
生産ラインの自動制御、センサー応用、工場オートメーション技術など、現代産業の要となる分野です。AIやIoT技術と連携し、次世代スマート生産への応用をめざします。 -
工業ロボティクス専攻
各種産業ロボットの設計・制御・運用を学び、AIや画像認識技術など、関連領域とも連携しています。林業や農業でのロボット応用も重視されています。
5. 材料科学与工程学院(材料科学・工程学部)
「材料科学与工程学院(材料科学・工程学部)」は、特に木材を基盤とする素材研究において中国トップクラスの実績を誇り、化学・物理・工学が融合した新素材開発にも注力しています。
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木材科学与工程専攻
木材物理・化学特性、加工・保存技術、木質材料の高性能化、複合材料の開発まで、幅広い木材科学を網羅した独自のカリキュラムを持っています。 -
材料化学専攻
有機・無機の新規材料、ナノ材料、機能性高分子、エコ材料など、基礎から応用まで科学的アプローチで新素材を創出します。 -
高分子材料与工程専攻
分子構造設計やポリマー合成、生体適合材料、複合材料開発など、現代産業に不可欠な高分子材料の基礎・応用研究に取り組みます。
6. 経済管理学院(経済管理学部)
「経済管理学院(経済管理学部)」は、現代社会・産業を支える経済・経営・会計の専門家を養成し、グローバル&デジタル経済時代の変化に柔軟に対応する人材を輩出しています。
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経済学専攻
マクロ・ミクロ経済理論、計量経済学、産業構造解析など、経済の流れを多角的に分析できる力が身につきます。 -
工商管理専攻
経営戦略、組織管理、運営管理、人的資源管理、起業マネジメントなど、実社会でのビジネススキルを総合的に磨きます。 -
会計学専攻
財務会計、管理会計、簿記、資産評価、企業監査など、企業経営の根幹を担う「数字のプロ」を養成します。 -
マーケティング専攻
市場調査、消費者行動、広告宣伝、ブランド構築、デジタルマーケティングなど、顧客ニーズに応える戦略立案手法を学びます。
7. 生命科学学院(生命科学学部)
「生命科学学院(生命科学学部)」は、生命科学の基礎からバイオテクノロジー、応用生態学まで先進的な教育・研究環境が整っています。
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生物科学専攻
遺伝学・分子生物学・生理学・生物多様性など、基礎生命科学の広範囲な知識を習得。実験系中心の基礎研究力が鍛えられます。 -
バイオテクノロジー専攻
遺伝子工学、微生物工学、細胞工学、農業・医療分野への応用技術など、実務的バイオ研究と開発力を融合します。 -
生態学専攻
生態系構造・機能・相互作用、保全生態学、環境変動への応答など、人間社会と自然環境の共生をテーマに扱います。
8. 計算機与控制工程学院(コンピューター・制御工学部)
「計算機与控制工程学院(コンピューター・制御工学部)」は、情報社会の基盤を支えるハイレベルなIT・制御技術者養成を担っています。
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コンピュータ科学与技術専攻
プログラミング、アルゴリズム、データベース、AI、ビッグデータ解析、ネットワークなど、ソフトウェア・ハードウェア双方をカバーします。 -
情報管理与情報システム専攻
情報システム構築、データ管理、業務効率化や情報セキュリティなど、企業・行政で即戦力となる実践的知識を修得します。 -
制御科学与工程専攻
自動制御理論、センサー・アクチュエータ技術、産業オートメーション、スマートシステム設計などが中心です。
9. 理学院(理学部)
「理学院(理学部)」は、自然科学の基礎研究から応用研究まで幅広く対応し、理系人材養成に欠かせない役割を担っています。
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応用化学専攻
有機・無機化学、化学反応工学、材料化学、環境化学など、化学の最先端と幅広い実用案件に強い人材に育てます。 -
数学専攻
純粋数学、応用数学、統計学、情報数学など、理工系諸分野の基礎となる高度な数理力を養います。 -
物理学専攻
力学、電磁気学、熱力学、量子物理など、物理現象の本質究明から先端テクノロジーの基礎研究まで取り組むことができます。
10. 人文社会科学学院(人文社会科学学部)
「人文社会科学学院(人文社会科学学部)」は、現代社会の多様化とグローバル化に応じた幅広い人文社会系教育を展開しています。
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社会学専攻
社会構造、社会変動、人口動態、家族・教育・産業・都市問題、現代中国社会における諸課題などを学びます。 -
法学専攻
中国法を基盤とし、行政法・民法・刑法・環境法など多彩な法分野を網羅。公務員や法曹界への道も用意されています。 -
英語専攻
実用英語、英語コミュニケーション、翻訳・通訳、英語文学など、英語を通じた国際交流力・専門力を高めます。 -
中国語専攻
中国語の言語学・文学・翻訳・異文化比較など、中国の豊かな文化教養を身につけます。
11. 芸術設計学院(芸術設計学部)
「芸術設計学院(芸術設計学部)」は、伝統美と現代感覚を融合したデザイン力、社会とつながる創造性の育成を目指しています。
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視覚伝達デザイン専攻
グラフィックデザイン、広告・ポスター制作、出版物デザイン、Web/デジタルメディアなどを幅広く学べます。 -
環境芸術デザイン専攻
住空間や公共空間のデザイン、都市景観美化、持続可能な環境構築など、美と機能性を両立させるデザイン思考を重視します。 -
工業デザイン専攻
製品開発、パッケージデザイン、インターフェース設計、プロダクトイノベーションなど産業現場でのデザイン力を鍛えます。
12. 外国語学院(外国語学部)
「外国語学院(外国語学部)」は、多文化社会への対応と国際的な交流・情報発信に不可欠なグローバル人材を養成します。
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英語専攻
英語の運用力、実践コミュニケーション、翻訳・通訳、異文化コミュニケーションなど、即戦力となる語学力を身につけます。 -
日本語専攻
日本語文法、会話、読解、日本文学・社会・文化、ビジネス日本語、外資系企業や日中交流分野でのキャリアに強みがあります。 -
ロシア語専攻
ロシア語四技能、ロシア文化・社会・歴史、経済・貿易関連語彙にも力を入れています。
13. 基礎医学部(基礎医学部)
「基礎医学部」は、医学・生命科学を基礎から応用まで総合的に学べる環境があり、地域医療に貢献する医療従事者の育成にも重きを置いています。
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医学専攻
解剖学・生理学・生化学・微生物学など、基礎医学教育を徹底し、医学知識と臨床能力の習得をめざします。 -
臨床医学専攻
臨床診断、治療技術、病院実習など、患者との直接的な医療現場体験を通じて、医師としての実務力を磨きます。
14. 体育部(体育学部)
「体育部(体育学部)」は、学校体育、健康教育、スポーツ指導、競技スポーツ普及のエキスパートを育て、地域社会や学校教育の向上に寄与しています。
- 体育専攻
体育理論、運動実践、スポーツ心理学、スポーツ栄養・医学、競技指導法など実践と指導能力の向上をめざします。
15. 交通学院(交通学部)
「交通学院(交通学部)」は、現代中国の大規模交通システム整備に対応する専門技術者とリーダーを養成しています。
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交通運輸専攻
陸上運送・物流システム、交通ネットワーク計画、運輸経済、交通政策、交通安全管理などを専門的に学びます。 -
交通工学専攻
道路設計、交通制御、都市交通シミュレーション、公共交通最適化など、工学的アプローチで交通問題の解決に貢献します。
東北林業大学は、森林・環境・材料といった伝統分野での優位性を活かしつつ、多様な学部・学院を擁し、現代社会のニーズに応える総合大学へと成長しています。卒業生は林業技術者や研究者に止まらず、経済、情報、医療、法務、デザインなど多分野へ羽ばたき、中国東北地域のみならず世界で活躍しています。中国の発展を肌で感じながら、自然共生とイノベーションの両立を目指す方にとって、東北林業大学はまさに理想的な学びの場です。
