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   長春動植物公園 (长春动植物公园)

イントロ
中国の北東部に位置する長春(ちょうしゅん)は、自然と都市が調和したとても居心地の良い街です。もし中国旅行で都会の賑わいだけではなく、動物や自然にたっぷり触れ合いたい日があれば、ぜひ一度訪れてみたい場所のひとつが「長春動植物公園」です。都会の真ん中にありながら、動物や植物の多様な魅力がぎゅっと詰まったこの公園は、一日中いても飽きることなく過ごせます。今回は、そんな長春動植物公園を中心に、長春という街の雰囲気や周辺の観光も交えながら、たっぷり紹介します。

目次

1. 長春ってどんな街?

長春の基本情報

長春は中国吉林省の省都で、北京や上海と比べると知名度はそこまで高くありませんが、約900万人が暮らす大きな都市です。近代的なビルが建ち並ぶ市街地と、広々とした公園や緑地が点在するレイアウトが印象的です。長春は「北方の春」とも呼ばれるように、四季がはっきりしているのも特徴。特に夏は緑が美しく、涼しく過ごしやすい気候が多くの人々に愛されています。

この都市は、中国東北エリアの交通や経済の要としても重要な役割を持っています。鉄道や高速道路が発達しており、他の都市へのアクセスも抜群です。市内のバスと地下鉄も発展しているので、観光客でも便利に動き回れます。毎年多くの観光客が訪れているのも納得できる、利便性の高い街です。

また、長春はかつて「自動車の都市」と呼ばれた歴史もあり、中国初の自動車メーカー「第一汽車集団(FAW)」の本拠地として知られています。産業都市として発展してきた一方で、近年は癒やしの自然や文化施設の多さが再注目されている、伝統と革新が同居するユニークな都市なんです。

独自の歴史と文化

長春の歴史は実はそこまで古くありません。清朝時代末期に都市整備が進み、日本の関東軍による満州支配時代には「新京(しんきょう)」と呼ばれ、満州国の首都とされていました。そのため、街の中には今でも日本やヨーロッパの影響を感じる建築物や雰囲気が残っています。

歴史の中で様々な国の文化が交わった長春は、多様な食文化や建築、生活習慣などが融合しているのがポイント。例えば、洋館風のカフェやレストラン、昔の官庁建築を再利用したギャラリーなど、独自の文化の交わりを感じられます。ちなみに、日本と縁の深い地名や施設もちらほら見られ、日本人旅行者には親近感のある街かもしれません。

また、長春は映画とも関係が深いんです。中国最初の映画制作会社のひとつ「長春映画製作所」があるため、「中国映画の都」と呼ばれることも。中国映画の歴史をテーマにしたミュージアムや撮影所見学ツアーも人気があります。

自然あふれる都市の雰囲気

長春は「森の中の都市」とも言われ、市内には豊かな緑や広々とした公園が驚くほど多くあります。春と夏には街路樹の枝葉が作る木陰が気持ちよく、秋には紅葉、冬には雪景色と、どの季節でも違った美しさを楽しめる街並みが魅力です。

特に、長春動植物公園や南湖公園、北湖公園といった大規模な緑地は、地元市民の憩いの場となっています。朝の公園では太極拳やジョギングを楽しむ人々、週末には家族連れのピクニックや学生グループで賑わいます。

こうした自然に囲まれた環境が、長春の人々を穏やかにしているのかもしれません。都会の便利さと自然の癒やし、両方の魅力を気軽に体験できるのが、長春の大きな特徴です。

2. 長春動植物公園へ行こう

アクセスと所在地

長春動植物公園は、市街地の中心から東に約8kmの場所にあります。「長春市南関区牡丹街」という住所で、市の主要駅である「長春駅」や、地下鉄1号線の「動植物公園駅」からもアクセスが良好で、タクシーなら15分ほど、バスなら20分ほどで到着します。

地下鉄利用の場合、「動植物公園駅」で下車し、徒歩5分程度です。初めて訪れる方でも標識が分かりやすいため、迷う心配も少ないでしょう。バスは市内各所から公園前まで直行便が多数出ているので、旅慣れしていない方にも安心です。

レンタサイクルやシェア電動スクーターの利用も可能で、街歩きが好きな方にはとくにおすすめ。周辺には飲食店やコンビニも充実しているので、ピクニックランチの調達もラクラクです。

公園の歴史

長春動植物公園のオープンは1940年まで遡ります。中国動植物公園の草分け的存在で、当時から地元住民のレクリエーションや学習の場として親しまれてきました。日本の動物園や植物園と同じく、「動物と自然、そして人との調和」を大切にしています。

開園当初はこぢんまりした動物舎がメインでしたが、時代とともにリニューアルを重ね、今では動物エリア・植物園エリア・体験施設など、多機能型の大型公園へと進化しています。特に2000年代以降、絶滅危惧種保護や環境教育への取り組みが強化され、現代的な動植物公園のお手本として評価されています。

施設の老朽化に対する定期的な改修だけでなく、バリアフリー化も進んでおり、小さな子ども連れからお年寄りまで幅広い世代に愛されています。動物舎や植物園内は清潔感があり、安心して見学できるのも嬉しいポイントです。

入園料とおすすめの季節

入園料は大人40元(約800円)、子どもや学生、シニア割引もあり20元(約400円)ほどと、とてもお手頃です。現地でチケットを購入することもできますが、最近はQRコードでのオンライン決済や事前予約も増えています。日本の多くの観光地と比べても、とてもリーズナブルと言えるでしょう。

ベストシーズンはやはり春から初夏にかけて。長春の冬は雪がたくさん降るため、通路や屋外施設が凍結することも。でも春になると一斉に花が咲き始め、動物たちも活発に動き回ります。夏も過ごしやすい気温な上、日差しも比較的穏やかなので、木陰で休みながらのんびり散策できます。

秋は紅葉シーズンで、植物園エリアの景観がとても美しくなります。桜や梅、バラなど季節ごとの花も見物です。逆に冬は寒さが厳しいため、防寒対策や屋内施設の利用をメインにするのがおすすめです。ただ、雪景色の中で動物を観察するのもなかなか貴重な体験ですよ。

3. 見どころ

動物エリア:パンダや珍しい動物たち

長春動植物公園では、約90種類・1000頭以上の動物たちが飼育されています。一番の人気者は、なんといってもジャイアントパンダ。中国国内でも人気の高いパンダを間近で見られるチャンスに、多くの観光客が長蛇の列を作ります。

パンダ以外にも、中国虎(シベリアトラ)やレッサーパンダ、北極熊、孔雀、オランウータンなど、バラエティ豊かな動物たちが揃っています。国内外からの珍しい動物も積極的に受け入れており、珍獣好きにはたまらないエリアです。動物たちの解説パネルや、餌やり体験イベントも開催されているので、子どもはもちろん大人も十分に楽しめます。

施設の配置も工夫されていて、動物たちのストレスを減らしながら、自然な姿を観察できるようになっています。大きな水槽のあるアザラシ館や鳥類館、キリン舎の展望デッキなどもあり、動物との距離が近く感じられるのが嬉しいポイントです。

植物園エリア:四季折々の花と緑

公園の約半分を占める植物園エリアでは、四季折々の草花が楽しめます。春はチューリップやツツジ、桜が咲き乱れ、初夏にはバラ園やラベンダー畑が見ごろを迎えます。植物園の中心には小さな池やせせらぎがあり、カモやカメがのんびりと泳いでいます。

熱帯植物温室も人気スポットのひとつ。ここではバナナやパパイヤ、珍しいオウムバナなど南国の植物を見ることができます。また、サボテンや多肉植物のコーナーもあり、不思議な形の植物に出会うことができます。館内は季節や天候に関係なく楽しめるので、雨の日や寒い日でも大丈夫です。

植物園エリアは、散策コースがいくつも設けられていて、「花のトンネル」「バラの回廊」「樹齢100年以上の松並木」など、カメラを持って歩きたくなるような場所がいっぱいです。また、季節の植物ガイドツアーも定期的に実施されています。

キッズゾーン・体験施設

長春動植物公園のもうひとつの魅力がキッズゾーンと体験施設です。小さな子どもが安心して遊べる遊具広場や、ちょっとしたアスレチックコースもあります。どろんこになったり、動物型の乗り物で遊んだりと、家族連れにはうれしいエリアです。

さらに、動物とのふれあい体験や、飼育係さんの仕事体験も人気があります。ウサギや羊、ポニーなど温厚な動物と言葉もいらない交流ができるので、子どもたちの成長の記念写真スポットとしても最適。季節によっては動物のお世話体験イベントが行われていて、普段見られない動物園の裏側も覗けます。

体験施設には「自然学習館」や「観察ルーム」もあり、パネル展示や映像コンテンツで生き物の生態や、自然保護の大切さを学ぶことができます。ちょっと大人向けのワークショップや、週末限定の解説ツアーも充実しているので、親子そろって楽しく学べる空間になっています。

4. 公園の楽しみ方ガイド

散歩やピクニックのおすすめスポット

広大な公園内は、とにかく歩いて自然を感じるのがおすすめです。特に、春の花が咲く遊歩道や池の周りは、のんびり散歩にはぴったり。ベンチや芝生広場もたくさんあるので、天気がよい日はお弁当を広げてプチピクニックはいかがでしょう。

ピクニックランチには、近くのパン屋さんやカフェでテイクアウトを買っていくのもおすすめ。公園内には軽食スタンドも点在しているので、ちょっとしたホットドッグやアイスクリームも気軽に楽しめます。人気のピクニックスポットは、動物エリアに隣接した「花の丘」と、池の見える「せせらぎ広場」です。

朝早い時間や夕暮れどきは、訪れる人も少なめで静か。ゆったりとした空気の中、小鳥のさえずりや風の音を聞きながら散策すれば、心も体もすっきりリフレッシュできます。家族でもカップルでも、一人旅でも大満足の時間を過ごせるはずです。

家族や友人との写真映えスポット

園内の随所には、フォトジェニックなスポットが点在しています。特に春の桜並木や、色とりどりの花壇はとても美しく、SNS映え抜群。動物エリアではパンダやキリンの前、植物園では花で作られたアーチやボタニカルガーデンの回廊など、どこで撮っても素敵な一枚に。

おすすめフォトスポットの中には、動物をかたどった巨大オブジェクトや、小さな池にかかったかわいい橋、竹林に囲まれた道なども。家族写真や友達同士の記念写真はもちろん、旅行の思い出の自撮りにもぴったりです。

また、季節ごとに背景がガラリと変わるため、何度でも違う景色が楽しめます。秋には真っ赤な紅葉と動物たちを一緒に写真に収めたり、冬の雪景色とキラキラのイルミネーションの中、まるで別世界にいるような写真も撮れますよ。

毎年開催されるイベント

長春動植物公園では、通年を通していろいろなイベントが開催されています。春は「フラワーフェスティバル」、夏は夜間開園や動物のナイトツアー、秋はハロウィンイベント、冬はライトアップやイルミネーション展示など、季節ごとにテーマが変わります。

人気のイベントの一つが、動物エリアで行われる「パンダの誕生日会」。パンダに特製のケーキが用意され、多くの来園者がケーキを囲んでお祝いします。子ども向けのスタンプラリーや、動物解説イベント、参加型のワークショップも充実していて、家族連れには特におすすめ。

また、地域の小学校や中学校と連携して、自然や動物に関する出張授業や写生大会なども実施されています。旅行の日程が合えば、ぜひ公式サイトでイベント情報をチェックして、特別な体験をしてみてください。

5. 近隣のおすすめ観光地

長春映画城で映画の世界を体験

長春と言えば、やっぱり外せないのが「長春映画城(映画制作所)」。長春動植物公園から車で20分ほど、路線バスでも行けるアクセスの良さです。ここは中国映画の歴史や撮影秘話を体感できる大型テーマパーク。

広い敷地内には、実際の映画撮影セットや歴代映画の衣装、撮影機材の展示、さらには“巨大スクリーンでの名作上映コーナー”もあります。映画好きなら一日中いても飽きませんし、特に映画体験ゾーンでは、自分も映画の登場人物になったような感覚が味わえます。

期間限定の体験撮影イベントや、有名俳優のトークショーなどタイミングによって特別プログラムも開催されているので、旅の思い出作りにぴったりです。家族連れや友達同士はもちろん、ひとり旅でもたっぷり楽しめます。

文化広場とその周辺散策

長春市中心部にある「文化広場」は、市民の人気スポットです。動植物公園からはタクシーで15分ほど。広い芝生に銅像や記念碑が並び、週末になると地元の人たちがダンスや音楽イベント、フリーマーケットなどを開いています。

この文化広場の周辺には、歴史的な建造物やアートギャラリーが点在しており、のんびり散策するのが楽しいエリア。満州国時代の歴史を感じさせる建物から、現代アートで彩られたカフェ、伝統工芸品のショップなど、見どころ満載です。

また、春や夏の夕方には広場全体が黄金色に包まれ、幻想的な雰囲気になります。ここで地元の人たちと交流したり、ちょっとしたストリートパフォーマンスを見たりするのも、異国情緒を味わえる魅力です。

ローカルグルメを楽しもう

長春観光で絶対はずせないのが、地元グルメの数々。長春の料理は「東北料理」と呼ばれ、寒い地方ならではの食材や調理法が特徴。おすすめは「鍋貼(ギョーザ)」「羊肉串」「鍋料理」などで、どれも日本人の口に合う味わいです。

特に動植物公園周辺には、小さな食堂やカフェが点在していて、新鮮な地元野菜を使った定食や、あったかい麺料理などがリーズナブルに楽しめます。フルーツやスイーツも豊富で、夏にはさっぱりとしたフルーツアイスやタピオカミルクティーが人気です。

ぜひ「朝ごはんは点心屋さん」「ランチは餃子屋」「ディナーはローカル居酒屋」といった具合に、一日かけて食べ歩きしてみてください。食文化を体験することが、旅の思い出をより深めてくれますよ。

6. まとめ・旅行のヒント

公園を思い切り楽しむためのポイント

長春動植物公園は、とにかく広いので動きやすい服装と歩きやすい靴が必須。季節によっては天気が変わりやすいので、帽子や日焼け止め、夏なら水分も忘れずに。同行者が小さな子どもなら、ベビーカー持参もおすすめです。

あらかじめ公式サイトでイベント情報や混雑予想をチェックしておくと、より効率的に楽しめます。園内の動物や植物だけでなく、体験イベントにもぜひ参加してみてください。休憩スポットやトイレの場所も確認しておくと、安心して計画が立てられます。

また、お土産コーナーやカフェも充実しているので、長春限定のグッズやスイーツも楽しみにしていてください。体験型のワークショップや季節限定メニューがあることも多いので、気になったらその場で申し込むのもおすすめです。

長春観光のお得情報

長春をじっくり観光したいなら、市内公共交通の一日乗車券や観光パスなどを活用しましょう。ホテルでもガイドマップや割引クーポンが用意されている場合があるので、事前に調べてみるとお得に楽しめます。

また、多くの観光スポットは市内中心部からアクセスしやすいため、空港や長春駅到着後の移動もスムーズです。事前に日本語対応ガイドツアーを予約しておくと、効率よく見どころが回れて安心です。

中国はキャッシュレス決済(スマホアプリ等)がとても一般的ですが、外国人観光客も使いやすいサービスが増えています。現金も少額は持っておくと何かと便利です。困った時は観光案内所やホテルで相談するとスムーズですよ。

日本からの旅行者へのアドバイス

日本から長春へは、直行便や北京・上海経由のフライトが便利です。時差も日本より1時間遅いだけなので、時差ボケの心配も少なく、短期間でも快適に旅行できます。

気候は日本の東北地方と似ていますが、冬場はかなり冷え込むので要防寒、夏でも夜は肌寒いことがあります。防寒着や羽織もの、使い捨てカイロを持参すると重宝します。

治安も比較的安定していますが、観光地ではスリや置き引きに注意を。市内の移動は地下鉄やタクシーが便利ですが、観光客の場合は配車アプリやホテルで手配してもらうのがおすすめです。言葉の不安があれば、ポケット翻訳機や翻訳アプリを活用しましょう。

終わりに

長春動植物公園は、長春の魅力をギュッと凝縮した癒やしと体験のスポットです。中国旅行の定番コースから少し外れた、のんびりとした街と、自然や動物とふれあう特別な一日がきっと忘れられない思い出になります。次の中国旅行には、ぜひ長春動植物公園を旅程に加えてみてくださいね。

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