中国への留学は新しい環境での生活が始まる大きな一歩です。しかし、到着直後は慣れない手続きや制度に戸惑うことも多いでしょう。特に居留許可の取得、住所登録、銀行口座開設は留学生活の基盤となる重要な手続きです。これらをスムーズに進めるためには、中国の法制度や現地の実務を理解し、必要な書類や期限をしっかり把握しておくことが不可欠です。本稿では、日本から中国へ留学する学生が到着後すぐに行うべき手続きについて、具体的かつ実践的な情報を詳しく解説します。
中国到着後にまず理解すべき基本ルール
中国の入国管理制度の全体像
中国の入国管理制度は、外国人の入国・滞在を厳格に管理するための法律と規則に基づいています。外国人は入国時に取得したビザの種類に応じて滞在許可を得る必要があり、留学生の場合は主に学生ビザ(X1またはX2)が該当します。X1ビザは長期滞在用で、到着後30日以内に居留許可を申請しなければなりません。一方、X2ビザは短期滞在用で、30日以内の滞在に限られます。これらの制度は公安局の出入境管理部門が担当し、厳密な手続きと期限管理が求められます。
また、入国管理では健康状態の確認や犯罪歴の調査も行われ、違反があった場合は強制退去や罰金などの処分が科されることがあります。留学生はこれらのルールを理解し、期限内に必要な手続きを完了させることが留学生活の安定につながります。
留学生が守るべき法的義務と罰則リスク
中国に滞在する外国人は、居留許可の取得、住所登録、ビザの更新などの法的義務を負います。特に留学生は、到着後30日以内に居留許可を申請し、滞在中は常に有効な許可証を保持する必要があります。これを怠ると、罰金や強制退去、将来のビザ申請に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、住所登録(临时住宿登记)も義務であり、宿泊先の公安派出所での登録を怠ると、罰金やビザ更新時のトラブルが発生します。さらに、銀行口座開設や携帯電話の実名登録も法律で定められており、これらを無視すると生活に支障が出るだけでなく、法的リスクも伴います。留学生はこれらの義務を正確に理解し、期限を守って手続きを行うことが重要です。
日本と中国の制度の違いを押さえるポイント
日本と中国では、外国人の入国管理や居住登録の制度に大きな違いがあります。日本では外国人登録証の制度が廃止され、マイナンバー制度と連携した管理が進んでいますが、中国では公安局が直接管理し、住所登録や居留許可の更新が厳格に運用されています。特に住所登録は、宿泊先の公安派出所での手続きが必須であり、これがないと違法滞在とみなされることもあります。
また、銀行口座開設においても、中国は実名登録制が徹底されており、居留許可や電話番号の提示が求められます。日本のように簡単に口座を作れるわけではないため、事前準備が必要です。これらの違いを理解し、現地のルールに適応することが留学生活のトラブル回避につながります。
到着から30日間のタイムラインと優先順位
中国到着後の最初の30日間は、居留許可申請、住所登録、銀行口座開設など多くの手続きを行う重要な期間です。まず、到着後7日以内に宿泊先の公安派出所で住所登録を済ませることが義務付けられています。次に、30日以内に居留許可の申請を行い、ビザの長期滞在許可を取得します。これらを怠ると罰則の対象となるため、優先順位を明確にして計画的に進める必要があります。
銀行口座開設は、生活費の管理や学費支払いに不可欠なため、居留許可取得後できるだけ早く行うことが望ましいです。大学の国際交流オフィスや先輩留学生のサポートを活用し、スケジュールを立てて効率的に手続きを進めましょう。
大学国際交流オフィスの役割と活用方法
多くの中国の大学には国際交流オフィス(International Students Office)が設置されており、留学生の生活や手続きのサポートを行っています。到着直後の居留許可申請や住所登録の案内、必要書類の準備支援、銀行口座開設の紹介など、具体的な手続きのアドバイスを受けられます。
また、各種オリエンテーションの開催やトラブル時の相談窓口としても機能しているため、困ったことがあればまず国際交流オフィスに相談するのが賢明です。日本語対応が可能なスタッフがいる場合も多く、言語面の不安を軽減できます。積極的に活用して、留学生活のスタートをスムーズにしましょう。
居留許可(居留証)の取得手続き
居留許可が必要となる条件とビザとの違い
中国に90日以上滞在する場合、入国時に取得した学生ビザ(X1ビザ)だけでは滞在できず、到着後30日以内に居留許可(居留証)を申請する必要があります。居留許可は中国での合法的な長期滞在を証明するもので、ビザとは異なり、現地での滞在資格を管理する役割を持ちます。X2ビザのような短期滞在ビザは居留許可の申請義務がありませんが、長期留学の場合は必須です。
居留許可の有効期間は通常1年で、更新が可能です。これを取得しないと、違法滞在とみなされ罰金や強制退去の対象となるため、必ず期限内に申請を行うことが求められます。
入国後の健康診断・既往検査結果の扱い
居留許可申請時には、健康診断の結果を提出する必要があります。中国では外国人の健康状態を把握するため、指定の病院での健康診断が義務付けられており、結核や伝染病の検査が含まれます。日本での既往検査結果は原則として認められず、中国国内での検査が必要です。
健康診断は大学の提携病院や指定医療機関で受けることが多く、費用や検査内容は地域によって異なります。診断書は居留許可申請時に公安局に提出し、合格しなければ居留許可が発給されません。体調管理にも注意し、早めに検査を受けることが重要です。
必要書類一覧と日本出発前に準備しておくもの
居留許可申請に必要な書類は、パスポート(有効なビザ付き)、入学許可書、健康診断書、写真(規定サイズ)、住所登録証明書などが基本です。これらのうち、入学許可書やパスポートは日本出発前に必ず準備し、コピーも複数用意しておくと便利です。
また、申請書類は中国語または英語での提出が求められることが多いため、翻訳や証明書の準備も検討しましょう。大学の国際交流オフィスが書類の確認や発行手続きをサポートしてくれる場合もあるため、事前に問い合わせておくと安心です。
大学での書類発行手続き(入学許可書・在学証明など)
入学許可書は中国の大学から発行される公式な入学証明書で、居留許可申請の必須書類です。通常、大学の国際交流オフィスで申請し、数日から1週間程度で受け取れます。併せて在学証明書や学生証の発行も依頼すると、各種手続きがスムーズになります。
書類発行にはパスポートのコピーや申請フォームの記入が必要で、大学によってはオンライン申請が可能な場合もあります。早めに手続きを始め、居留許可申請の期限に間に合うよう準備しましょう。
出入境管理局での申請プロセスと注意点
居留許可の申請は、大学近くの公安局出入境管理局で行います。申請時は書類の提出、指紋採取、写真撮影があり、申請料の支払いも必要です。窓口は混雑することが多いため、平日午前中の早い時間帯に訪れるのがおすすめです。
申請書類に不備があると受理されず、再提出を求められることがあるため、事前に大学や国際交流オフィスで内容を確認してもらうと安心です。また、申請後の審査期間は通常7~15日程度かかるため、余裕を持って手続きを行いましょう。
申請時のよくあるトラブルと対処法
申請時によくあるトラブルには、書類不備、写真規格違反、健康診断書の不適合、住所登録証の未提出などがあります。これらは申請が受理されない原因となるため、事前の確認が重要です。特に写真は規定サイズや背景色が厳格に指定されているため、専門店で撮影することを推奨します。
また、申請後に追加書類の提出を求められるケースもあるため、連絡先を常に確認し、迅速に対応できるようにしましょう。トラブルが解決しない場合は、大学の国際交流オフィスや日本大使館に相談することも有効です。
住所登録(临时住宿登记)の実務
住所登録が義務化されている理由と法的根拠
中国では、外国人が宿泊する場所を公安派出所に登録することが法律で義務付けられています。これは治安維持や緊急時の連絡体制確保のためであり、違反すると罰金やビザ更新拒否のリスクがあります。法律上は「外国人出入境管理法」及び「公安部の関連規定」に基づいており、宿泊先の住所を正確に届け出ることが求められます。
この制度は短期滞在者だけでなく長期滞在者にも適用され、学生寮や賃貸物件、ホテルなどすべての宿泊先が対象です。留学生は到着後7日以内に必ず住所登録を済ませることが義務であり、これを怠ると法的トラブルの原因となります。
学生寮に住む場合の登録手順と大学側のサポート
多くの大学では学生寮に入居する留学生の住所登録を代行またはサポートしています。寮の管理事務所が宿泊者リストを公安派出所に提出し、学生は必要書類を寮管理者に提出するだけで済む場合が多いです。これにより、手続きの負担が軽減され、スムーズに登録が完了します。
ただし、寮によっては学生自身が公安派出所に出向いて手続きを行う必要がある場合もあるため、入寮時に大学や寮管理者から詳細な案内を受けることが重要です。登録証明書は居留許可申請時に必要となるため、紛失しないよう管理しましょう。
賃貸マンション・シェアハウスに住む場合の登録手順
賃貸マンションやシェアハウスに住む場合は、大家や管理会社の協力が不可欠です。通常、大家が公安派出所に宿泊者の情報を届け出る義務がありますが、留学生自身も必要書類(パスポートのコピー、賃貸契約書など)を持参し、派出所での手続きを行う必要があります。
手続きは最寄りの公安派出所で行い、住所登録証明書を受け取ります。大家が届け出を怠るケースもあるため、自分で確認し、必要に応じて大家に依頼することが大切です。住所変更時も同様に再登録が必要となります。
公安派出所での手続きの流れと必要書類
住所登録の手続きは、宿泊先の管轄公安派出所で行います。必要書類はパスポート、ビザ、居留許可(既に取得済みの場合)、賃貸契約書または寮の入居証明、申請書などです。窓口で書類を提出し、指紋採取や写真撮影が行われることもあります。
手続きは通常30分程度で完了し、登録証明書が発行されます。混雑時は待ち時間が長くなるため、早めの訪問がおすすめです。手続き後は登録証明書を大切に保管し、居留許可申請や更新時に提示します。
住所変更・引っ越し時の再登録と期限
引っ越しや住所変更があった場合は、7日以内に新しい住所で再登録を行う義務があります。これを怠ると罰金やビザ更新時のトラブルにつながるため、速やかな手続きが必要です。再登録は新住所の管轄公安派出所で行い、旧住所の登録は自動的に抹消されませんので注意しましょう。
また、賃貸契約の更新や解約時にも住所登録の変更手続きが求められます。大学の国際交流オフィスや大家に相談し、スムーズに対応することが望ましいです。
登録を怠った場合の罰金・ビザ更新への影響
住所登録を怠ると、公安局から罰金の通知が来ることがあります。罰金額は地域によって異なりますが、数百元程度が一般的です。さらに、居留許可の更新やビザ申請時に住所登録証明書がないと申請が拒否されることもあり、留学生活に大きな支障をきたします。
最悪の場合、違法滞在とみなされ強制退去処分となるケースもあるため、住所登録は必ず期限内に行い、登録証明書は常に携帯・保管することが重要です。
銀行口座開設の基礎知識
中国の主要銀行の特徴と留学生に向く銀行
中国には中国工商銀行(ICBC)、中国銀行(BOC)、中国建設銀行(CCB)、招商銀行(CMB)など多くの大手銀行があります。留学生にとっては、大学近くに支店があり、英語対応や外国人向けサービスが充実している銀行が便利です。例えば招商銀行は外国人の口座開設に比較的柔軟で、スマホアプリの使いやすさも評価されています。
また、中国銀行は海外送金の実績が豊富で、日本との取引にも強みがあります。口座維持費やATM手数料、サービス内容を比較し、自分の生活スタイルに合った銀行を選ぶことが大切です。
銀行口座開設に必要な書類と条件(居留許可・電話番号など)
銀行口座開設にはパスポート、居留許可(またはビザ)、中国の携帯電話番号が必要です。携帯電話番号は実名登録が義務付けられているため、事前にSIMカードを契約しておくことが望ましいです。大学の紹介で銀行に行く場合、学生証の提示を求められることもあります。
また、銀行によっては住所登録証明書の提示を求める場合もあるため、準備しておくとスムーズです。口座開設は本人が窓口に出向く必要があり、代理申請は原則認められていません。
口座開設の具体的な流れ(窓口での会話例を含む)
銀行窓口での口座開設は、まず受付で「我要开一个银行账户」(銀行口座を開設したいです)と伝えます。パスポートと居留許可を提示し、用紙に必要事項を記入します。窓口担当者が本人確認のために質問することもありますが、簡単な中国語で「你是学生吗?」(学生ですか?)などが一般的です。
手続き完了後、キャッシュカード(デビットカード)が発行され、初回のパスワード設定を行います。銀行によっては英語対応スタッフがいる場合もあるため、不安な場合は事前に問い合わせると良いでしょう。
デビットカード・クレジットカード・銀聯カードの違い
デビットカードは口座残高内で即時決済が可能なカードで、留学生が最初に取得するのが一般的です。クレジットカードは信用審査が必要で、留学生には発行が難しい場合があります。銀聯カード(UnionPay)は中国国内で広く使われる決済カードで、多くの銀行のデビットカードに銀聯機能が付帯しています。
日常の買い物や公共交通機関の支払いにはデビットカードと銀聯カードが便利で、クレジットカードは海外旅行や大きな買い物の際に役立ちます。
インターネットバンキング・モバイルバンキングの設定
口座開設後はインターネットバンキングやモバイルバンキングの登録を行うと便利です。多くの銀行は専用アプリを提供しており、残高確認、振込、公共料金の支払いなどがスマホで簡単にできます。登録には電話番号と口座番号、パスワード設定が必要です。
WeChat PayやAlipayと連携することで、日常生活の支払いがさらにスムーズになります。アプリの言語設定は中国語が基本ですが、一部銀行は英語対応も進んでいます。
口座維持費・ATM手数料・海外送金の基本ルール
多くの中国銀行は口座維持費が無料ですが、一部の銀行や特定の口座タイプでは月額手数料が発生することがあります。ATM手数料は銀行の提携ネットワーク内なら無料の場合が多いですが、提携外ATM利用時は手数料がかかることがあります。
海外送金は銀行によって手数料や手続きが異なり、送金限度額も設定されています。日本への送金にはパスポートや居留許可の提示が必要で、送金理由の説明を求められることもあります。送金前に銀行窓口で詳細を確認しましょう。
モバイル決済・生活インフラとの連携
WeChat Pay・Alipayの基本と日本との違い
WeChat PayとAlipayは中国で圧倒的に普及しているモバイル決済サービスで、現金を持ち歩かずに買い物や公共交通の支払いが可能です。日本のキャッシュレス決済と異なり、QRコードをスキャンする方式が主流で、ほぼすべての店舗やサービスで利用できます。
日本のクレジットカードは中国のモバイル決済に直接連携できないため、現地の銀行口座と紐づけたWeChat PayやAlipayのアカウントを作成する必要があります。これにより、生活費の管理や送金も簡単になります。
銀行口座とモバイル決済アプリの連携手順
銀行口座開設後、WeChat PayやAlipayのアプリに銀行カードを登録します。アプリ内で「カード追加」機能を使い、カード番号、電話番号、パスワードなどを入力して認証を行います。認証が完了すると、アプリから直接銀行口座の残高を利用して支払いが可能になります。
登録には中国の携帯電話番号が必須で、SMS認証が行われるため、実名登録済みのSIMカードを用意しておくことが重要です。登録後はチャージや送金もアプリ内で簡単に行えます。
携帯電話SIMカードの契約と実名登録制度
中国では携帯電話のSIMカード契約に実名登録が義務付けられており、パスポートの提示が必須です。留学生は到着後、空港や街中の携帯ショップでプリペイドSIMカードを購入し、実名登録を行います。これにより、電話番号が銀行口座やモバイル決済アプリの認証に利用可能になります。
契約時には中国語でのやり取りが必要な場合が多いため、大学の国際交流オフィスや現地の日本人コミュニティのサポートを活用すると安心です。
公共交通・デリバリー・ネット通販での支払い実務
中国の公共交通機関(バス、地下鉄、タクシー)では、WeChat PayやAlipayが広く使われています。カードや現金よりもモバイル決済が主流で、QRコードをスキャンして支払うのが一般的です。デリバリーサービスやネット通販も同様で、スマホ一つで完結します。
日本のクレジットカードは一部の大手通販サイトで使えますが、日常の小額決済にはモバイル決済が圧倒的に便利です。現地の生活に早く慣れるためにも、モバイル決済の利用をおすすめします。
日本のクレジットカード・デビットカードの使い勝手
日本発行のクレジットカードやデビットカードは、中国国内の多くの店舗やATMで使えない場合が多いです。特に小規模店舗や公共交通機関では利用できず、現金や中国の銀行カードが必須となります。ただし、一部の高級ホテルや国際空港、百貨店では利用可能なケースもあります。
留学生活では中国の銀行口座とモバイル決済を中心に利用し、日本のカードは緊急時や海外送金に限定するのが現実的です。
現金が必要な場面と安全な現金管理のコツ
中国では現金が不要な場面が多いものの、屋台や小規模店舗、農村部では現金が必要なこともあります。現金は多額を持ち歩かず、必要最低限を携帯するのが安全です。宿泊先のセーフティボックスや銀行の貸金庫を活用し、盗難や紛失リスクを減らしましょう。
また、ATM利用時は周囲の安全確認を怠らず、カード情報の盗難防止に注意が必要です。現金管理は慎重に行い、トラブルを未然に防ぐことが大切です。
大学・寮での初期オリエンテーションと手続きサポート
入学登録日程と到着タイミングの調整
多くの中国大学では、入学登録日が指定されており、通常は学期開始の数週間前に設定されています。留学生はこの日程に合わせて到着し、入学手続きやオリエンテーションに参加する必要があります。早すぎる到着は宿泊施設の手配が難しく、遅すぎると手続きに支障が出るため、大学の案内に従い計画的に渡航日を調整しましょう。
また、フライトの遅延やビザ発給の遅れがあった場合は、大学に連絡し、手続きの延期やサポートを依頼することが重要です。
国際学生オリエンテーションで説明される主な内容
国際学生オリエンテーションでは、居留許可申請、住所登録、銀行口座開設、携帯電話契約、モバイル決済の使い方など生活に必要な手続きの説明が行われます。さらに、中国の文化やマナー、大学のルール、緊急連絡先の案内も含まれます。
日本語対応がある場合も多く、質問タイムや相談コーナーが設けられているため、不明点は積極的に質問しましょう。オリエンテーションは留学生活の基礎を築く重要な機会です。
大学が代行・サポートしてくれる手続きと自分で行う手続き
大学によっては、居留許可申請や住所登録の一部を代行してくれる場合があります。また、健康診断の予約や銀行口座開設の案内もサポート対象です。一方で、銀行口座開設や携帯電話契約は本人が窓口に行く必要があるため、自分で行う手続きも多くあります。
手続きの範囲やサポート内容は大学ごとに異なるため、到着後すぐに国際交流オフィスで確認し、計画的に進めることが大切です。
寮の入居手続き・保証金・設備チェックのポイント
学生寮の入居時には、入居申請書の提出、保証金の支払い、部屋の設備や備品のチェックが必要です。保証金は退去時に返金されることが多いですが、設備破損があると差し引かれるため、入居時に写真を撮るなど記録を残すことが推奨されます。
また、寮内のルールや清掃スケジュール、共用スペースの利用方法も確認し、快適な生活環境を整えましょう。
学生証・キャンパスカードの発行とチャージ方法
学生証やキャンパスカードは、大学内の身分証明や図書館利用、食堂支払い、交通機関の割引など多用途に使われます。入学登録時に発行されることが多く、カードへのチャージは現金や銀行カード、モバイル決済で行えます。
チャージ方法や利用範囲は大学によって異なるため、初期オリエンテーションで詳細を確認し、使い方をマスターしましょう。
日本人先輩・留学生組織の活用と情報収集
留学生活を円滑に進めるためには、日本人先輩や留学生組織の存在が心強い味方となります。彼らは現地の生活情報や手続きのコツ、トラブル対処法などを共有してくれるため、積極的に交流を持つことが重要です。
大学の国際交流オフィスやSNS、留学生コミュニティを通じて連絡を取り、情報収集や相談を行いましょう。現地でのネットワーク作りは精神的な支えにもなります。
トラブル・例外ケースへの対応
フライト遅延・入国日変更による手続きスケジュールの調整
フライトの遅延や入国日の変更は、居留許可申請や住所登録の期限に影響を及ぼす可能性があります。こうした場合は、速やかに大学の国際交流オフィスに連絡し、手続きの延期やサポートを依頼しましょう。公安局への連絡が必要な場合もあり、早めの対応がトラブル回避につながります。
また、航空会社や旅行代理店と連絡を密に取り、最新の情報を把握しておくことも重要です。
パスポート紛失・盗難時の対応と再発行手順
パスポートを紛失・盗難した場合は、まず最寄りの公安派出所で遺失届を提出し、次に日本大使館または総領事館に連絡して再発行の手続きを行います。再発行には時間がかかるため、早急に行動することが求められます。
再発行後は、居留許可や住所登録の情報も更新する必要があり、大学や公安局に速やかに報告しましょう。紛失防止のため、パスポートのコピーを複数持ち歩くことをおすすめします。
居留許可の期限切れ・更新忘れへの対処
居留許可の期限切れや更新忘れは違法滞在とみなされ、罰金や強制退去のリスクがあります。期限が近づいたら早めに更新手続きを行い、必要書類を準備しましょう。更新申請は期限切れの30日前から可能です。
もし期限を過ぎてしまった場合は、速やかに公安局に相談し、事情を説明して指示を仰ぐことが重要です。大学の国際交流オフィスや日本大使館にも相談すると適切なサポートが受けられます。
住所登録・銀行口座開設を断られた場合の相談先
住所登録や銀行口座開設を断られた場合は、まず大学の国際交流オフィスに相談しましょう。彼らは現地の手続きに詳しく、解決策や代替案を提案してくれます。また、地域の外国人支援センターや日本大使館・総領事館も相談窓口として利用可能です。
言語の壁や書類不備が原因の場合が多いため、通訳や翻訳サービスの利用も検討すると良いでしょう。
言葉の壁を乗り越えるための中国語フレーズ集の活用
手続き時の言葉の壁を乗り越えるために、基本的な中国語フレーズを事前に覚えておくことが役立ちます。例えば、「我要办理居留许可」(居留許可を申請したいです)、「请问需要什么文件?」(必要な書類は何ですか?)など、窓口でよく使う表現をまとめたフレーズ集を用意しましょう。
また、スマートフォンの翻訳アプリや通訳サービスも活用し、コミュニケーションの円滑化を図ることが重要です。
日本大使館・総領事館・大学窓口など緊急時の連絡先整理
緊急時に備え、日本大使館や総領事館、大学の国際交流オフィスの連絡先を手元にまとめておくことが大切です。パスポート紛失やトラブル発生時には迅速な連絡が必要となります。大使館は日本人の安全確保や法的支援を提供しており、留学生にとって重要な相談窓口です。
また、大学の窓口は日常的な生活支援や手続きの相談に対応しているため、緊急時以外でも積極的に利用しましょう。
安心して留学生活を始めるための心構え
手続きストレスを減らすための事前準備チェックリスト
到着前にパスポートの有効期限確認、ビザ申請書類の準備、健康診断予約、必要書類のコピー作成、中国語フレーズ集の準備、現地連絡先の整理などを行いましょう。これにより、到着後の手続きがスムーズになり、ストレスを大幅に軽減できます。
また、大学の案内資料や先輩の体験談を読み込み、現地の流れを把握しておくことも重要です。
日本的感覚とのギャップを理解する(待ち時間・窓口対応など)
中国の行政手続きでは、待ち時間が長い、窓口の対応が事務的であるなど、日本とは異なる文化的特徴があります。これらに対してイライラせず、余裕を持って行動する心構えが必要です。
また、書類の不備や言葉の壁による再提出も珍しくないため、柔軟に対応し、現地のルールに順応する姿勢が留学生活を円滑にします。
個人情報・書類の管理とセキュリティ意識
パスポート、居留許可証、住所登録証明書、銀行カードなど重要書類はコピーを複数用意し、原本は安全な場所に保管しましょう。紛失や盗難時のリスクを減らすため、デジタルコピーをパスワード付きで保存するのも有効です。
また、公共のWi-Fi利用時の情報漏洩防止や、スマホのロック設定などセキュリティ対策も徹底しましょう。
中国社会でのマナー・礼儀とトラブル回避の基本
中国では公共の場でのマナーや礼儀が重視されます。例えば、列に割り込まない、公共施設を清潔に使う、公安局や役所の職員には丁寧に接するなど、基本的なルールを守ることがトラブル回避につながります。
また、写真撮影禁止区域や個人情報の取り扱いに注意し、法律や規則を尊重する姿勢が求められます。
手続き完了後にやるべきこと(保険確認・連絡先共有など)
居留許可や住所登録、銀行口座開設が完了したら、健康保険の加入状況を確認し、緊急連絡先を家族や友人と共有しましょう。大学の緊急連絡網にも登録し、万一の際に迅速に対応できる体制を整えます。
また、携帯電話やモバイル決済の設定を最終確認し、日常生活に必要なインフラが整っているかチェックしましょう。
初月を乗り切るための生活リズムとメンタルケア
留学初月は環境変化によるストレスが大きいため、規則正しい生活リズムを心がけ、十分な睡眠とバランスの良い食事を摂ることが重要です。運動や趣味を取り入れて気分転換を図り、孤独感や不安を感じたら大学のカウンセリングサービスや日本人コミュニティに相談しましょう。
ポジティブな姿勢で新生活に挑み、困難を乗り越える力を養うことが成功の鍵です。
参考サイト
- 中国公安部出入境管理局公式サイト(中国語)
http://www.nia.gov.cn/ - 在中国日本国大使館・総領事館
https://www.cn.emb-japan.go.jp/ - 中国留学情報センター(日本語)
https://www.csc.edu.cn/ - WeChat Pay公式サイト(英語)
https://pay.weixin.qq.com/index.php/public/wechatpay - Alipay公式サイト(英語)
https://intl.alipay.com/ - 中国工商銀行(ICBC)公式サイト(英語)
http://www.icbc.com.cn/icbc/en/ - 中国銀行(BOC)公式サイト(英語)
https://www.boc.cn/en/ - 招商銀行(CMB)公式サイト(英語)
https://www.cmbchina.com/
これらの情報を活用し、準備万端で中国留学の第一歩を踏み出してください。
