中国・青城山(せいじょうさん)を歩く
青城山は、中国四川省成都市の近郊に位置する名山であり、古くから道教の聖地として知られています。豊かな自然と深い歴史文化が融合したこの山は、「青い城」という美しい名前の通り、四季を通じて青々とした緑に包まれています。世界遺産にも登録されている都江堰(とこうえん)とセットで訪れることで、その歴史的価値と自然美をより深く理解できるでしょう。この記事では、青城山の魅力を歴史、自然、文化、観光情報など多角的に紹介し、日本をはじめとする海外の読者に向けてわかりやすく解説します。
青城山ってどんなところ?
中国道教の聖地としての青城山
青城山は、道教の発祥地の一つとして古くから崇敬されてきました。特に、道教の開祖とされる張道陵(ちょうどうりょう)がこの地で修行を行い、道教の教えを広めたことから、道教信仰の中心地となりました。山内には多くの道教寺院や道観(どうかん)が点在し、今なお多くの信者や観光客が訪れています。道教の神々を祀る祭礼や儀式も盛んに行われ、宗教的な意味合いだけでなく、文化的な価値も高い場所です。
また、青城山は「静かな山」としても知られ、自然の中で心身を整える修行の場として理想的な環境が整っています。道教の思想に基づく「自然との調和」を体感できる場所として、訪れる人々に深い感銘を与えています。
「青い城」の名前の由来と山のイメージ
青城山の名前は、その豊かな緑に覆われた山肌がまるで「青い城壁」のように見えることに由来します。四季を通じて変わらぬ青さを保つ森林は、まさに自然の城郭のような存在感を放っています。特に春から夏にかけての新緑や、秋の深い緑は訪れる人の心を癒し、神秘的な雰囲気を醸し出します。
この「青い城」というイメージは、単なる自然の美しさだけでなく、道教の聖地としての神聖さや静謐さも象徴しています。霧が立ち込める早朝や雨上がりの風景は、まるで仙境のようで、多くの詩人や画家がこの山の美しさを称賛してきました。
世界遺産・青城山と都江堰のセットで見る魅力
青城山は、隣接する都江堰とともにユネスコの世界文化遺産に登録されています。都江堰は紀元前3世紀に築かれた古代の灌漑施設であり、現在も現役で使用されている世界最古の水利システムです。この二つの遺産は、自然と人間の調和を示す代表的な例として評価されています。
訪問者は、青城山の豊かな自然と道教文化を楽しみつつ、都江堰の歴史的な技術と環境保全の智慧にも触れることができます。両者をセットで観光することで、四川盆地の豊かな自然環境と古代文明の深い結びつきを実感できるでしょう。
成都からのアクセスと位置関係
青城山は四川省の省都・成都から約70キロメートル西に位置し、車や公共交通機関で約1時間半ほどでアクセス可能です。成都からはバスやタクシーが頻繁に運行されており、日帰り観光も十分に可能な距離です。また、成都の空港や鉄道駅からのアクセスも良好で、国内外からの旅行者にとって訪れやすい観光地となっています。
地理的には、青城山は四川盆地の西縁に位置し、周囲は豊かな山岳地帯に囲まれています。標高は最高峰で約1,260メートルで、登山やトレッキングにも適した環境です。都市の喧騒を離れて自然に親しみたい人々にとって理想的な場所です。
観光地としての人気と訪れるベストシーズン
青城山はその歴史的価値と自然美から、国内外の観光客に非常に人気があります。特に春(3月〜5月)と秋(9月〜11月)は気候が穏やかで、山の緑や紅葉が美しく、ハイキングや寺院巡りに最適な季節です。夏は高温多湿ですが、山中は比較的涼しく避暑地としても知られています。
冬季は雪景色が見られ、静寂な山の雰囲気を楽しむことができますが、寒さや積雪により一部のルートが閉鎖される場合もあるため、訪問時期には注意が必要です。年間を通じて多彩な表情を見せる青城山は、何度訪れても新たな発見がある魅力的な観光地です。
歴史の中の青城山
道教の開祖・張道陵と青城山の伝説
張道陵は後漢時代(2世紀)に活躍した道教の開祖であり、青城山で道教の教義を体系化し、広めたと伝えられています。彼はここで「五斗米道」と呼ばれる教団を設立し、多くの信者を集めました。山中には彼にまつわる伝説が数多く残り、張道陵が修行した洞窟や祠も観光名所となっています。
伝説によると、張道陵は青城山の自然の力を借りて多くの奇跡を起こし、病気を治したり悪霊を追い払ったとされます。彼の教えは後の道教の基礎となり、青城山は「天師道」の発祥地として尊ばれています。こうした歴史的背景が、青城山の宗教的な重要性を高めています。
歴代王朝と青城山への信仰・保護
青城山は漢代以降、多くの王朝から保護と信仰を受けてきました。特に唐代や宋代には、皇帝自らが青城山を訪れ、道教寺院の建設や修復を支援しました。これにより山内の建築物は整備され、道教文化が一層発展しました。
また、明清時代にも青城山は重要な宗教拠点として位置づけられ、道教の儀式や祭礼が盛んに行われました。こうした歴史的な支援は、青城山の文化財や自然環境の保全につながり、現代に至るまでその価値を維持しています。
文人たちが愛した山:詩や絵画に描かれた青城山
青城山は多くの文人や芸術家に愛され、詩歌や絵画の題材として数多く取り上げられてきました。唐代の詩人たちは、その神秘的な自然と静寂な雰囲気を称賛し、山の美しさを詩に詠み込みました。宋代以降も、画家たちは青城山の渓谷や霧に包まれた風景を水墨画で表現し、中国山水画の重要なモチーフとなりました。
これらの芸術作品は、青城山の文化的価値を高めるとともに、訪れる人々に山の歴史的な深みを伝えています。現代でも、青城山は芸術家のインスピレーションの源泉として尊ばれています。
近代以降の保護運動と世界遺産登録までの歩み
20世紀に入ると、青城山の自然環境と文化遺産を守るための保護運動が活発化しました。特に文化大革命後の改革開放期には、観光開発と保護のバランスを模索しながら整備が進められました。1990年代には国の重点風景名勝区に指定され、環境保全と観光振興の両立が図られました。
2000年には青城山と都江堰がユネスコ世界文化遺産に登録され、その国際的な価値が認められました。これを契機に、さらなる保護活動と観光インフラの整備が進み、現在のような持続可能な観光地としての地位を確立しました。
地元の人々の暮らしと青城山の関わり
青城山周辺には古くから農村や小さな集落が点在し、地元の人々は山の恵みを受けながら暮らしてきました。農業や茶の栽培、伝統工芸などが生計の基盤であり、道教の祭礼や行事にも積極的に参加しています。山の自然資源を尊重しながら生活する姿勢は、地域の文化と環境保全に寄与しています。
近年は観光業の発展により、地元住民の収入源が多様化しました。農家民宿や土産物店、ガイド業などに携わる人も増え、地域経済の活性化に繋がっています。一方で、伝統文化の継承と環境保護の両立が課題となっており、地域社会全体で持続可能な発展を模索しています。
自然がつくる「青い城」の風景
うっそうとした原生林と一年中青い山肌
青城山は、豊かな原生林に覆われており、常緑樹が多いため一年中青々とした山肌を保っています。特にヒノキや杉、カエデなどの樹木が密集し、深い緑の絨毯のように山を包み込んでいます。この森林は生態系の宝庫であり、自然の保護区としても重要な役割を果たしています。
森林の中は静寂で、鳥のさえずりや風の音だけが響き渡ります。こうした環境は訪れる人々に癒しを与え、都会の喧騒から離れて心を落ち着ける場として最適です。森林浴や自然散策を楽しむ観光客も多く、自然との一体感を味わえます。
渓谷・奇岩・清流がつくる独特の景観
青城山には多くの渓谷や奇岩が点在し、清らかな川が山中を流れています。これらの地形は長い年月をかけて形成され、独特の景観を作り出しています。特に渓谷の中を流れる清流は透明度が高く、夏には涼を求める人々で賑わいます。
奇岩は風化や浸食によって様々な形状をしており、自然の彫刻のように訪問者の目を楽しませます。渓谷沿いの遊歩道を歩くと、滝や小さな池も見られ、変化に富んだ風景が続きます。こうした自然美は、青城山の大きな魅力の一つです。
動植物の多様性と貴重な生態系
青城山は生物多様性に富んだ地域で、多くの希少な動植物が生息しています。特に鳥類や昆虫、薬用植物が豊富で、自然研究の対象としても注目されています。山の環境は保護されており、絶滅危惧種の保護にも力が入れられています。
また、山中の植物は道教の薬草としても利用されてきました。伝統的な知識と自然環境が融合し、独自の生態系が維持されています。訪問者は自然観察を通じて、こうした貴重な生態系の存在を学ぶことができます。
霧・雨・雲海が演出する幻想的な雰囲気
青城山は霧や雲海が発生しやすい気候条件にあり、特に早朝や雨上がりには幻想的な風景が広がります。霧が木々の間を漂い、山全体が神秘的な青白いベールに包まれる様子は、まさに仙境のようです。
このような自然現象は多くの詩人や画家にインスピレーションを与え、青城山のイメージをより一層神秘的にしています。訪問者はこうした幻想的な光景に出会うことで、日常を忘れ、心を浄化する体験ができます。
四季それぞれの楽しみ方(春の新緑から冬景色まで)
青城山は四季折々に異なる表情を見せます。春は新緑が芽吹き、花々が咲き乱れ、生命力に満ちた景色が広がります。夏は深い緑と涼しい気候が訪問者を迎え、避暑地として人気です。秋は紅葉が山を彩り、黄金色や赤色のグラデーションが美しいです。
冬は雪景色が見られ、静寂な山の雰囲気を楽しめます。季節ごとに異なる自然の魅力があり、何度訪れても新しい発見があります。各季節に合わせた服装や装備で訪れることをおすすめします。
道教文化と寺院めぐり
前山・後山とは?エリアごとの特徴
青城山は大きく「前山」と「後山」の二つのエリアに分かれています。前山は観光客に人気のエリアで、整備された遊歩道や主要な道教寺院が集中しています。アクセスも良く、初心者でも気軽に訪れることができます。
一方、後山はより自然豊かで、登山やトレッキングに適したエリアです。険しい地形や原生林が広がり、静寂な環境の中で道教の修行場としての雰囲気を味わえます。両エリアを組み合わせて訪れることで、青城山の多様な魅力を満喫できます。
有名な道観(道教寺院):天師洞・建福宮など
青城山には多くの道教寺院が点在していますが、特に有名なのが「天師洞」と「建福宮」です。天師洞は張道陵が修行したとされる洞窟で、道教の聖地として信仰を集めています。洞窟内には彼の像や道教の神々の祭壇があり、参拝者が絶えません。
建福宮は壮麗な建築様式を誇る道教寺院で、歴代の修復を経て現在の姿を保っています。ここでは道教の儀式や祭礼が行われ、訪問者は伝統的な宗教文化に触れることができます。これらの道観は青城山の文化的核として重要な役割を果たしています。
道教の神々と青城山で祀られている主な神霊
青城山では、道教の主要な神々が祀られています。特に張道陵は「天師」として崇拝され、山内の多くの寺院で中心的な存在です。また、太上老君(たいじょうろうくん)や三清(さんせい)などの道教最高神も祀られています。
これらの神霊は、健康や長寿、自然の調和を司るとされ、信者たちは祈願や供物を捧げます。神々の存在は青城山の宗教的な雰囲気を醸成し、訪れる人々に神聖な感覚をもたらします。
道教儀礼・祭礼と年中行事
青城山では年間を通じて多くの道教儀礼や祭礼が行われています。特に旧暦の正月や張道陵の誕生日、道教の重要な祭日には盛大な行事が催され、多くの信者や観光客が参加します。これらの祭礼では、伝統的な音楽や舞踊、祈祷が披露され、道教文化の生きた姿を体験できます。
また、季節ごとの行事もあり、自然の変化と連動した儀式が行われることも特徴です。こうした年中行事は地域社会の結束を強め、文化の継承に重要な役割を果たしています。
建築様式と装飾に見る道教美術の魅力
青城山の道教寺院は、伝統的な中国建築の美を色濃く反映しています。屋根の曲線や朱色の柱、龍や鳳凰の彫刻、壁画など、細部にわたる装飾は道教美術の粋を集めています。これらの建築物は宗教的な意味合いだけでなく、芸術作品としても高く評価されています。
特に寺院内の壁画や天井画は、道教の神話や教義を視覚的に表現しており、訪問者に深い印象を与えます。建築と美術が一体となった空間は、青城山の文化的価値を象徴しています。
青城山と武術・養生文化
青城派武術とは何か:太極拳との関係
青城山は中国武術の一派である「青城派」の発祥地としても知られています。青城派は太極拳の源流の一つとされ、内家拳(ないかけん)に分類される柔和で流麗な動きを特徴とします。道教の理念と結びつき、心身の調和を重視した武術体系です。
この武術は健康維持や精神修養の手段としても広まり、青城山の武術道場では伝統的な技法が今も受け継がれています。太極拳愛好者にとっては聖地の一つであり、武術文化の学び場としても注目されています。
山中で受け継がれてきた気功・呼吸法
青城山では、武術とともに気功や呼吸法も長く伝承されてきました。これらは道教の修行法の一環であり、気の流れを整え、健康を促進する技術です。山の静かな環境は気功の修練に最適で、多くの修行者がここで鍛錬を積んできました。
現代でも気功教室や体験プログラムが提供されており、訪問者は気功の基本を学び、心身のリラクゼーションを体験できます。こうした養生文化は青城山の重要な文化遺産の一つです。
「山に入って心身を整える」という中国的養生観
青城山の養生文化は、「山に入って心身を整える」という中国伝統の健康観に根ざしています。自然の中で過ごすことが、気の流れを良くし、精神の安定をもたらすと考えられています。道教の教えと結びつき、青城山はまさに理想的な養生の場です。
この考え方は現代の健康志向とも合致し、ストレス解消やメンタルヘルスの改善を求める人々に支持されています。青城山での滞在や修行は、単なる観光を超えた心身のリセット体験として注目されています。
武術道場や体験プログラムの現状
現在、青城山には複数の武術道場や気功教室があり、観光客や武術愛好者向けの体験プログラムが充実しています。初心者向けの太極拳講座や気功の基礎練習、伝統的な武術のデモンストレーションなど、多彩なメニューが用意されています。
これらのプログラムは、青城山の文化を体感しながら健康を促進する機会を提供し、国内外からの参加者に人気です。武術や養生文化に興味がある人は、ぜひ体験してみることをおすすめします。
現代人の健康志向と青城山の新しい価値
現代社会のストレスや生活習慣病の増加に伴い、青城山の持つ健康・養生文化は新たな価値を持っています。自然環境と伝統文化が融合したこの地は、心身のリフレッシュや健康維持の場として注目されています。
観光だけでなく、ウェルネスやリトリートの目的で訪れる人も増えており、青城山は現代人の健康ニーズに応える新しい観光地として発展しています。これからも伝統と現代の融合を図りながら、持続可能な価値を創造していくでしょう。
観光ルートと歩き方ガイド
初心者向け定番コース(ロープウェイ利用など)
青城山の初心者向けコースは、ロープウェイを利用して山の中腹まで上がり、そこから主要な道教寺院や展望スポットを巡るルートが一般的です。体力に自信がない人でも気軽に自然と文化を楽しめるため、家族連れや高齢者にも人気です。
このコースでは、天師洞や建福宮などの名所を効率よく回ることができ、所要時間は半日から1日程度です。途中には休憩所や茶館もあり、ゆったりとしたペースで散策できます。
じっくり歩きたい人向けトレッキングルート
もっと自然を満喫したい人には、後山を中心としたトレッキングルートがおすすめです。険しい山道や原生林の中を歩きながら、渓谷や奇岩、滝などの自然景観をじっくり堪能できます。所要時間はコースによって数時間から1日以上に及びます。
このルートは体力を要しますが、静寂な環境で心身をリフレッシュできるため、自然愛好者や登山好きに好まれています。ガイドを利用すると、歴史や文化の解説も聞けてより充実した体験が可能です。
都江堰とのセット観光モデルプラン
青城山と都江堰は近接しているため、両方を1日または2日に分けて観光するモデルプランが人気です。午前中に都江堰の歴史的な水利施設を見学し、午後に青城山で自然と道教文化を楽しむコースが一般的です。
このプランでは、公共交通機関やツアーバスを利用すると効率的に回れます。両者の歴史的・文化的なつながりを理解しながら観光できるため、四川省の魅力を総合的に味わえます。
雨具・靴・服装など、山歩きの準備ポイント
青城山は山岳地帯のため、天候が変わりやすく、雨具は必須です。軽量で防水性のあるレインジャケットや折りたたみ傘を持参すると安心です。靴は滑りにくいトレッキングシューズや運動靴が適しています。
服装は季節に応じて調整し、春秋は重ね着が便利です。夏は虫よけ対策も忘れずに。山中は気温が低くなることもあるため、防寒具も用意しておくと快適に過ごせます。
混雑を避けるコツと安全に楽しむための注意点
青城山は週末や祝日に混雑しやすいため、平日や早朝の訪問がおすすめです。特に春秋の観光シーズンは人出が多いため、時間帯を工夫するとゆったり楽しめます。混雑時はロープウェイや主要スポットで待ち時間が発生することもあります。
安全面では、標識や案内に従い、無理な登山は避けることが重要です。山道は滑りやすい箇所もあるため、足元に注意し、体調管理をしっかり行いましょう。ガイドツアーの利用も安全確保に役立ちます。
食・宿・温泉で楽しむ青城山のふもと
地元グルメ:四川料理と山の幸
青城山周辺は四川料理の本場であり、地元の山の幸を使った料理が楽しめます。麻辣(マーラー)味の辛い料理は有名ですが、青城山周辺では新鮮な山菜や川魚、薬膳料理も豊富です。特に山椒や唐辛子を使った料理は絶品で、食通にも人気があります。
また、地元の茶葉を使ったお茶や、伝統的なスナックも味わえます。観光の合間に茶館でゆったりとした時間を過ごすのもおすすめです。
素朴な農家民宿からリゾートホテルまでの宿泊事情
青城山のふもとには、伝統的な農家民宿から近代的なリゾートホテルまで多様な宿泊施設があります。農家民宿では地元の生活文化を体験でき、温かいもてなしと家庭料理が魅力です。一方、リゾートホテルは快適な設備とサービスを提供し、観光客のニーズに応えています。
予約は観光シーズンに早めに行うことが望ましく、予算や目的に応じて選択可能です。宿泊施設は山の自然環境を尊重した設計が多く、滞在自体が癒しの時間となります。
温泉やスパでリラックスする過ごし方
青城山周辺には温泉施設も点在し、観光の疲れを癒すのに最適です。天然温泉を利用したスパやリラクゼーション施設では、マッサージや漢方を取り入れたトリートメントも受けられます。これらは道教の養生思想とも通じるもので、心身の健康を促進します。
温泉は特に秋冬に人気が高く、温かい湯に浸かりながら山の景色を楽しむ贅沢な時間を過ごせます。宿泊施設とセットで利用できるところも多いです。
茶文化と青城山周辺の茶畑・茶館
青城山は古くから茶の産地としても知られ、周辺には広大な茶畑が広がっています。ここで栽培される茶葉は品質が高く、地元の茶館では新鮮な茶を味わうことができます。茶館は観光客だけでなく地元の人々の社交場としても機能しています。
茶摘みや茶道体験ができるプログラムもあり、茶文化に触れる貴重な機会となっています。青城山の自然と調和した茶畑の風景もまた、訪問者に癒しを提供します。
夜の青城山エリアの楽しみ方
青城山の夜は静かで落ち着いた雰囲気が漂い、昼間とは異なる魅力があります。ライトアップされた寺院や遊歩道は幻想的で、夜間散策を楽しむ人もいます。地元のレストランや茶館では、ゆったりとした時間を過ごせます。
また、特別な祭礼やイベントが夜に開催されることもあり、伝統文化の一端を体験できるチャンスです。夜の青城山は、日中の喧騒から離れて心を静めるのに最適な時間帯です。
日本人旅行者へのヒントとマナー
日本からの行き方とビザ・手続きの基本
日本から青城山へは、まず成都への直行便を利用するのが一般的です。成都市には国際空港があり、多くの航空会社が就航しています。成都からはバスやタクシー、専用ツアーで青城山へアクセス可能です。
中国入国にはビザが必要ですが、観光ビザ(Lビザ)が一般的です。申請は日本の中国大使館や領事館で行い、事前に準備しておくことが重要です。最新の入国規制や必要書類は公式情報を確認してください。
言葉・支払い・ネット環境など実用情報
青城山周辺では中国語(普通話)が主に使われますが、観光地では簡単な英語が通じる場合もあります。日本語はほとんど通じないため、基本的な中国語フレーズを覚えておくと便利です。
支払いは現金(人民元)が主流ですが、QRコード決済(WeChat PayやAlipay)も広く普及しています。日本のクレジットカードも使える場所がありますが、事前に確認が必要です。ネット環境は成都や主要観光地でWi-Fiが利用可能ですが、山中では電波が弱いこともあります。
参拝マナーと道教寺院で気をつけたいこと
道教寺院を訪れる際は、静かに礼儀正しく振る舞うことが大切です。写真撮影が禁止されている場所もあるため、案内表示を確認してください。参拝時は線香の扱いや供物の置き方に注意し、地元の人の様子を参考にすると良いでしょう。
また、大声で話したり走ったりするのは避け、神聖な空間を尊重する態度が求められます。寺院内の規則を守ることで、より深い文化体験が可能になります。
環境保護のために旅行者ができること
青城山の自然環境を守るため、訪問者はゴミの持ち帰りや指定された場所での喫煙禁止を徹底しましょう。植物や動物に触れたり採取したりすることは厳禁です。トレイルから外れた歩行も避け、自然破壊を防ぐことが重要です。
また、地元の文化や生活を尊重し、過度な商業化や騒音を控えることも環境保護に繋がります。持続可能な観光のために、マナーを守って行動することが求められます。
日本の山岳信仰との共通点・違いを楽しむ視点
青城山の道教信仰は、日本の山岳信仰や神道と共通する自然崇拝の精神を持っています。どちらも山を神聖な場所とし、自然との調和を重視する点が類似しています。一方で、道教特有の神々や儀礼、建築様式には独自の特徴があり、文化の違いを感じることができます。
こうした共通点と相違点を理解しながら訪れることで、両国の伝統文化の深さをより豊かに味わえます。文化比較の視点を持つことは、旅行をより意義深いものにするでしょう。
青城山が語りかけるもの
都市の近くにある「心の避難所」としての山
青城山は成都の近郊にありながら、豊かな自然と静寂を保つ「心の避難所」として多くの人々に愛されています。都市の喧騒やストレスから離れ、ここで過ごす時間は心身のリセットに最適です。自然の中で深呼吸し、道教の教えに触れることで、精神的な安らぎを得られます。
このような場所の存在は、現代社会においてますます重要になっており、青城山はその象徴的な役割を果たしています。
伝統文化と現代観光のバランスについて
青城山は伝統的な道教文化と現代の観光ニーズの両立を模索しています。文化遺産の保護と観光開発のバランスを保つことは容易ではありませんが、持続可能な観光を目指す取り組みが進められています。
訪問者も文化や自然を尊重し、地域社会と協力する姿勢が求められます。こうしたバランスの中で、青城山は未来に向けて価値を高め続けています。
自然と人間の共生を考えるきっかけとしての青城山
青城山は自然と人間が調和して共生するモデルケースとして注目されています。古代から続く水利施設の都江堰とともに、自然環境を尊重しながら人々の生活を支えてきた歴史は、現代における環境保護の教訓となります。
訪れることで、自然との関わり方や持続可能な社会のあり方を考えるきっかけとなり、多くの人に深い気づきをもたらします。
一度訪れた人が「また行きたい」と思う理由
青城山を訪れた人々が再訪を望む理由は、その豊かな自然美と深い文化的背景、そして心身を癒す環境にあります。多様な景観や季節ごとの変化、道教の神秘的な雰囲気が訪問者の心に強く残ります。
また、地元の人々の温かいもてなしや、武術や気功の体験など、多彩なアクティビティも魅力です。こうした総合的な体験が、青城山のリピーターを生み出しています。
これからの青城山と私たちの関わり方
今後の青城山は、伝統文化の継承と環境保護を両立させつつ、現代社会のニーズに応える観光地として発展していくでしょう。訪問者はマナーを守り、地域社会と協力して持続可能な観光を支える役割を担います。
また、青城山の価値を世界に広めることで、文化交流や環境意識の向上にも寄与できます。私たち一人ひとりが青城山との関わりを大切にし、未来へつなげていくことが求められています。
【参考ウェブサイト】
- 青城山観光公式サイト(中国語・英語)
http://www.qingchengshan.com/ - 四川省観光局(英語)
http://www.sctour.cn/ - ユネスコ世界遺産「青城山と都江堰」紹介ページ(英語)
https://whc.unesco.org/en/list/1001/ - 成都観光情報(英語)
https://www.chengdu.gov.cn/english/ - 中国国家観光局(英語)
http://www.cnto.org/
以上が青城山の包括的な紹介です。自然と文化が織りなすこの山の魅力をぜひ体験してみてください。
