1. 建築学院
天津大学の建築学院は中国国内外で非常に高い評価を受けている学部・学院のひとつです。特に歴史が長く、伝統と新たな時代の建築理念が融合している点が特徴です。都市化の進展や環境への配慮が求められる現代社会において、革新的な設計思想や実用的な技術を学ぶことができます。
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建築学専攻
建築のデザイン理論、歴史、構造、設備、持続可能建築などを広く学びます。中国建築の伝統を尊重しつつ、現代建築の最先端技術や美学も修得できます。設計演習やプロジェクト方式の学習が多く、実践力を養う環境が整っています。 -
都市計画専攻
都市や地域の空間構造、持続可能な都市発展や再開発、交通や住環境の最適化について学びます。社会課題と都市政策、都市のランドスケープデザインについても強く意識されています。 -
景観建築専攻
景観の設計・計画および管理について学び、都市や公園、居住地域などの屋外空間を美しく、機能的にする手法を修得します。緑地計画やエコロジカルデザイン、持続可能な発展にも力を入れています。
2. 化学工学与技術学院
化学工学与技術学院は、産業界との深い連携を持ち、多くの応用型人材を輩出しています。実験・実習設備が充実しており、基礎から応用まで幅広くカバーします。
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化学工学与工艺専攻
化学反応プロセス、分離技術、工業生産の自動化など、化学工業の根幹となる技術を体系的に学びます。環境やエネルギー分野への応用も重視されています。 -
応用化学専攻
化学知識を基に、新素材や新薬、環境保全技術など多様な領域への応用力を身につけます。研究重視型で、先端分野の研究に取り組む学生も多いです。 -
環境化学工学専攻
環境問題への対応を重視し、廃棄物処理・水処理・大気浄化など化学的手法による環境改善技術を学びます。産官学連携のプロジェクト経験が豊富です。
3. 電気自動化与信息工程学院
現代のインフラを支える電気・情報工学分野を中心とする人気の高い学院です。ハードとソフト、基礎理論から実践まで一体化して教育しています。
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電気工程及其自動化専攻
電力システムや制御技術、電気機器の設計と運用、産業用自動化技術など広範な知識を吸収します。近年はスマートグリッドや再生可能エネルギー技術も積極的に学べます。 -
通信工学専攻
通信ネットワークの構築から移動通信、インターネット技術・IoTに至るまで、最先端の通信技術を身につけます。 -
電子情報工程専攻
電子回路設計、情報処理、集積回路からエンベデッドシステムまで、幅広い電子技術を学び、DX社会に対応できる人材を育成しています。
4. 機械工程学院
機械工程学院は理工系大学を代表する強力な学部であり、実験・演習を重視、ものづくり現場と密接に関連しています。大手メーカーや研究機関への就職も多いです。
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機械設計製造及其自動化専攻
機械の設計・生産・制御技術、CAD/CAEの応用やロボティクスなど、現在・将来のものづくり産業を支える技術を総合的に学びます。 -
材料成形及び制御工程専攻
金属・非金属材料の成形加工、精密加工、製品の品質管理など、製造プロセスの要となる分野です。 -
エネルギー与動力工程専攻
機関や電力設備等の動力源を中心に、エネルギーの変換・利用・管理のための技術を身につけます。エネルギーの効率化や新エネルギー技術など新しいテーマにも積極的です。
5. 計算機科学与技術学院
世界的なIT革新の波に合わせ、ハイレベルなIT人材を育成。AIやIoT、クラウド、ビッグデータといった現代のキーワードにも即応しています。
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計算機科学与技術専攻
プログラミング、システム設計、アルゴリズム、データベースなど、コンピュータサイエンス全般を基礎から高度応用まで幅広く学びます。 -
ソフトウェア工学専攻
大規模なソフトウェア開発プロジェクトの立案・設計・実装・管理を学ぶ実践的な専攻です。チームワークや品質管理も重視されます。 -
人工知能専攻
機械学習、深層学習、自然言語処理、コンピュータビジョンなど、現代AIの最先端技術に触れることができます。企業や研究所との連携プロジェクトも数多く実施されています。
6. 経済与管理学院
経済与管理学院では、中国および国際的な視点で経済やマネジメントを学ぶ環境が整っています。ビジネスリーダー、研究者など多様な進路を支援します。
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経済学専攻
ミクロ・マクロ経済学、経済政策、統計・計量経済、金融経済など幅広い分野を学びます。 -
財務管理専攻
企業会計、財務分析、投資管理等、企業運営や金融活動の根幹となる分野に特化しています。 -
企業管理専攻
経営戦略、組織マネジメント、人事・労務、イノベーション経営など、マネジメント全般を実務的に学びます。 -
市場学専攻
市場調査、消費者行動、マーケティング戦略、デジタルマーケティングなど現代ビジネスに不可欠な知識を養います。
7. 建設管理与工程学院
現代都市のインフラ整備や発展を専門とし、設計・施工・管理まで幅広い視点を持つエンジニアを育てます。
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土木工程専攻
道路、橋梁、地下構造物、ダムなど各種インフラの設計・建設・保全を包括的に学ぶ専攻です。 -
建設管理専攻
建設プロジェクトの計画・指揮、コスト管理、現場安全、生産性向上の技術を学びます。多国籍企業やプロジェクトへの参加経験も得られます。 -
給排水科学与工程専攻
都市・産業の上下水道、給排水システムの設計・維持管理、衛生工学など生活基盤を支える重要分野です。 -
交通工程専攻
都市交通システム、交通計画、信号制御など、スマート交通や安全確保のための工学技術を学びます。
8. 材料科学与工程学院
多様化する社会の材料ニーズに応えるため、構造材料から先端機能材料まで学ぶことができます。
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材料科学与工程専攻
金属、セラミックス、複合材料などの構造設計と性能評価を中心に、材料開発から応用まで幅広く習得します。 -
高分子材料与工程専攻
プラスチック、ゴム、樹脂など高分子材料の性質・加工技術とその先端産業への応用に焦点を当てます。 -
冶金工程専攻
金属精錬や新しい冶金プロセス、材料リサイクルなど環境への配慮も融合した教育体系です。
9. 数学学院
理論的・応用的数学の双方をバランスよくカバーし、ITや工学分野との連携が強い学院です。
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数学与応用数学専攻
純粋数学から応用数学まで、数理論理や解析、統計学、最適化理論など幅広く学ぶことができます。 -
情報与計算科学専攻
コンピュータ科学との融合領域で、計算理論、アルゴリズム設計、データ解析などに強みを持ちます。
10. 法学院
社会と法の関係を学びつつ、理論・実務双方に強い人材育成をめざします。
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法学専攻
中国法を中心に民法、刑法、商法、国際法など幅広い分野を深く学習します。実務的な模擬法廷やケーススタディも豊富です。 -
知的財産専攻
特許・著作権・商標・不正競争防止法など知財分野に特化し、現代のイノベーション社会に不可欠な法的素養を身につけます。
11. 外国語学院
グローバル人材育成の中心。語学運用能力の高度化と、各国文化理解の両面からアプローチしています。
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英語専攻
実践的な英語力と共に、翻訳、通訳、異文化交流、国際報道・ビジネスなどへの応用力を養います。 -
日本語専攻
基礎からビジネス日本語、文学、日中交流まで広く学び、日本社会を深く理解できる教育内容です。 -
翻訳専攻
中国語と英語、日本語等多言語間の翻訳技術を磨き、実務翻訳から創作翻訳、映像翻訳まで対象にします。
12. 生物科学与技術学院
生命科学やバイオテクノロジーの発展を牽引し、食品・医療・環境など多分野で応用されています。
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生物技術専攻
遺伝子工学や細胞工学など、最先端の生物技術とその産業化の道筋を学びます。 -
生物工学専攻
発酵工学、生物活性物質の生産、生物プロセス制御といった実用化技術に強みを持っています。 -
食品科学与工程専攻
食品の安全・分析・製造プロセスを中心に、新製品開発や品質評価技術を学びます。
13. 薬学院
医薬品や臨床現場に即した知識・技術を身につけることを重視しています。
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薬学専攻
医薬品の合成・分析・製剤設計・臨床応用まで幅広くカバー。製薬企業や研究所への進路も豊富です。 -
臨床薬学専攻
病院における薬剤師業務や医療チームとの連携、患者への服薬指導も重視されています。
14. 理学院
自然科学の基礎から発展的内容まで網羅し、理工系他分野との学際連携にも積極的です。
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物理学専攻
現代物理から応用物理、理論・実験双方で最新の研究にアクセスできます。 -
応用物理学専攻
エレクトロニクスやマテリアルサイエンス、情報工学分野との橋渡し的役割を果たします。 -
化学専攻
有機・無機化学、分析化学、物理化学など幅広く、先端研究にも携われます。
15. 海洋科学与技術学院
新興分野として注目されており、海洋エネルギーや環境保護、海洋技術など現代社会の課題に直結する学びを提供します。
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海洋工程専攻
海洋構造物、船舶、海洋資源開発などの技術を習得できます。 -
環境科学与工程専攻
海洋をフィールドとした環境保全、修復技術、環境リスク管理等を学べます。
16. 教育学院
社会の発展を支える教育・心理学分野を担い、理論と実践の両面に力を入れています。
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教育学専攻
教育制度、教育心理、カリキュラム開発、教育評価など教育全体を体系的に学びます。 -
心理学専攻
基礎心理学から応用心理学まで、教育臨床や産業分野とも連携した内容です。
17. 芸術学院
創造力・実践力の双方を養成し、芸術的視点から社会にアプローチすることを目指しています。
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美術専攻
絵画、彫刻、現代美術など幅広いジャンルを網羅し、理論・歴史的背景にも力を入れています。 -
デザイン専攻
視覚伝達、インターフェイス、プロダクトデザインなど、産業や社会ニーズとの結びつきが強い分野です。 -
芸術管理専攻
展覧会の企画・運営、文化政策、アートマネジメントなど芸術を社会的に活かす知識・技能を学びます。
18. 環境科学与工程学院
環境の保護・再生や資源循環を担う重要な学院で、環境イノベーション人材を多数輩出しています。
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環境工程専攻
廃水処理、大気浄化、リサイクル技術など、環境保全に直結する工学技術を習得します。 -
環境科学専攻
環境分析、エコロジカルリスク評価、環境政策まで、理論と実務を結び付けています。
19. マルクス主義学院
思想・哲学教育に特化したユニークな学院です。中国社会を理解するうえで基軸となる思想体系を深く学べます。
- 思想政治教育専攻
マルクス主義理論や現代中国社会の思想的課題、教育現場での思想政治活動について研究します。
20. 運動科学与健康学院
健康・運動の総合的学習と、社会貢献を意識したカリキュラム編成になっています。
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運動及び健康科学専攻
運動生理学、健康増進、スポーツリハビリテーションなどに重点を置いています。 -
体育教育専攻
教育現場を中心にスポーツ指導、トレーニング計画、スポーツ心理など教育者・指導者を目指す学生のための内容です。
天津大学は、中国におけるトップクラスの研究型大学であり、学術的伝統と最先端技術の融合が特徴です。各学部・学院の教育は、基礎理論の徹底から実践・応用、さらには産業界・社会との連携に至るまでバランスよく設計されており、幅広い進路や研究テーマが選択可能です。日本の大学や業界ともさまざまな協力が進んでおり、今後も国際的な発展が期待されています。