南京中醫藥大学 (南京中医药大学) – 主な学部・学院と専攻

1. 中医学部

南京中醫藥大学の中医学部は、中国伝統医学の高等教育機関の中でも特に評価が高く、世界的に活躍する中医薬の専門家を多数輩出しています。ここでは、中国伝統医術の基礎から応用まで幅広く学ぶことができ、伝統と現代医学の融合が実践的に追及されています。

• 中医学専攻
  中医学専攻は、漢方医学の基本理論、診断法、治療技術、および薬材に関する学習が中心となります。伝統的な「四診法」（望診・聞診・問診・切診）を徹底的に鍛え、実際の臨床実習を多く取り入れることで、高度な判断能力と応用力を身につけます。卒業生は、伝統医療機関や現代病院での臨床や、健康産業の研究・教育など、幅広い分野で活躍しています。

• 中西医結合医学専攻
  中西医結合医学専攻は、伝統中国医学と現代西洋医学の理論や技術を総合的に学び、両者の強みを生かした診療方法を研究する分野です。例えば、がんや慢性疾患の治療など、複雑な疾患に対し中西両医学のアプローチを組み合わせることで、より効果的な医療を目指します。この背景から、卒業生は臨床現場だけでなく、バイオ製薬企業や国際医療プロジェクトにも進出しています。

• 针灸推拿学専攻
  针灸推拿学専攻では、鍼灸治療、手技療法（推拿）、さらにそれらの病態生理学的基盤を徹底的に学びます。実習では、国内外の鍼灸センターと連携しながら、さまざまな症例に対応する経験を積むことができる点も大きな特徴です。また、現代医療との連携教育にも力を入れています。

• 康复治疗学専攻
  康复治疗学専攻は、中医学理論と現代リハビリテーション医学の統合的な観点から心身の回復・社会復帰を目指す学問です。疾患からの早期回復や高齢社会における健康寿命の延伸を支える専門知識と実践力を養います。特に脳卒中後のリハビリや慢性疼痛管理など、中医学の伝統的な技法が現場で高く評価されています。

2. 薬学部

南京中醫藥大学の薬学部は、伝統的な中薬から現代薬学の最前線まで、医薬品の開発・製造・管理の全プロセスを網羅するカリキュラムで知られています。中国伝統薬物学と現代科学技術の融合に注力し、多様な医薬品人材を育成してきました。

• 薬学専攻
  薬学専攻では、中薬と西洋薬の概念や作用メカニズム、薬物動態学、製剤技術など包括的に学習します。臨床現場での薬剤師としての役割だけでなく、製薬企業や研究機関での新薬開発にも直結する専門力を身につけます。卒業後は、病院・薬局だけでなく、多国籍企業や政府機関でも活躍しています。

• 製薬工学専攻
  製薬工学専攻は、医薬品製造の全工程に関わる化学工学や薬品技術を学ぶ学際的な専攻です。安全性評価や品質管理への知見も深めつつ、実際の工場見学やインターンシップも充実しているため、卒業生の就職先も多岐にわたります。中国医薬品の生産拠点となる江蘇省という立地の強みを活かし、最新施設を用いた実践指導を受けられる点も大きな魅力です。

• 薬事管理専攻
  薬事管理専攻では、薬事関連法規および医薬品の流通管理、品質保証、政策立案など、社会的ニーズの高い領域をカバーしています。中国のみならず、国際的にも通用する薬事管理能力を養い、医薬品安全や流通の分野でリーダーシップを発揮できる人材育成を目指しています。

3. 中薬学部

中薬学部は、伝統中国医学と密接に関わる薬用植物や天然物学、実験研究の分野で、実務面・研究面どちらにも強い人材を輩出する学部です。長い歴史を持ちつつも、現代科学との融合を果たしていることが特色です。

• 中薬学専攻
  中薬学専攻は、中薬の基礎理論、薬効評価方法、品質管理技術など、薬用植物の研究開発に必要な知識を徹底的に学びます。薬草園の実地研修や、先端研究プロジェクトにも積極的に参加でき、新薬開発や伝統医学の科学的再評価に寄与しています。また、世界中の漢方需要増加に対応した国際的研究も進めています。

• 中薬資源開発専攻
  中薬資源開発専攻は、薬用資源の探索・栽培・保全技術を学び、バイオ多様性保護や持続可能な産業の発展にも貢献しています。生薬栽培・新規薬用植物の発掘に関するフィールドワーク、ICTを活用した資源管理など先進的な教育内容となっています。

• 中薬制剤専攻
  中薬制剤専攻は、薬用植物やその他の自然物を利用した製剤開発技術や、品質コントロール、製剤の安全性評価、そしてグローバル標準に対応した製剤研究がテーマです。ここで養われる高度な製剤技術は、中国国内および世界中で高く評価されています。

4. 护理学部

南京中醫藥大学の护理学部（看護学部）は、中国伝統医学の理念も活かしながら、現代医療現場での即戦力となる看護のプロフェッショナルを育成しています。患者の心身面に寄り添い、予防・治療・リハビリから在宅医療まで幅広く対応できる実践性の高いカリキュラムが組まれています。

• 看護学専攻
  看護学専攻は、基礎医学・臨床看護・老年看護や地域看護など現代看護学の全般に加え、「整体観」や東洋医学的アプローチも取り入れた特徴的な授業内容となっています。中国国内外の医療機関や福祉施設と連携した実習も豊富で、グローバル志向の看護師育成を目指しています。

5. 管理学院

管理学院は、現代の健康・医療産業の発展に不可欠な経営・管理の専門知識と実務力を涵養する学部で、医療・福祉に特化したマネジメント分野の教育を充実させています。

• 公共事業管理専攻
  公共事業管理専攻は、ヘルスケアや社会福祉に関わる公共政策の企画・運営・評価を学びます。特に高齢化社会の進展に伴う社会福祉政策の立案や現場管理の技能に長けた人材を育てています。

• 医療管理専攻
  医療管理専攻は、病院経営、医療法規、医療品質管理、患者安全管理を中心に、医療機関の日常運営を支えるスペシャリストを養成します。産学連携による現場実習や、医療情報マネジメントなど次世代医療体制に即した教育にも力を入れています。

• 市場マーケティング専攻
  市場マーケティング専攻は、医薬・健康産業にフォーカスしたマーケティング戦略や消費者行動分析、新サービス立案などを幅広く学びます。デジタルマーケティングやグローバル市場対応力も磨かれるため、医薬品企業や新事業開発部署など多様な将来が広がっています。

6. 経済管理学院

経済管理学院は、医薬・健康産業を支える経営・会計人材を養成するため、実務能力重視の科学的教育を実施しています。伝統医薬産業を支える財務・会計分野のプロフェッショナルを多く輩出してきました。

• 会計学専攻
  会計学専攻では、会計理論、財務諸表分析、コスト管理、監査制度などの知識と実務能力を養成します。特に医薬産業向け会計システムの導入や運用に精通した人材が求められており、卒業生は企業内会計士や公認会計士を目指す者も少なくありません。

• 財務管理専攻
  財務管理専攻は、企業財務、投資判断、リスク管理を中心に学びます。ヘルスケア関連企業の財務状況分析や資金調達・経営戦略立案に秀でた人材を養成する目的を持ち、多くの卒業生が企業の財務部門や金融機関で活躍しています。

7. 信息技术学院

信息技术学院は、現代医療現場や健康産業に必要な情報技術のスペシャリスト育成に特化しています。情報化社会をリードする高度IT人材の輩出が目標です。

• 信息管理与信息系统専攻
  信息管理与信息系统専攻は、医療・健康産業における情報システム設計やデータベース構築、ITインフラの運用管理を学びます。ビッグデータ時代に不可欠な情報リテラシーや、医療現場で活用できる最新技術の応用法も重視しています。

• データサイエンス専攻
  データサイエンス専攻は、医療ビッグデータ解析、人工知能応用、機械学習・統計分析を中心的に履修します。医療や薬学的研究開発を情報技術で支援できるエンジニアやデータアナリストが求められており、卒業生の活躍分野は年々拡大しています。

8. 外国語学院

外国語学院は、国際交流の拠点として語学教育・異文化理解の推進に積極的です。世界の医薬・健康産業で活躍できるグローバル人材の育成も担っており、実践重視の語学教育が特徴です。

• 英語専攻
  英語専攻は、総合的な英語力の養成に加え、医療・薬学英語の専門科目も設置されています。グローバル医療現場で必要なコミュニケーションや国際論文作成など、実務能力の育成が重視されています。

• 日本語専攻
  日本語専攻は、日本語運用能力はもちろん、日本の医療・看護や日中医薬交流のための専門的知識も磨ける点が特徴です。交換留学や国際共同研究にも積極的に参加できる環境が整っています。

9. 人文与社会科学院

人文与社会科学院では、人間を多角的に理解するための学際教育が展開されており、人間社会の多様化や複雑化への対応力が養われます。

• 社会工作専攻
  社会工作専攻は、社会福祉・児童福祉・医療福祉に関する理論と実践を体系的に学習します。社会的弱者への援助や多文化共生推進など、社会の課題解決に寄与する力を備えた専門家を養成します。

• 心理学専攻
  心理学専攻では、医療・健康・福祉と密接に関連した心理学領域を基礎から学び、臨床心理・健康心理学・発達心理学など多彩な分野で応用力を磨きます。中国社会におけるメンタルヘルス啓発も重視されています。

南京中醫藥大学は、その伝統と現代教育の融合によって独自の教育力を育み続けており、医療・健康・人文・経営・情報・語学の各分野でリーダーとなる人材を数多く輩出しています。世界の医薬・健康産業で活躍することを志す学生にとって、多彩なステージが広がる大学です。