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   東交民巷 | 东交民巷

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北京といえば、誰もが思い浮かべる観光地がたくさんありますよね。故宮や天安門広場、頤和園など。でも、もっとディープに「北京の歴史」を感じたいなら、ぜひおすすめしたいのが東交民巷(とうこうみんこう)です。観光ツアーでもなかなか組み込まれない、知る人ぞ知る散策エリア。実はこの通り、かつて外国の大使館が並び、たくさんの歴史的事件や文化が交わった場所だったんです。
今回は、そんな東交民巷について、アクセス方法や見どころ、美味しいグルメ・カフェ情報も含めてたっぷりご紹介します。

目次

1. 東交民巷ってどんなところ?

歴史のある通りの誕生

東交民巷は、北京の中心部、天安門広場のすぐ南に位置し、昔から「胡同(フートン)」として親しまれてきました。この通りの歴史は非常に古く、名前の「東交民巷」には、「東側の外交官が住んでいた小道」といった意味があります。特に19世紀後半から20世紀初頭にかけて、列強諸国が中国で大使館街を持ち始めた時代、この通りは各国の外交官や使節団が住み、異国情緒あふれる場所に変わっていきました。

当時の北京は、閉ざされた紫禁城と、比較的オープンな外国人居住区が混在していた時代。その中で東交民巷は、「外交の舞台」として意味ある存在になっていきます。大使館のための建物だけでなく、教会やホテル、さまざまな施設も建てられ、まるで小さな「ヨーロッパの街角」のようでした。

清朝末期、アヘン戦争や義和団事件など中国の動乱期を経て、多くの外国人や中国人が行き来し、多様な文化が交流する場所となりました。その歴史が、現在でも街の雰囲気や建築、ローカルな小道の随所に残っています。

北京の中心部に位置する魅力

東交民巷の最大の魅力は、やはりその立地のよさ。天安門広場や前門(チアンメン)、王府井といった人気観光スポットからすぐそばです。観光の合間にふらっと立ち寄れるので、時間を有効に使いたい旅行者にぴったり。とはいえ、大通りから少し中へ入るだけで、喧噪から離れ、静かで落ち着いた時間が流れるのも不思議なポイント。

いわゆる「大都会のダウンタウン」とは真逆の、レトロで品のある空気感が漂っています。大きな看板や派手なショップはなく、石造りの門や煉瓦造りの壁、ヨーロッパ風の古い建物が並び、タイムスリップしたような感覚に。通りを歩くだけで、まるで自分が歴史の一部になった気分を味わえます。

また、立地の良さから、地下鉄やバスなどの公共交通機関も充実しています。ちょっと路地裏へ入ると、意外と観光客が少なめ。市内観光の合間に「特別な北京の顔」をこっそり発見できる、穴場スポットと言えます。

今も残るレトロな雰囲気

東交民巷の一番面白いところは、現代の北京の中に、明治大正時代のようなレトロな雰囲気がしっかり残っていることです。中国らしい赤い提灯や看板だけでなく、西洋風の石畳、アーチ窓、古い時計台など――ちょっとした角度から写真を撮るだけで、SNS映えする風景があふれています。

実際、東交民巷はフォトグラファーや映画撮影などにもよく使われます。カフェのテラス席でお茶を飲みながら行き交う人々を眺めたり、通りのベンチに座って過去を想像してみたり、ゆっくりした時間を楽しめます。

夜になると、ライトアップされた建物や静けさが、一層ムードを高めてくれます。「こんなところが北京にあったんだ!」ときっと驚くはず。歩いているだけで歴史の奥深さや、過ぎ去った時代へのロマンを感じずにはいられません。

2. アクセス&歩き方のポイント

北京市内からのアクセス方法

東交民巷へのアクセスは非常に便利です。まず、北京市内の地下鉄を利用するのが一番簡単。地下鉄2号線「前門駅」や「崇文門駅」が最寄りで、どちらからも歩いて10分ほど。タクシー利用の場合も、「東交民巷(トンジャオミンシャン)」と言えば大抵の運転手さんが分かりますし、観光混雑の少ない裏道を案内してくれることもあります。

北京市の中心部なので、主要ホテルからもアクセスしやすく、王府井通りのショッピングエリアや、国立博物館、天安門広場からも徒歩圏内です。観光バスの一部も近くに停車しますから、市内観光の途中に寄るにもぴったり。

また、空港から直接来る場合も、北京首都国際空港→地下鉄で「東直門」乗換→2号線で「前門駅」または「崇文門駅」下車というルートが一般的です。空港エクスプレスとの連携もスムーズなので、初めての方でも苦労なく到着できるはずです。

東交民巷周辺の歩き方アドバイス

東交民巷は南北に延びる細長い通りで、端から端まで歩いても30分ほど。建物の多くは保存状態が良く、路地裏を覗くのも新しい発見の連続。歩きやすい靴で訪れるのがベストです。通り沿いにはカフェやレトロなレストラン、ベーカリーも点在し、気軽に休憩できます。

歩く際におすすめなのは、一度地図アプリで大まかなルートを確認しておくこと。迷路のような細道が交錯しているので、「知らないうちに違う通りに出ちゃった」なんてことも。けれど、それも旅のちょっとした冒険!あえて裏道を歩いてみるのもおすすめですよ。

また、通り沿いは外国大使館が多く警備も厳重なので、写真撮影が禁止されている建物も一部あります。警備員がいるエリアや「NO PHOTO」のサインを見かけたら、ルールをしっかり守って散策しましょう。

おすすめ訪問シーズンと時間帯

東交民巷は1年を通して魅力的ですが、特におすすめなのは春と秋です。春(4月~5月)は気候も暖かく新緑が輝くベストシーズン、秋(9月~10月)は空気が乾燥して風も爽やか、建物の陰影が一段と美しく見えます。真夏は日差しが強く、真冬は風が冷たいため、快適な時期を狙っていくと良いでしょう。

時間帯としては、午前中の静けさと清々しさを楽しみたいなら9時~11時くらいに。日中は観光客も増えてきますが、週末でも人混みは他の観光地ほどではありません。夕方~夜はライトアップもあり、また違った雰囲気を楽しむことができます。

お祭りやイベント、または中国の祝祭日は、地元の人々や観光客でやや賑やかになります。もし静かにゆっくり歩きたいなら、平日を狙うのが一番です。

3. 見どころ

歴代大使館の建築美

東交民巷を歩きながら、まずぜひ注目したいのが歴代の大使館建築です。19世紀後半~20世紀初頭にかけて建設された建物が今も多数残されていて、ヨーロッパ各国の個性がうまく表現されています。特に、フランス大使館やイギリス大使館、ドイツ大使館などは、それぞれの国らしい重厚な外観と繊細な装飾が特徴です。

大使館の建物は、高い塀と大きな扉、クラシックなコリント式の柱やアーチ窓が目立ちます。石造やレンガ造りの壁には時代の刻みが感じられ、遠くからでも存在感があります。通りの両側に個性的な洋館が並ぶ光景は、「中国にいるのにヨーロッパに迷い込んだ」ような感覚を与えてくれるでしょう。

歴史的建築は、今も使われているところも多く、門の外から眺められるのみですが、それでも十分に迫力があります。写真を撮る時は、建物の細部や門扉の装飾、時に残された銘板などもぜひチェックしてみてください。古い写真と見比べると、当時の面影がそのまま残っているのに驚かされます。

東交民巷教会の静けさ

東交民巷には、異国情緒あふれる美しい教会が点在しています。中でも有名なのが「東交民巷教会(英語名:セント・マイケルズ・チャーチ)」です。ゴシック様式の尖塔と美しいステンドグラスが特徴的で、壁はグレーのレンガ造り。荘厳でありながら、どこか静けさと温かみを感じるスペースです。

教会の敷地内は一般開放される時期もあるので、中に入れたらぜひ訪れてみましょう。木製のベンチや聖歌隊の席、静かに祈りを捧げる人々の姿など、日常の北京とは全くちがった世界が広がっています。まさに「時が止まった」ような空間で、旅の合間の心のリセットにおすすめです。

教会周辺は木々も多く、春には新緑、秋には紅葉が楽しめて、四季折々の趣があります。建物自体が歴史遺産として大切にされているので、外観をゆっくり見学するだけでも価値があります。晴れた日には教会前で小さなマルシェが開かれていることもあり、地元の人たちと異文化を感じられる瞬間もあります。

伝説のホテル「北京飯店」

東交民巷の近くには、「北京飯店」という伝説的なホテルがあります。このホテルは1900年代初頭に創業し、東西の文化が交錯した壮麗な建築で、まるで映画のワンシーンに迷い込んだような気分になります。

北京飯店は中国でも屈指の老舗高級ホテルで、国の要人や世界的な著名人もたくさん宿泊してきました。そのため、ホテル内のカフェやロビーには「歴史の証人」としての貫禄が漂っています。ホテルの外観もヨーロッパ調で、夜には美しいライトアップがされています。館内見学ツアーも時々開催されており、宿泊せずともロビーやカフェ、ギャラリーショップで歴史を感じられます。

また、北京飯店のレストランは高級中華から洋食までバリエーション豊富。特別な日に、あるいは旅の締めくくりとして、おしゃれなお食事スポットとしても利用可能です。古き良き時代の北京の雰囲気を、ゆっくり味わってみてください。

古書や芸術品を楽しめるスポット

東交民巷周辺には、他の観光地とは少し違ったアーティスティックなショップや古書店もたくさんあります。古民家を改装したギャラリーやアートカフェ、地元のアーティストたちが参加する小さな展示会などがひっそりと開かれています。

とりわけ人気なのは、古書と中国美術品のお店。明清時代の書籍や芸術雑貨、アンティークポスターなどは、手に取るだけでその時代の空気が伝わってくるようです。「ここでしか手に入らないものを探す」楽しみも味わえます。

休日には路上に出店がならび、古書や版画、クラフト雑貨など即売されていることも。お土産や記念の一品探しにもぴったり。アート好きな方、何か「ちょっと特別な体験」をしたい方は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

4. 東交民巷で感じる北京の歴史

清朝末期から近代までの変遷

東交民巷は、清朝末期の「外交の舞台」としてその歴史を刻み始めました。当時の中国は列強の圧力を受け、外国と多くの条約を締結せざるをえなかった時代。その中で、各国がこのエリアに大使館を建て、外交の最前線がこの小道に集結したのです。

義和団事件や辛亥革命など、中国の近代史を揺るがす出来事の舞台となったこともあり、東交民巷はしばしば歴史小説や映画にも登場します。建物の多くが当時のまま残り、今もその変遷を語り継いでいます。

日本とも密接な関わりがありました。日本大使館も一時この地に、本国からの外交官やスタッフを受け入れていた歴史があります。小道を歩きながら時代が移り変わる激動の北京を感じ取る──それが、東交民巷ならではの体験です。

文化交流の交差点としての役割

かつてここに住んでいたのは、外国の外交官、商人、伝道師、中国のエリートたち。各国の建築スタイルだけでなく、西洋料理やパン屋、カフェなどが早くから登場した地域でもあります。文化も食事も、日常の中で国際色豊かだったエリアです。

そのため、今でも東交民巷のカフェやレストランでは「中華×西洋」の特色あるメニューやサービスが残っています。かつては社交パーティーやダンスホールもあったとか。西洋の生活文化が北京に一気に流れ込み、地元の新しいライフスタイルがここから始まったと言われています。

模型店やアンティークショップにも、西洋と中国が交わる珍しいコレクションを見つけることができます。歩いていると多くの言語の看板や、外国人観光客を見かけるのも納得です。

現在の地元生活と外国文化の融合

今の東交民巷は、観光地というより「地元の生活」と「外国文化」が絶妙に混ざった心地よい空間です。新しいデザインカフェやアートスペースが増えている一方、住民の日常も感じられます。

朝早くには、地元のお年寄りが太極拳やおしゃべりを楽しみ、猫がのんびりと路地を歩いています。夕方にはビジネスマンや観光客がカフェのテラスでくつろぎ、週末にはアーティストや小さな子どもたちのグループが遊びに来る姿も。

建物の保全とリノベーションは進んでいるものの、かつての「外交官の街」としての気品と落ち着きは健在。新旧が入り混じる活気の中で、いま北京が誇る「国際都市」としての顔を感じることができるでしょう。

5. グルメ&カフェでひと休み

歴史的建物を活かしたカフェ

東交民巷の魅力のひとつが、歴史的な建物を改装した個性的なカフェやティーサロン。大理石の床や美しいアーチ窓、レトロな照明が醸し出す空間で、ゆったりとした午後を過ごすのは最高の贅沢です。

人気のカフェでは、当時の外交官や文化人が愛したレシピを再現したケーキやトースト、コーヒーが提供されています。静かな読書タイムにもおすすめ。SNS映えするインテリアや店内からの眺めも抜群です。

古書屋が併設されているカフェや、天井の高い元パーティーホール型のカフェなど、訪れるだけで新しい発見があるはず。歴史ファンだけでなく、カフェ巡り好きにもぴったりの場所なんです。

東交民巷ならではの北京グルメ

せっかく東交民巷に来たなら、ここならではのちょっとレトロな北京グルメもぜひ楽しんでください。たとえば「炸醤麺(ジャージャー麺)」や「餃子」などの定番小吃(シャオチー)は、昔ながらのレシピを受け継いだお店が多いのが特徴です。

洋食と中華がミックスしたメニューも多彩。ロシア風ビーフストロガノフやウクライナボルシチ、中国風パンケーキ、さらには西洋スタイルのミートローフやプリンなど、「ここでしか食べられない」ひねりの効いたランチやディナーが味わえます。

ランチタイムには、地元会社員が集まり賑わう「大衆食堂」がある一方、静かに食事を楽しみたい人にはちょっと高級な隠れ家レストランも揃っています。価格帯も幅広いので、予算に合わせて選んでみましょう。

隠れ家的レストランやバー情報

東交民巷には、入口が目立たない「隠れ家レストラン」やバーも点在しています。レンガ造りの古い建物の地下や、豪華な邸宅をそのまま活かしたレストランもあり、デートにも、友達との特別な夜にもぴったり。

予約制のプライベートダイニング、アンティーク家具が素敵なカクテルバー、シングルモルトや中国伝統酒を扱うバーまで、選択肢が本当に豊富!また、日が暮れる頃にライトアップされた通りを歩きながら、ふらりと入るバースポットも大人な旅の楽しみ方です。

料理も本格的。創作中華や中華と西洋のフュージョン料理、オールドビーフステーキや自家製ソーセージ、地元野菜を活かした前菜など、「また来たい!」と思わせる店がたくさん。ひと味ちがう北京の夜を、ぜひ東交民巷で楽しんでみてください。

6. お土産&プチ情報

東交民巷限定のお土産

東交民巷でのお土産選びはとっても楽しい!ここでしか手に入らない限定雑貨や、古い時代を感じさせるノスタルジックなお土産がいっぱいあります。例えば、歴代大使館を模したミニチュア建築モデルや、東交民巷の景色を描いたアートポストカードなどが人気。

ほかにも、昔ながらのレトロ缶バッジ、古いポスター、歴史的写真を使ったノートやしおりなど、「歴史好き」「デザイン好き」な友人や自分へのご褒美にぴったり。手作り感あふれるハンドクラフトやアクセサリーも充実しています。

現地ロースターのカフェで販売される限定ブレンドコーヒー豆や、クラフト紅茶、オリジナル焼き菓子など「美味しい」お土産も充実。味やデザインで北京の記憶がよみがえる、そんな素敵なアイテムに出会えるかも。

周辺のマーケット情報

もし東交民巷だけじゃ物足りない!と感じたら、周辺のマーケットも是非散策してみてください。特に週末には、アンティーク市やアートマーケット、ファーマーズマーケットが開かれることもあります。

骨董市では、中国アンティークの陶器や絵画、清時代や民国時代の雑貨、切手コレクションまで多種多様。ただし、本物とレプリカが混ざっているので、興味本位で覗いてみるのがおすすめです。

アート系マーケットには、現地若手作家のハンドメイドアクセサリーや絵画、Tシャツ、手描きの扇子など個性的なアイテムがたくさん。宝探し気分で気軽に立ち寄れるのが魅力です。

フォトスポット&インスタ映えポイント

東交民巷は、まさに「どこで写真を撮っても絵になる」場所!たとえば煉瓦造りの門前や大使館の外壁、教会の前、アンティークな街灯が並ぶ小道など、レトロな雰囲気が写真にぴったりです。

春や秋には、紅葉や新緑を背景にした建物の写真が最高の一枚に。夕暮れ時の柔らかい光や、夜のライトアップも素晴らしい撮影タイムです。かわいいカフェの中も外も、インテリアやデザートを写した写真はSNSで注目間違いなし。

北京の喧騒とは一味ちがった「静かな美しさ」を持つ東交民巷。思い出に残る一枚を撮るなら、スマホでもデジカメでもぜひチャレンジしてみてください。友達や家族と、昔風のコスプレ写真を撮るのもおすすめですよ。


まとめ

北京の中心部、歴史と文化が絶妙に融合する場所――それが東交民巷です。ここは単なる観光地ではなく、100年以上もの間、様々な国や文化、人々の交流の舞台となってきました。その独特な建築や空気感、ここでしか味わえないグルメやカフェ体験、温かい地元の雰囲気が、忙しい旅行の中にも「ほっとひと息」つける貴重なエリアです。

観光スポットめぐりにちょっと疲れた時や、北京の隠れた一面を見つけたい時、ぜひ東交民巷をゆっくり歩いてみてください。きっと、歴史の層の深さと新しい発見、そして心のリフレッシュを感じることができるでしょう。
北京旅行の忘れられない思い出作りに、東交民巷をリストアップしてみてくださいね!

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