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   清河坊街(せいかぼうがい) | 清河坊街

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杭州旅行といえば、やはり西湖が有名ですが、もう一つ見逃せない観光スポットがあります。それが「清河坊街」です。杭州の歴史ある街並みと、地元ならではのグルメ、カルチャー、ショッピングが詰まったこの場所は、まさに“杭州らしさ”満載のエリア。歩くだけでタイムスリップしたような気分を味わえ、地元の人の暮らしや伝統文化にもぐっと近づけます。「せっかくの杭州、食べるだけ、観るだけじゃもったいない!」――そんな思いを持っている方にうってつけの場所です。では、清河坊街の魅力を一つずつ紹介していきます。

目次

1. 清河坊街とは?

1.1 街の歴史

清河坊街の歴史はなんと南宋時代にまでさかのぼります。約900年前、この地区は杭州が南宋の都として栄えた時代から商業の中心地の一つでした。当時は徒歩で通う商人や、遠方から来る旅人たちでにぎわい、活気あふれる場所だったそうです。歴史的に見ても、清河坊街は市民の生活や文化にとても密着していたエリアです。

また、明や清の時代を経て、数々の老舗や伝統工房がここに根付いていきます。多くの商家や薬局、茶屋、工芸品のお店が続々とオープン。それぞれの時代で姿を変えながらも、「商いの街」としての役割をしっかりと果たしてきました。この長い歴史が、今も街の至る所で感じられます。

こうした背景があるからこそ、清河坊街には何とも言えない独特の風情が漂っています。古い建物と新しいカフェが並んでいたり、昔ながらの屋台とトレンドショップが同居していたり。「歴史と現代がうまく調和した場所」といえるでしょう。

1.2 発展の過程

清河坊街は、時代の流れに合わせて何度も生まれ変わってきました。特に20世紀以降は、都市開発や観光産業の興隆とともに、以前の市場エリアから「歴史文化街区」へと変貌していきます。行政による大規模な再整備プロジェクトが始まり、古い街並みを保癒しつつ新しい商業施設や観光施設が追加されました。

この背景には、地元住民が長く暮らし続けながら、観光客もたくさん呼び込みたいという思いがあります。行政や地元の人々が力を合わせ、古い建物を壊さずリノベーションするなど、街としてのアイデンティティを大切に守り抜いてきました。地域の歴史を感じさせる石の道や木製の看板、大きな中庭なども、昔のまま残されています。

また、最近では若手アーティストのアトリエやブティックカフェも増え、昔ながらの街のなかで“新しい風”が吹き込まれています。観光地化されていても、決して商業主義一辺倒ではない、地元の人との繋がりや、地域文化が生きている場所です。

1.3 現代の清河坊街

今の清河坊街は、昼夜問わず観光客で賑わう人気スポット。道幅がさほど広くないため、歩行者専用通路となっており、散策にはちょうど良い感じです。飲食店、雑貨屋、伝統工芸のお店がぎっしり並び、歩くたびに新しい発見が。最近では、SNS映えする写真スポットが増えて若者にも大人気です。

外国人観光客も年々増加中。日本語や英語の案内板、QRコードを使った多言語対応も進んでいます。街の中央広場では、無料の伝統芸能ショーが開催されることもしばしばあり、地元特有のパフォーマンスを間近で楽しむことができます。

夜になるとさらにロマンティックな雰囲気に。ライトアップされた古い建物や、下町ムード横溢する屋台の明かりが幻想的な風景を作り出します。家族連れやカップル、友達同士、どんな人でもそれぞれに楽しめる伝統と現代が融合した杭州自慢の観光ストリートです。

2. 見どころ

2.1 古色蒼然の建築

清河坊街を歩くと、真っ先に目に飛び込んでくるのがその歴史的な建築物たちです。木造の二階家、白壁に灰色瓦の伝統的な家屋、アーチ型の門……今では少なくなった中国江南地方の町屋スタイルが並ぶ様子は、とてもフォトジェニック。細い路地に入れば入るほど、まるで映画のセットの中にいるような気分になるでしょう。

特に注目したいのは、清の時代から続く商家や古薬局。外壁には古い漢字の看板、屋根の細工には龍や獅子の飾りがあしらわれています。これらの細かなディテールは、建物一つ一つにストーリーがあることを物語っています。時間の流れを超えてきた歴史の重み、それでいてどこかホッとする温かみを感じられます。

建物の一部は資料館として開放されており、南宋時代の生活用品や商売道具が展示されています。普段見ることのできない杭州の昔の暮らしぶりや、街の発展の様子が、じかに伝わってくる場所です。写真好きの方はもちろん、建築やインテリアが好きな方も大満足できるエリアと言えるでしょう。

2.2 賑やかな地元市場

清河坊街の楽しみの一つが、通りにいくつも立ち並ぶ地元の市場や屋台。中国らしい活気に溢れており、日本の商店街のような親近感も感じられます。野菜や果物、漬物、乾物など地元の生活に根ざした食材がずらり。どれも色鮮やかで、日本とは違う食材も多いので見ているだけでもワクワクします。

また、地元の人とのちょっとしたやり取りも楽しい体験。屋台のおばちゃんが「これは試食してみて!」と笑顔で呼び込み、日本から来たと言うと驚きつつもフレンドリーに対応してくれます。少し中国語を使ってみたり、身ぶり手ぶりでコミュニケーションをとったり――思いがけない出会いがきっとあるはずです。

夕方になると市場の雰囲気が一段と熱気を帯びてきます。お土産用のお菓子や特産品を買うにもぴったりのタイミング。地元の人たちと一緒に並びながら、杭州のリアルな生活の一部を感じてみるのもおすすめです。

2.3 伝統工芸品の職人

清河坊街といえば、伝統工芸品の職人たちも大きな見どころです。通りには竹細工、木彫り、漆器などのクラフトショップや、小さな工房が点在。ガラス越しに実演している職人さんの作業風景を気軽に見学できます。複雑な手さばきや、繊細な仕上がりに思わず見とれてしまうはず。

中でも浙江省名産の「龍井茶」を使った茶器作りや、手作業による書道用品の制作工程は、日本人にとっても興味深いテーマ。使い込まれた道具や、年季の入った手元からは、長い歴史を生き抜いてきた誇りと愛情を感じ取れます。場合によっては、ワークショップ形式で実際に自分で作る体験ができることもあります。

また、工芸品の多くには「縁起が良い」「商売繁盛」など、幸運の意味が込められています。作り手がその意味を丁寧に説明してくれるので、工芸品選びがより一層楽しくなります。旅の記念に、世界で一つだけの伝統工芸品をぜひ手にしてみてください。

2.4 文化活動と催し物

清河坊街は、ただ歩いているだけでなく、年間を通じてさまざまな文化イベントや催しが開催されています。たとえば、伝統衣装を着たパフォーマーによる「王朝行列」や、地元のお祭り「龍井茶収穫祭」など、日本の祭りに負けないくらい賑やか。通りの随所に特設ステージが設置され、伝統楽器による生演奏や、獅子舞、書道パフォーマンスなどが行われます。

伝統文化と現代アートがコラボしたイベントも多いです。たとえば、若手アーティストによる絵画展や、地元の中学生が参加できるワークショップイベントなど。街全体が“生きた美術館”のような雰囲気に包まれます。観光客も無料で参加できる体験型イベントが多く、旅の思い出作りにはもってこいです。

シーズンによっては、夜店やイルミネーション、季節の花をテーマにした装飾も見逃せません。クリスマスエリアや旧正月の縁日風景は、写真スポットとしても人気です。「一期一会」の素敵な文化体験に出会えるのが、清河坊街ならではの魅力です。

3. グルメ体験

3.1 地元名物料理

「杭州グルメ」といえば、数え切れないほどの名物料理がありますが、清河坊街はその宝庫。まずは、「東坡肉(ドンポーロウ)」をぜひ試して欲しい一品。豚バラ肉をじっくり煮込んだこの料理は、濃厚な味わいととろける食感が特徴で、一度食べたらやみつき。地元の老舗料理店で提供される東坡肉は、上品なのにしっかりとしたコクがあり、必ずや満足できるはずです。

もうひとつおすすめなのが、「西湖醋魚(シーフーチューユィ)」。新鮮な白身魚(多くはコイ)を甘酸っぱい特製ダレで煮込んだ杭州伝統の味です。魚のふっくらとした身と、爽やかな酸味が絶妙なハーモニー。店ごとに味付けが少しずつ違うので、食べ比べしてみるのも楽しみ。

忘れてはならないのが、小皿料理や点心の数々です。「小籠包」や、「葱油餅(ツォンヨウビン)」、緑豆を使った春巻きなど、小腹が空いた時にはぴったり。街歩きの合間に気軽にサクッと食べられるスタイルも魅力です。屋台でほかほかの点心を頬張るのは、ここでしかできない体験ですよ。

3.2 人気スイーツ

清河坊街には、不思議と甘いものが食べたくなる雰囲気があります。まず訪れてほしいのは「猫耳朶(マオアルドゥオ)」というちょっと変わった名前のスイーツ。米粉をこねてから油で揚げ、砂糖やクルミをまぶした素朴なおやつ。サクサクした食感とほどよい甘さがクセになります。ローカルの若者にも大人気のお菓子です。

もう一つ定番なのは「龍井茶アイスクリーム」。日本でもお馴染みのグリーンティーアイスですが、杭州名産の龍井茶を贅沢に使っているだけあって、香りがとっても豊か。ほろ苦さとミルクの甘さが絶妙にマッチし、大人も子供もさっぱりと楽しめる味わいです。暑い日のお散歩途中には絶対おすすめ!

老舗菓子店の「糖画(タンホア)」も見逃せません。これは飴細工のアート作品で、紙の上に飴を細く垂らして動物や花を描いたもの。子供はもちろん大人も興味津々になるアートスイーツです。出来立てをその場で食べるもよし、お土産にパッキングしてもらうことも可能です。

3.3 おすすめレストラン

清河坊街には、観光客でも安心して楽しめるおすすめレストランがたくさんあります。まずは「緑茶餐廳(リューチャーツァンティン)」という有名なレストラン。モダンな雰囲気のインテリアながら、伝統料理をきちんと守りつつ新しいアレンジも加えられています。ランチタイムは地元のお客さんで大変賑わっています。

伝統を守り抜いた老舗「知味観」は、100年以上続く名店です。外観も趣があり、店内では店員さんが中国語や簡単な英語で丁寧に料理の説明をしてくれます。コース料理も用意されており、いろいろ頼んで何人かでシェアしたい時にも便利です。東坡肉や西湖醋魚の正統派の味をぜひ堪能してみてください。

また、カジュアルに食事がしたい方には、清河坊街の端の方の小さなカフェやローカルレストランもおすすめ。家族経営のアットホームなお店が多く、優しい味付けが特徴。お店の人と旅話をしたり、地元おすすめのメニューを聞いたりすれば、さらに杭州の食文化が深くわかります。

4. ショッピングガイド

4.1 素敵なお土産

杭州・清河坊街で手に入るお土産といえば、やはり「龍井茶」が筆頭。新鮮な茶葉やティーバッグ、茶壺が並ぶ茶葉専門店では、試飲をしながら選ぶことができます。日本ではなかなか出会えない上質な香りを感じられるので、お茶好きの方にぜひおすすめです。

もうひとつ人気なのが「シルク製品」。杭州は古くから絹織物の名産地として知られており、ストールやスカーフ、かわいらしいシルク小物など、さまざまなデザインが揃っています。お土産用に小さなポーチや扇子をまとめ買いしても良いですね。色鮮やかで手触りも抜群、贈り物にもぴったりです。

さらに、「手作りの飴細工」や、「竹細工」の小物類も人気。シンプルで軽く、持ち運びやすいため旅行中も負担になりません。手作り感のある温かみや、中国の伝統美が詰まっているとあって、日本の友人や家族に自慢できるアイテムばかりです。

4.2 地元ブランドショップ

清河坊街には、杭州生まれの個性派ブランドやデザイナーショップが増えつつあります。たとえば、「西湖手作」というお店では、地元作家によるオリジナル陶器や食器が見つかります。伝統モチーフと現代デザインが融合した商品は、“いかにも中国”すぎないので、日本の部屋にも馴染みやすいのがポイントです。

若いクリエイターのファッションブランドも注目です。地元発のカジュアルウェアやバッグは、日本のセレクトショップにはないデザインが多く、ちょっとしたお洒落心をくすぐります。スタッフが自社のこだわりや使い方を丁寧に説明してくれることも多く、アットホームな雰囲気で楽しくショッピングできます。

また、「漢方コスメ」「自然素材の石けん」などのナチュラル商品ショップもあります。現地ならではの素材や製法にこだわった商品が多く、パッケージもかわいいので女子旅にも大人気。「ここでしか買えない!」そんな発見ができるのも、清河坊街ならではです。

4.3 ユニークな雑貨店

お土産店以外にも、「こんなお店が!?」と驚くような雑貨店が多いのが清河坊街の面白さ。たとえば、中国の切り紙アート(剪紙)を専門にしたショップでは、繊細なカッティングが見事な作品がずらり。季節のイベントやお祝い用のデザインもあり、お部屋を華やかに彩ってくれます。

さらに、古道具をリメイクしたレトロ雑貨や、近年人気の“杭州猫グッズ”など、眺めているだけでも楽しい商品が次々と見つかります。和風とチャイナ風がミックスされたアクセサリー、手書きイラストのポストカード類もセンス抜群のできばえ。

中には、紙芝居のようなストーリー雑貨や、地元学生のハンドメイド作品を扱うお店も。小さなギフトショップや陶器屋をハシゴするだけでも、旅気分を盛り上げてくれます。「お店の人とのおしゃべり」や「一期一会の出会い」が、旅の大切な思い出になりますよ。

5. 訪れる前のヒント

5.1 行き方とアクセス

清河坊街は、杭州駅や市街地からのアクセスがとても便利です。地下鉄1号線の「定安路」駅または「龍翔橋」駅で下車し、徒歩10分ほどで到着します。中心エリアからもバスが多数出ていて、初めての観光客でも迷わずに行くことができます。タクシーを使えば、人気スポット西湖からも10分ほどと近いので、他の観光と組み合わせやすいロケーションです。

空港から行く場合は、杭州蕭山国際空港からリムジンバスで市内中心部に向かい、地下鉄やバスに乗り換えてアクセスするのが一般的。案内表示も整っているので、旅行慣れしていない方でも安心です。もし迷ったら、観光案内所やホテルのスタッフに「清河坊街」と伝えれば丁寧に教えてくれます。

また、街への行き帰りには、杭州の「自転車シェア」サービスを利用するのも楽しいアイデア。道幅が広めの道路が整備されているため、天気の良い日には自転車でのんびり杭州市街を巡って、清河坊街を目的地にするルートもおすすめです。

5.2 ベストな訪問時期

清河坊街は一年を通して賑わっていますが、特におすすめなのは春と秋。春(3月〜5月)は、気温もほどよく街路樹や花々が美しく、街歩きには最高のシーズンです。秋(9月〜11月)は涼しく空気が澄んでおり、裏路地の散策やイベント参加が存分に楽しめます。

夏場(6月〜8月)はかなり蒸し暑くなりますが、冷たいスイーツやアイスクリーム、かき氷など季節限定の食べ物を味わいながら楽しめます。夜になると屋台が活気付き、涼しい風の中をぶらぶら歩くのも乙です。紫陽花や夏まつり風の飾り付けも加わり、フォトジェニックな楽しみ方も増えます。

冬場(12月〜2月)は閑散期と言われていますが、旧正月前後は華やかな飾り付けや新春イベントが開催され、特別な雰囲気に包まれます。この時期ならではの伝統のお菓子や、おめでたグッズを探すのも楽しいです。様々な季節ごとに違った顔を見せてくれるので、何度でも訪れる価値があります。

5.3 快適な観光のための注意点

清河坊街は、時間帯によっては非常に混雑します。特に土日祝日や連休は混み合うため、ゆっくり見て回りたいなら平日午前中を狙うのがおすすめです。歩行者専用のエリアですが、写真を撮る人や食べ歩き客も多いので、周囲への配慮も忘れずに楽しみましょう。

屋台や飲食店で支払いをする際は、現地の電子マネー(支付宝/WeChat Pay)を利用するとスムーズですが、現金(中国元/人民元)も使えるお店が多いので事前に少額を用意しておくと安心です。また、トイレや休憩用の施設もあちこちに整備されていますが、混雑時は早めの利用を心がけましょう。

最後に、なるべく歩きやすい靴と動きやすい服装を選びましょう。道幅が狭い区画や段差も多いので、ヒールやサンダルではなくスニーカー推奨です。突然の雨に備えて、折りたたみ傘やレインコートがあると便利。マイボトルや小さなお菓子を持参して、気軽な街歩き観光を最大限に楽しんでください。

まとめ

清河坊街は、杭州の歴史や文化、ご当地グルメ、伝統工芸体験、心躍るショッピングまで、あらゆる魅力がギュッと詰まった場所です。昔ながらの街並みと、現代的な新しさが心地よく混じり合い、旅人の心をそっと癒してくれます。おしゃれ好き、食べ歩き好き、歴史好き、どんな人も、自分だけのワクワクを発見できる不思議な通りです。

一度足を運べば“また行きたい”と思える不思議な魅力があり、混雑していても、ひとつひとつの体験が忘れられない思い出になります。たとえば市場で地元の人々と笑顔を交わしたり、職人さんの手仕事に感動したり……ここでしか味わえない出会いがあなたを待っています。

ぜひ、次の中国旅行では清河坊街をプランに加えてみてください。「杭州」の懐の深さと、ほんのり優しい空気感がきっとあなたを迎え入れてくれるはずです。

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