上海といえば高層ビルや近未来的な街並みを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は歴史と文化が息づく街角もたくさんあります。その中でも、今回ご紹介する「多倫路文化名人街」は、上海の歴史ファンや文化愛好者にとても人気があるスポット。古き良き時代の雰囲気を残しつつ、芸術や文学の香りが漂うこの通りは、少し足を延ばしてぜひ訪れてほしい場所です。ノスタルジー溢れる石畳、カラフルなギャラリーやカフェ、そして多くの歴史的建造物や記念碑…ちょっと歩くだけで、まるで昔にタイムスリップしたような気分になります。上海で「都会の喧騒をちょっと離れてみたい」と思ったら、多倫路文化名人街を散歩してみませんか。
1. 多倫路文化名人街へのアクセス
上海のどこにあるの?
多倫路文化名人街は、上海市虹口区に位置しています。上海の中心地である人民広場や南京路からも比較的近く、地元の人たちにも古くから愛されてきた文化ゾーンです。観光の主な目的地とは少し外れたエリアなので、初めて訪れる人にはちょっと隠れ家的な存在かもしれませんが、その分、落ち着いた雰囲気が残っています。静かな住宅街に調和するように、歴史ある建物やアートスポットが点在していますので、じっくりと街歩きを楽しみたい人におすすめです。
このエリアは歴史的にも重要な場所で、かつて多くの文学者や文化人が住んでいたことから「名人街」と呼ばれるようになりました。周囲には現代的な建築物が建ち並んでいますが、多倫路だけは独特のレトロ感が漂い、街全体がまるで屋外ミュージアムのような雰囲気です。地図で探す際は「多倫路」や「Duo Lun Road」と表記されていることが多いので、外国人観光客でも見つけやすいですよ。
また、多倫路は上海の有名な魯迅公園や魯迅記念館からも歩いてすぐなので、観光プランにあわせて組み込みやすいのもポイントです。公園でのんびりした後、文化的な散策を楽しむ、という1日コースもおすすめです。
便利な行き方は?
上海市内から多倫路文化名人街へ行くには、地下鉄が一番便利です。最寄り駅は「地下鉄3号線・4号線・8号線」が交差する虹口足球場駅、または「3号線東宝興路駅」。どちらの駅からも徒歩10分ほどでアクセスできちゃいます。日本からの観光客にもわかりやすい表示があり、地下鉄でアクセスするのが一番安心できる方法です。
地下鉄の駅を出たら、魯迅公園方面へ向かうと道案内の看板なども出てきます。多倫路の入口にはアーチ状のゲートがあり、見つけやすい目印になっています。もちろん、タクシーや配車サービス(DiDiなど)を利用することも可能で、上海の主要ホテルからでも30分前後で到着します。
徒歩でのアクセスの場合、近隣の道路や小道も風情があるので、道中の散策も楽しめます。「どうしても迷ってしまう…」という場合は街の人やお店のスタッフに気軽に尋ねてみましょう。「多倫路」(ドゥオルンルー)と言えばすぐに分かってもらえますので、語学が苦手でも大丈夫です。
近くの交通手段
多倫路文化名人街の周辺には、公共交通機関が充実しています。前述の地下鉄の他にも、バス路線がたくさん通っており、主要な観光名所や繁華街からもアクセスしやすくなっています。特に魯迅公園の周りにはバス停が密集しているので、上海市内のあちこちから乗り換えが簡単です。
上海ならではのシェア自転車(ofoやmobikeなど)を使って、多倫路までサイクリングしてみるのもおすすめです。自転車専用レーンが整備されているので、のんびり安全に街探検が楽しめます。初めて上海の街を走る人にも優しいシステムなので、ちょっとした冒険気分が味わえますよ。
また、もし空港や駅から直接アクセスしたい場合も、市内の移動は非常に便利。上海虹橋空港や上海駅からは地下鉄路線が充実しているので、乗り換えも少なくて済みます。多倫路近くには魯迅公園以外にも観光スポットが点在しているので、いろんな場所を組み合わせて旅のプランを立てやすいのがポイントです。
2. 歴史を感じる街並み
多倫路の歴史
多倫路の歴史は1920年代まで遡ります。当時の上海は東洋のパリと呼ばれるほど文化や芸術が花開いた時代。多倫路はまだ細い路地に過ぎませんでしたが、やがて多くの作家や詩人、芸術家たちが集い、文学サロンのような場所になったのです。彼らはここで語り合い、互いにインスパイアされながら新しい作品を生み出していました。
近代の中国における文学革命の中心人物たちが多倫路を根城にしていたことも、この通りの大きな特徴です。魯迅、茅盾、沈雁冰(茅盾)など、現代中国を代表する文学者たちが長い間住んだ痕跡がそのまま残っています。だからこそ「文化名人街」と名付けられ、文学ファンには一度は訪れたい聖地のような存在になっています。
歴史を大切に守ってきた多倫路は、今でも当時の風情や面影を色濃く残しています。石畳の小道を歩きながら、ふと壁を見上げれば、有名文学者のレリーフやプレートがそこここに設けられており、まるで彼らの足跡を辿っているかのような感覚に包まれます。
著名人たちの足跡
多倫路文化名人街が注目を集める理由の一つは、たくさんの中国著名人たちがここで暮らし、活動した痕跡が残されていることです。例えば、魯迅記念館の近くには茅盾旧居や葉聖陶故居など、多くの文学者・思想家の住居跡が点在しています。当時、彼らは激動の時代の中で自由に意見を交わし、中国の新しい文化を築くエネルギーをここで養っていました。
また、多倫路は知られざる芸術家や詩人、ジャーナリストたちの隠れた拠点としても有名です。通りを歩いていると、「1930年代にここで○○先生がサロンを開いていた」という説明板が所々にあり、細かなエピソードに触れられるのも大きな魅力です。文学者同士の交流や、人との縁が、時代を超えた文学運動を支え続けたことが、生き生きと伝わってきます。
現在では、著名人たちの遺構はリノベーションされ、記念館やギャラリー、カフェなどに生まれ変わっているものもあります。このような「歴史と現代の融合」に触れられるのは多倫路ならでは。昔の偉人が歩いた道を、今度は自分が歩く…そんなロマンあふれる体験ができますよ。
古い建物と新しい装飾
多倫路を散策すると、目を引くのは古くて味のある建物。れんが造りの住宅や洋館、凝った木製ドア、美しいステンドグラスの窓など、洋風と中国伝統が混在した不思議な建築スタイルが残っています。こうした建物は、100年近い歴史を持つものも少なくありません。
しかし、その一方で現代的なアートオブジェやオープンカフェ、壁画など、新しい装飾が街並みに溶け込んでいます。レトロな街並みにポップな色合いのベンチや、現代アート作品が点在することで、古さと新しさが絶妙なバランスで共存。若者や外国人観光客にも人気の理由がよくわかります。
夜になると、レトロな建物の外壁がライトアップされ、さらに幻想的な雰囲気に変身します。単なる「古い通り」ではなく、新しい文化や創造性を取り込んで進化し続ける―それが多倫路文化名人街の大きな特徴です。
3. 文化に触れる楽しみ
地元のアートギャラリー
多倫路文化名人街には、小規模ながら個性あふれるアートギャラリーが点在しています。ローカルアーティストの個展や企画展など、タイミングによっては思わぬ発見があるかもしれません。入り口にはカラフルなポスターや作品の一部が飾られていて、ふらっと立ち寄るだけでも刺激的なひとときが過ごせます。
多くのギャラリーは無料で入場できるので、気軽に現代アートの世界に触れられるのも魅力です。中には作家本人が接客していることもあり、作品について直接話を聞いたり、気に入ったものをその場で購入したりできることも。普段なかなか経験できない、アーティストとの距離の近さが嬉しいポイントです。
また、多倫路にあるギャラリーは「歴史的建造物をそのまま活用」していることが多く、展示される作品だけでなく建物自体もとても個性的。レンガ製の壁や古い木製梁、少し狭い階段や中庭…そんな空間でのアート体験は、日本の美術館とは一味違う面白さがあります。
多倫路の文学カフェ
文学好きにはたまらないのが、多倫路の「文学カフェ」。店内には古い本や作家たちの肖像画が飾られ、壁一面の本棚には中国内外の名著がぎっしり並びます。コーヒーを飲みながら、のんびりと本を読んだり、友達と文学談義をしたり…そんな素敵な時間を過ごせる空間です。
多くのカフェでは定期的に読書会や詩の朗読イベントが開かれていて、地元の常連さんと交流できるチャンスも。中国語がわからなくても、本や詩を楽しむ雰囲気は伝わってくるはず。店主こだわりのスペシャリティコーヒーや中国茶を片手に、上海の文化を肌で感じてみてください。
一部のカフェでは、記念となるブックカバーやオリジナルマグカップなどが購入できるお土産コーナーを併設しています。文学ファンでなくても、ちょっと寄り道したくなる居心地の良さが、旅のひとコマにきっと彩りを添えてくれます。
歴史的な書店巡り
多倫路文化名人街には、長い歴史を誇る個性派書店がたくさんあります。100年前に建てられた和洋折衷建築の書店や、天井からぶら下がるレトロな電灯のある小さな本屋まで、どこもその街ならではのぬくもりと味わいが漂っています。古書やサイン本、中国語・日本語・英語による文学作品も揃っており、思わぬ一冊との出会いが待っているかもしれません。
中には、近代文学だけでなく、上海の歴史や文化芸術を紹介した本専門のショップも。とくに魯迅など多倫路ゆかりの作家の著作はお土産にぴったりで、旅の思い出がさらに深いものになります。店員さんにおすすめを聞いてみたら、ちょっとしたエピソードを教えてくれることも…。
また、書店内には小さな展示スペースや無料の読書コーナーが併設されていることも多いので、静かにページをめくりながら一息つくのもいいですね。異国の本屋さんならではのワクワク感は、多倫路ならではの醍醐味です。
4. 見どころ
魅力的な建築物
多倫路文化名人街を代表するものといえば、やはりその個性的な建築物たちです。通り沿いには、中西折衷のれんが造りや洋館、昔の名士たちの邸宅が立ち並びます。まるで上海の近代建築博物館を歩いているかのような気分になれるのは、ここならでは。シンプルながらも重厚感たっぷりのデザインや、趣のあるバルコニー、褪せた塗装、軒先の飾りなど、細部にまで目が離せません。
これらの建物は、ただ古いだけではありません。一部はデザインホテルやギャラリー、カフェなどに生まれ変わっており、誰でも中に入ることができるところもあります。写真好きの方やインスタグラマーには、フォトスポットの宝庫といっても過言ではありません。ちょっとした角度から撮るだけで、時代を感じさせる一枚が撮れます。
お散歩しながら外観を眺めるだけでも、通り全体の美しい調和を楽しめます。特に春や秋には、建物を彩る植物や街路樹も一緒に観察できるので、建築好きはもちろん、自然派の方にもおすすめです。
必見のモニュメント
多倫路文化名人街を訪れたら、通りのあちらこちらに点在する個性的なモニュメントにも目を向けてみてください。文豪・魯迅の胸像や、茅盾のレリーフなど、歴史的著名人をたたえるモニュメントがいたるところに設置されています。それぞれの像や碑には詳しい説明が添えられているので、当時の文化人の姿や時代背景をリアルに想像することができます。
また、青銅でできた「読書する青年」の像や、タイプライターを模したモダンなアートモニュメントも印象的。散歩の途中で偶然出会うこれらの作品は、ちょっとした驚きや感動をもたらしてくれます。友人や家族と一緒に記念撮影しながら、彼らの作品や人生について話題を広げてみるのも面白いですね。
最近では、現代中国の若手アーティストによる新しい作品も加わり、歴史と現代が共演しているのもユニークなポイント。このモニュメント巡りだけを目的に訪れてもいいくらい、見応えのあるスポットが揃っています。
情緒あふれる小道
多倫路文化名人街の魅力は、主通りだけにとどまりません。通りから分かれるちょっとした小径や裏道には、また違った表情が隠されています。薄暗い路地裏には古い街灯や煉瓦の壁が続き、時には猫がのんびり日向ぼっこをしている姿にほっこりさせられたりもします。
こうした小道には、手作りの表札や小さなガーデンスペース、くるんと曲がった階段など、思わず写真に撮りたくなるディテールがたくさん。ひとつひとつの扉や窓枠にも、時代を感じさせるこだわりがたくさん残っています。ゴミゴミした都会の真ん中とは思えないくらい、のんびりとした時間が流れているのが印象的です。
特に季節の合間、春の若葉が芽吹く頃や秋の落ち葉が舞い散る小道は、情緒たっぷり。カップルや家族づれはもちろん、お一人でのんびり歩くのにもぴったりで、まるで上海の隠れ家に迷い込んだような気分になれますよ。
5. グルメを満喫
名物屋台のご紹介
多倫路文化名人街といえば、やはり食べ歩きも外せません。通りの入り口や周辺には地元の名物が並ぶ小さな屋台がずらり。甘い「豆花」(トウファ)や、香ばしい「焼餅」(シャオビン)、パリッと揚げた「春巻」など、気軽につまめる屋台フードが充実しています。小腹がすいたら、さっそく試してみましょう。
どの屋台も下町らしい気さくな雰囲気。日本の縁日屋台のような懐かしさがあり、香ばしいにおいがたまらなく食欲をそそります。中には季節限定のスイーツや、地元の素材をアレンジした新感覚屋台など、旬の味も楽しめるのが嬉しいポイントです。地元の人たちが並ぶ屋台は、とくにハズレなしの美味しさ!
食べ歩きの途中で気さくなおじさんやおばさんと会話を楽しんだり、おすすめメニューを教えてもらったりするのも旅の醍醐味。簡単な中国語やジェスチャーでもコミュニケーションは十分。異国気分をグルメで存分に味わえます。
伝統的な上海料理
多倫路周辺には小規模ながら本格的な上海料理店が点在しています。「生煎包」(焼き小籠包)や「紅焼肉」(豚の角煮)、「八宝飯」など、地元名物がリーズナブルに味わえます。どれも素材本来の甘みを活かした味付けで、日本人の口にもよく合います。
とくにおすすめしたいのは、家族経営の小さなレストラン。素朴な雰囲気や家庭的な優しさが感じられ、心も体もあたたまるような美味しさが魅力です。店員さんに「おすすめは?」と気軽に聞くと「今日のスペシャル」を教えてくれることも。地元の食文化をしっかり楽しむチャンスですよ。
また、朝から営業している食堂では、朝粥や点心をゆっくり味わう地元の人たちの姿も見られます。観光のスタートはそんな昔ながらの朝食から始めてみるのはいかがでしょうか。上海の食文化を朝昼晩フルで堪能できるのも、多倫路ならではです。
モダンなカフェスポット
伝統的な食堂だけでなく、多倫路文化名人街には今話題のおしゃれなカフェも充実しています。歴史的建築や古民家をリノベーションしたカフェは、どこもインテリアや空間づくりにこだわっていて、SNS映え間違いなし。レトロな外観と現代風な内装が絶妙にミックスされた居心地の良い空間です。
コーヒーや紅茶、スイーツに加え、軽食やベジタリアン向けのメニューがあるお店も。展示スペースやライブイベントを行うことも多いので、アート好き、音楽好きならチェックしてみてください。普段はなかなか味わうことのできない、上海ならではのトレンドを体験できます。
また、日本語や英語メニューが用意されているお店も増えてきているので、言葉に自信がなくても安心。旅の途中でちょっと一息ついたり、スマートフォンの充電をしたり、旅の計画を見直したり…そんな使い方にもぴったりのカフェが見つかるはずです。
6. 記念品ショッピング
地元の工芸品探し
多倫路文化名人街では、地元アーティストの作品や手工芸品ショップがあちらこちらにあります。中でも、手描きの絵画や陶磁器、刺繍アイテムは一つとして同じものがなく、旅のお土産にぴったり。伝統的なデザインや、上海らしいモチーフが使われているものは、見るだけでも楽しいです。
工房が店内にあるショップでは、制作風景を見学できたり、作家さんと直接会話することも。日本ではなかなか体験できない、モノ作りの現場に触れられる貴重な機会です。上海の伝統文様がアクセントになっている小物は、友人や家族にも喜ばれること間違いなし。
また、価格帯も幅広く、気軽に買えるアクセサリーから高級志向の逸品まで、選ぶ楽しみがあります。つい目移りしてしまうほどバリエーション豊かなアイテムの中から、自分だけの“掘り出し物”を見つけてみてください。
文具好き必見のショップ
多倫路には、文具好きにたまらないお店も点在しています。中国風の模様が描かれたノートや、詩人の名言入りペン、レトロなカードなど、見ているだけで心が踊ります。地元デザイナーによるオリジナル文具は、旅行のお土産としても人気です。
特にユニークなのが、上海の歴史建築や景観をモチーフにした限定グッズ。書き心地抜群のメモパッドや、古地図をあしらった手帳などは、多倫路でしか買えないレアアイテムです。文具愛好家はもちろん、普段は文房具にあまり関心がない方でも、ついつい手に取ってしまうアイテムが揃っています。
自分用はもちろん、友達へのプチギフトやオフィス同僚へのお土産にも喜ばれます。さまざまな価格帯があるので、予算に合わせて選べるのもポイントです。おしゃれなパッケージ入りの商品が多いので、見た目のかわいさも楽しめます。
レトロなお土産屋
多倫路文化名人街のもう一つの楽しみは、レトロな雑貨屋さんめぐり。昔ながらの看板やアンティークのおもちゃ、ノスタルジックな写真ポストカードなど、昭和レトロが好きな日本人にもきっと刺さるものがたくさん並んでいます。
古切手やレトロカメラ、型押しの金属バッジなど、思わず「懐かしい!」と言いたくなるようなアイテムがずらり。日本ではなかなか出会えない掘り出し物も見つかるかもしれません。店主の趣味で集められた雑貨は、眺めているだけでタイムスリップした気分に。
もちろん中国風の伝統雑貨も豊富。赤い色彩のランタンや切り絵、書画風の扇子など、旅の記念としてぴったり。小さなものから大きなインテリア雑貨まで、バラエティ豊かに揃っています。気になるものがあれば、まとめ買いするのもおすすめです。
7. 秘密の楽しみ方
朝の散歩で味わう静けさ
多倫路文化名人街は、朝早い時間帯が特におすすめです。観光客が少なく、ひと気のない静かな通りには、石畳の上にやわらかい日差しが差し込み、とても穏やかな空気が流れています。カフェや屋台も少しずつ開き始め、地元の人たちがゆっくりと掃除をしたり、商品を並べたり…そんなゆったりとした朝の風景に思わず癒されるはず。
この時間帯に散歩していると、建物のディテールや、美しく塗られたドア、窓辺の花など普段見逃しがちな景色にも気づけます。写真好きなら、朝のやわらかな光の中での撮影がとってもおすすめ。人物が映り込まない、絵葉書のような写真も撮りやすいです。
また、早朝にしか味わえない屋台グルメも魅力。温かい点心や粥を食べながら、ローカルな気分をたっぷり味わってみては。のんびりと時間を過ごしているうちに、上海の人々の日常にちょっとだけ溶け込める…そんなひとときを、ぜひ体験してみてください。
夜のライトアップ鑑賞
多倫路文化名人街の魅力は、夜になるとさらに増します。通りの建物はやわらかなライトに照らされ、レトロな雰囲気がさらに濃くなります。昼間とはまったく違った顔を見せる夜の多倫路は、まるで映画のセットの中を歩いているようなロマンチックな気分に。
カフェやバーも夜遅くまで営業しているので、夜のひとときを過ごすにもぴったり。お酒やコーヒー片手に語り合ったり、音楽イベントやライブを楽しむのもおすすめです。ライトアップされたモニュメントや建築物を背景に、記念撮影をする人もたくさん見かけます。
夜遅くまで散策しても人通りが多く、安心して楽しめるのもポイント。ライトアップと共に、小道や壁に映し出される影がさらに幻想的な世界を作り出し、普段と違った印象の多倫路に出会えますよ。
地元のイベントや祭り参加
多倫路文化名人街では、地元の人々によるイベントやミニフェスティバルが定期的に開催されます。文学サロンや朗読会、絵画展覧会に加えて、伝統的な中国音楽のコンサートや屋外映画上映会など、その内容はバラエティに富んでいます。旅先で偶然イベントに出会えたら、ぜひ参加してみましょう。
特に旧正月や中秋節といった中国の伝統行事時期には、通り全体がランタンや装飾で彩られ、特設屋台で限定グルメが味わえたり、パレードやパフォーマンスも行われます。地元の人々と一緒にお祝いすることで、より深く上海の文化や生活を感じられるはず。
イベント情報は、観光案内所や街角のポスター、カフェの掲示板などで確認できます。中国語がわからなくても、身振り手振りやスマートフォンの翻訳アプリがあれば大丈夫。特別な体験ができる良い思い出になります。
まとめ
多倫路文化名人街は、華やかな大都市・上海の中にありながら、歴史と文化が静かに息づいた特別な場所です。文学や芸術、建築、グルメ…たくさんの魅力がぎゅっと詰まったこの通りは、「上海に来たらちょっと外した街歩きがしたい」「歴史あるバックグラウンドを体感したい」という方にもぴったり。ひとつひとつの角、小さなカフェやショップにも、ここだけの物語が広がっています。
朝の静けさ、昼の賑わい、夜の幻想的な光景…一日を通して違った表情を楽しめるのも多倫路の魅力。ローカルな雰囲気を心ゆくまで味わいながら、旅の新しい発見やお気に入りの場所を、ぜひ見つけてみてください。きっと忘れられない思い出ができるはずです。
