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   暨南大学 (暨南大学)

中国の広東省、広州に位置する「暨南大学」(じなんだいがく)は、世界各地の華僑をはじめ、多くの外国人留学生や地元学生に親しまれている名門大学です。国際色豊かな学風だけでなく、その歴史と伝統、活気あふれるキャンパスライフ、さらには旅行者にとっても魅力的なスポットとしても注目されています。本記事では、中国好きや、留学や旅行を考える日本の皆さんに向けて、「暨南大学」の素顔とその多様な魅力をたっぷりご紹介します。

目次

1. 暨南大学の歩みを辿る

1.1 大学の設立ストーリー

暨南大学は1906年、清朝の光緒帝の時代に「華僑教育」を目的として創設されました。当時の中国は大きな変革期にあり、世界各地に広がる中国系移民(華僑)と中国本土との絆を深めることが重要視されていました。そのため、「華僑のための学府」として生まれたのが、暨南大学です。

さらに設立当初から「励志、修学、報国」を校訓とし、世界より才能を集め、国に貢献できる人材の育成を重視していたことが特徴的です。このため、華僑だけでなく、広く中国各地や国際的に開かれた大学として発展してきました。日本とも早くから交流があり、初期には日本への留学生も数多く輩出した歴史があります。

戦乱や社会の大きな変化のなかでも、幾度となく困難を乗り越えながら、その伝統と学問の火を絶やさなかった暨南大学。そのスタート地点には、「中国と世界をつなぐ架け橋になる」そんな強い思いが込められていたのです。

1.2 新旧キャンパスの移り変わり

暨南大学のキャンパスは、創設当初から今に至るまで幾度も変遷を遂げてきています。最初のキャンパスは南京に設置されましたが、戦火を逃れるため、広東省広州市へと移転されました。現在の本部キャンパスは広州市天河区の繁華街からほど近い便利な場所にあります。

近年、学生数の増加や学問領域の拡大にあわせて、複数の分校や新キャンパスも建設されています。例えば、珠海キャンパスは自然豊かな環境の中にあり、異なる雰囲気で学びたい学生や新しいアクティビティを求める人たちに人気です。また、2020年代に入ってからは新たな校舎や研究棟も整備され、現代的な設備が整えられています。

歴史を感じさせる本館や図書館、伝統を受け継ぐ建物も随所に残っています。特に、天河キャンパス内の「暨南園」は、四季折々の花が咲き乱れ、歴史の息吹と現代の活気がミックスされた珠玉のエリアです。

1.3 中国内外での発展と知名度アップ

暨南大学は設立以来、「世界に開かれた中国の大学」として成長し続けています。毎年、アジアやヨーロッパ、北米を中心に数多くの外国人留学生が集まり、国際的な雰囲気が醸し出されています。日本からの留学生も少なくありません。

2000年代以降、教育の国際化に力を入れ、多くの学部で英語や複数言語での授業を取り入れています。海外の大学との提携や共同研究も積極的におこない、学術面でのプレゼンスも国際的に向上中です。世界大学ランキングでも着実に評価が上がってきています。

また、華僑ネットワークを生かした独自の「海外校友会」も活発で、卒業生のネットワークが世界各地に広がっているのも強みです。こうしたグローバルな活動と成果によって、暨南大学の知名度と影響力は年々アップしています。

2. 変遷と思い出深い歴史エピソード

2.1 それぞれの時代の校名と特色

創設期に「暨南学堂」という名称からスタートした暨南大学。その後、時代によって「国立暨南大学」「広東華僑師範学院」など幾度も校名が変わっています。これは中国の政治や社会の変革期ごとに大学も形を変えてきた証です。

たとえば1930年代には日本との学術交流が活発になる一方、戦争の足音が近づく中では学問の灯を消さぬよう、多くの教員・学生が犠牲を払って存続させた時期もありました。その時代ごとに、学問に対する熱意や国際性を貫いていたのが暨南大学の「特色」といえるでしょう。

改革開放(1978年以降)の時代に入ると、「海外華僑と世界に開かれた大学」の看板をさらに強め、再び「暨南大学」として復活。一貫して「祖国とのつながり」や「世界への門戸開放」という理念を守りつつ、常に時代の先端を歩んできました。

2.2 海外華僑との深い繋がり

暨南大学最大の特徴は、設立時から「世界の華僑のための学校」として機能してきた点です。東南アジア、アメリカ、ヨーロッパ、南米…さまざまな国で暮らす中国系住民たちが、「母国で学び直す」ためにこの大学を選ぶケースが多くあります。

戦時中に海外に逃れていた華僑の青年たちが、戦後戻ってきて学び直した感動的なエピソードも多く語られています。また、華僑の家族や企業が大学を支援し、多くの奨学金や寄付が行われるなど、ほかの大学にはない独特のネットワークが特徴です。

近年は海外との連携もさらに拡大し、シンガポールやマレーシアに住む華僑学生が「自分のルーツを再発見する場」としても暨南大学を選んでいます。この国際的かつアットホームな雰囲気は、訪れる外国人旅行者や学生にもとても新鮮に映ります。

2.3 中国近現代史のなかの暨南大学

暨南大学は中国の近現代史そのものとも言える、数々の大きな出来事に深く関わってきました。特に抗日戦争や中華人民共和国の成立、改革開放といった歴史のターニングポイントでは、多くの卒業生や教授が国の命運を左右する仕事に従事しました。

たとえば抗日戦争中には、教職員や学生の中から各地でレジスタンス活動に参加する者が現れたり、卒業生が中国政府の外交官や著名なジャーナリストとして世界中で活躍するようになりました。現代の中国外交の舞台で活躍する人材も数多く輩出しています。

また、1970年代の改革開放時には、経済発展や国際交流の先駆者となり、東南アジアのビジネスリーダーや学者たちを次々呼び寄せたことでも有名です。世界を舞台に活躍するための「人材のゆりかご」として、今も中国社会や海外華僑社会に大きな影響を与え続けています。

3. 輝く教授陣と歴史的エピソード

3.1 有名教授が紡いだ物語

暨南大学には、歴史的にも著名な学者や特異な経歴を持つ教授が多く在籍してきました。たとえば日本研究の第一人者とされる呉教授は、日中関係の架け橋として数々の本を執筆し、国際会議にも多数出席。その知見やユーモアあふれる講義は今も伝説的です。

発展経済学の大家である李教授は、実践的な経済理論を駆使し、中国と東南アジアの経済成長モデルを現場と研究の両面で提案。東南アジア諸国からも尊敬を集め、海外からの留学生の人気を集めました。

また華僑文化の復興に力を尽くした張教授は、詩人としても知られ、数多くの学生に自国ルーツへの誇りを教えました。彼の講義には常に多くの学生が集まり、世代を超えて語り継がれる名講義とされています。

3.2 学生たちによるユニークな伝説

暨南大学には代々引き継がれてきた面白い学生伝説もたくさんあります。例えば、毎年春に行われる学祭では「世界一周仮装コンテスト」が恒例で、国際色豊かな学生たちが思い思いの国旗や民族衣装で登場。写真スポットとしてSNSでも大人気です。

また、図書館の屋上には「愛の告白スポット」として知られる場所があり、卒業までに「ここで想いを伝えると結ばれる!」というロマンティックな伝承があります。そのため、毎年多くのカップルや片思いの学生が集うイベントが密かに開催されています。

さらに、「華僑寮伝説」と呼ばれる、深夜の寮で語り継がれる幽霊話や、成績アップのジンクスがあるスポットも有名です。旅行者でも寮の外観や周辺の雰囲気を楽しむことができ、大学ならではの文化に触れることができます。

3.3 学問以外で有名になった珍エピソード

暨南大学には、学問以外でも有名になった数々の珍しいエピソードが伝わっています。例えば、運動会の応援合戦で創作ダンスが全中国でもトップレベルに評価され、テレビ放送された出来事。一躍、学生ダンスチームが全国的に有名になりました。

また、2010年に登場した「ロボットカフェ店員」は、学生の独自プロジェクトで開発されたもの。今ではキャンパス内のカフェで実際に活躍し、留学生からも大人気となってインスタ映えスポットになっています。

食堂での「一日限定メニュー」や、伝統的な広東点心を無料配布する日もあり、ニュースになったことも。食のイベントでは、旅行者や近隣住民もこぞって参加するため、学内外で話題を集めています。

4. やっぱり気になる!人気の学部・学科

4.1 世界から注目される学問領域

暨南大学の強みは、国際的な学問分野とアジア研究の分厚い実績にあります。特に「国際経済学部」「海外華僑学研究センター」「国際法学部」などは世界的にも高く評価されています。実際、多くの留学生や華僑学生がこれらのプログラムを志望してきます。

近年、デジタル経済やメディア、翻訳学、新しい社会科学分野なども拡大中。これらの分野では産官学連携が盛んに行われ、在学中からインターンシップや企業プロジェクトに参加することもよくあります。そのため、将来国際社会で活躍したい学生にぴったりの学問環境が整っています。

また、海外の大学や研究所と共同研究を実施する学科も多く、日本やアメリカ、ヨーロッパからの研究者訪問も数多く受け入れています。こうしたグローバル感覚あふれる学びの場は、旅行者や外部の学問ファンにも注目されています。

4.2 人気の「華人研究」と国際関係学部

「華人研究」は、世界各国の中国系移民やその文化・経済活動を研究する分野で、暨南大学が世界のトップを誇る学科のひとつです。ここでは、「なぜ華僑が成功するのか」「各地の中国系コミュニティの特徴は?」など、実践的な視点から授業が行われています。

国際関係学部では、外交政策や国際安全保障、現代中国が置かれている国際社会のなかでの役割について学ぶことができます。模擬国連などのイベントも活発で、海外からの留学生と中国人学生が一緒にプレゼンテーションやディスカッションを行う様子も珍しくありません。

さらに、「多文化交流」「国際コミュニケーション」など、現代社会で活きる分野がバランス良く学べるのも人気の理由です。旅行者にも関連イベントが公開されていることがあり、異文化理解や中国社会の現状を体感できるチャンスも多いです。

4.3 海外留学生も多い語学・文学系

暨南大学は語学・文学分野でもトップクラスの評価を受けています。特に中国語(普通話)教育や中国文学、東南アジア語、英語、日本語など多様な言語プログラムがあります。「中国語を本格的に学びたい!」という海外留学生や社会人にとっては理想的な学習環境です。

「国際中文教育学部」では、経験豊富なネイティブ講師による少人数制クラスや、一対一のチュータリングなど、きめ細やかなプログラムが魅力。日本人留学生も毎年多く、現地生活に密着した内容や時事問題を扱った授業に人気があります。

また、文学系では中国近現代文学研究が特に評価されており、著名な作家を輩出しています。キャンパスには詩や文学作品にまつわる記念碑もいくつかあり、旅行者もその歴史やロマンに触れながら散策を楽しむことができます。

5. 暨南大学の今を感じるキャンパスライフ

5.1 学生が集うおすすめスポット

キャンパスの中心部には、広大で緑の多い「暨南園」があります。ここは学生の憩いの場で、ランチタイムや放課後には友人たちが集まってリラックスしています。四季の変化に合わせて花や木々が彩りを添え、インスタ映えするフォトスポットとしても大人気です。

また、図書館前の広場は、勉強に疲れた時のリフレッシュや、さまざまなイベントの開催場所としても使われています。天気の良い日には、学生サークルによるパフォーマンスや小規模な露店が立ち並ぶことも。旅行者も気軽に見学でき、大学の日常を肌で感じることができます。

さらに、キャンパス内には近代的なカフェ、伝統的な茶室、面白いグッズショップなども存在します。特に「学生街カフェ」では、地元スイーツや季節限定メニューを楽しみながら、留学生や地元学生の交流風景を観察できます。

5.2 誰でも楽しめる学内イベント

暨南大学はイベントが非常に豊富です。1年を通して学内祭、文化週間、外国人留学生フェア、アート展、音楽コンサートなどバラエティ豊か。多文化共生を推進しており、各国料理フェスティバルや語学交流カフェは特に外国人旅行者や短期滞在者にも人気です。

毎年秋には「国際文化週間」が開催されます。この期間中、各国の伝統芸能やファッションショー、グルメ屋台がキャンパス内にズラリと並び、日本ブースも決まって登場します。地元の住民も一般参加できるため、普段はなかなか体験できない「世界の文化」を一日で満喫できます。

さらに、学業だけでなくスポーツ大会やダンスフェス、パフォーマンスアート、映画上映会なども頻繁に実施。旅行者も気軽に参加できるプログラムが用意されており、新しい友人との出会いや中国の今を体感する貴重な体験となるでしょう。

5.3 キャンパス周辺グルメ巡り

広州といえばやはり「食の街」。暨南大学周辺も例外ではなく、多種多様なグルメスポットが集まっています。特に学生街ならではのコスパ抜群なレストランや、伝統的な広東料理店、話題のカフェまで充実しています。

「学生食堂」は誰でも利用可能で、一般旅行者も現地の学生に混じって名物ランチを味わえます。名物の「点心セット」や「広東お粥」、麺類など、本場の味を手頃な価格で楽しめるのが魅力。また、季節ごとにテーマごはんが登場することもあります。

キャンパスを出てすぐの「天河区グルメ通り」には、日本料理店や韓国料理店、アジア多国籍レストランも並び、外国人にも食べやすいラインナップ。食べ歩きや地元学生おすすめの店を訪ね歩くツアーも人気です。

6. 旅行者目線で楽しむ暨南大学

6.1 見学おすすめコース

さて、旅行者が暨南大学を訪れる際のおすすめコースをご紹介します。まずは正門からスタートし、緑豊かな「暨南園」へ。ここでキャンパスの新旧の建物を眺めながら、歴史パネルやモニュメントで数々の物語に触れることができます。春や秋は特に花がきれいでおすすめです。

次に、図書館に立ち寄りましょう。図書館自体が建築的にも美しく、一部の閲覧室や展示コーナーは外部の一般利用者も入ることができます。中国近現代文学や歴史に関する展示がタイミングよく行われていれば、ぜひ覗いてみてください。

キャンパス奥の「伝統茶室」で中国茶体験をしたり、学生カフェで現地の若者と言葉を交わすのも一興です。面白グッズショップでは暨南大学オリジナルノートやマスコットキャラ商品をゲットでき、記念にも最適です。

6.2 周辺の観光スポット紹介

暨南大学から徒歩や地下鉄でアクセスできる観光スポットもたくさんあります。まずおすすめなのが、「広州塔(カントンタワー)」。中国一の高さを誇るこのタワーからは珠江を見渡せ、夜景も抜群です。学生たちのお気に入りデートスポットでもあります。

また、天河区にはショッピングモールやカフェが立ち並ぶ「天河城」や、「広東省博物館」、さらに広東オペラが楽しめる劇場なども。中国の最新トレンドや伝統文化を気軽に体験できるため、留学・観光両方の楽しみが一度に味わえます。

歴史好きな方には「陳家祠(チェン・クラン)」や「六榕寺」などの伝統建築も外せません。古い街並みと近代都市が絶妙に融合する広州の魅力に触れながら、大学見学を組み合わせて知的な一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

6.3 お土産&フォトスポット情報

さて、旅の思い出に欠かせないのがお土産探しとフォトスポット巡り。暨南大学のショップには、オリジナル文房具や学生生活を象ったカラフルなTシャツ、マスコットキャラ「ジーナちゃん」グッズなどが揃っています。実用的なトートバッグやボトルも人気です。

写真好きな方には、キャンパス内の「桜並木ストリート」や「噴水広場」「歴史的本館建物」がおすすめ。春は桜やツツジ、秋はイチョウ並木が見事で、卒業記念写真のスポットとしても有名です。また、図書館前の大階段や、夜間照明がライトアップされた遊歩道もロマンチックで素敵な写真が撮れます。

地元のスイーツや全世界留学生に大人気の「点心セット」など「持ち帰りグルメ」も要チェック。広東省特産のお茶や、大学オリジナルデザインの茶器もお土産として好評です。


終わりに

いかがでしたか?「暨南大学」は、110年以上の歴史と華僑のネットワーク、国際的な学問環境、そして学生と地域社会を結ぶ多様な魅力を持つ中国有数の大学です。ただの学び舎としてだけでなく、旅行者や国際交流の場、文化体験の新たな目的地としても人気が高まっています。

中国や広東の文化をより深く知りたい方、留学を考える方、あるいはぶらりと歴史の空気を味わいたい旅行者まで、きっと何か新しい発見や思い出が見つかることでしょう。次回の中国旅行や留学の際には、ぜひ「暨南大学」を訪れて、その多彩な世界を体感してみてください!

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