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   復旦大学 (复旦大学)

上海の名門・復旦大学を歩く——その歴史と魅力を探る旅

上海と聞けば、高層ビルが林立し経済が発展する大都市を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。その中心に、百年を超える歴史と中国を代表する学問の殿堂が静かに息づいています。それが「復旦大学(ふくだんだいがく)」です。日本人にはまだあまり馴染みがないかもしれませんが、グローバルランキングの常連であり、アジア屈指の名門校として数々の優秀な学者やリーダーを輩出しています。
この記事では、歴史や学風、街歩きの楽しみ、さらには日本との意外なつながりまで、復旦大学の全貌をじっくりとご紹介します。上海観光の際に“学びの旅”を体験してみたい方や、中国の大学生活に興味がある方へ、きっと新しい発見があるはずです。


目次

1. 復旦大学ってどんな大学?

学術都市・上海の心にあるキャンパス

悠久の歴史と最先端の現代都市が交錯する上海。その脈動の中心地に位置するのが、復旦大学のメインキャンパスです。上海の北部、楊浦区というエリアに広大な敷地を持ち、キャンパス内は木々が生い茂り、四季折々の花々が学生や教職員を迎えます。校内は広々としていて、伝統的な中国建築と現代的な学舎が見事に調和し、まるで一つの街のよう。

復旦大学のキャンパスは、学ぶ場であるだけでなく、地域の人々にも親しまれる憩いの場でもあります。朝早くからランニングや太極拳をしている市民の姿があり、お昼になると学食やキャンパスカフェに学生と一般客が集い賑わいます。忙しい都市生活の中でも、ここでは静かな時間と知的好奇心を満たす空間が共存しているのです。

そのロケーションの良さから、上海の他の有名大学や歴史的スポットともアクセスが抜群。キャンパス内の真ん中には池や緑地が広がり、都会の真ん中にいることを忘れてしまうほど。留学生にも人気で、国際色豊かな空気があふれています。中国でも有数の「学園都市」とよばれる所以でしょう。

中国を代表する名門校のひとつ

復旦大学は中国内外でその名が知られているトップクラスの大学です。北京大学、清華大学といった「中国の双璧」に次ぐ存在として、中国の「C9リーグ」(中国の名門9大学)の一角を占めます。そのため、入学難易度、卒業生の活躍、研究レベル、どれをとってもトップクラス。“エリート養成機関”として中国社会で幅広い尊敬を集めています。

特に文系への評価が高く、国際関係学、経済学、ジャーナリズム、法学などは全国的に見ても最難関。理系・医学系にも強い学部があり、多彩な才能がここから巣立っています。実際、中国の多くのメディア、企業、政府機関において復旦出身者の活躍が目立ち、卒業生ネットワークが中国社会に根強い影響力をもっています。

また、留学生にとっての知名度も抜群。中国人学生だけでなく、アメリカやヨーロッパ、アジア各国からも多数の優秀な学生が集まり、まさに「国際的な学びの広場」といえる存在です。最近では日本の大学とも協力関係を深め、学術・文化交流も積極的におこなわれています。

世界から注目されるその理由

なぜ復旦大学が世界中の研究者や学生から注目されるのでしょうか。それは単なる“歴史ある名門”というだけでなく、「革新」と「国際化」を常に意識した独自の学風にあります。グローバルに展開する共同研究や、海外有名大学との協定数は中国国内でもトップクラス。世界規模で活躍したい学生にとって理想の環境です。

中国は今や経済、政治、文化、科学のあらゆる分野で急速な発展をとげています。その時代を牽引するのが、復旦大学をはじめとした名門校の「知の力」です。例えば、経済や国際関係分野では世界有数の研究成果を上げており、毎年多くの論文や調査が世界的に注目されています。最先端の社会問題や技術革新にも積極的で、メディアの研究やAI、生命科学など今話題の分野でも世界ランキング上位に位置しています。

これらの理由から世界の名だたる大学と肩を並べる復旦大学。広いキャンパス、活発な知的交流、最先端の研究が融合したその「磁力」は、一度訪れた人を虜にします。


2. 歴史散歩——復旦大学の歩みとその名前の変遷

1905年の創立とその背景

復旦大学は1905年、辛亥革命前夜の激動期に産声を上げました。当時の中国は清朝末期にあたり、欧米列強の脅威や社会改革の波が押し寄せていました。そんな時代背景のなか、革命の志士・馬相伯(ば そうはく)を中心に「中国人の手による中国人のための近代的教育機関」がつくられたのが始まりです。

創立時の名称は「復旦公学(ふくだんこうがく)」。その「復旦」という名には『尚書大伝』の“旦復旦兮”——「光明がまたやってくる」という意味が込められています。これは、暗い時代に新たな希望の光をもたらすべく設立された大学という創立者たちの志の象徴でもありました。

当初はわずか二十数名の学生から始まりましたが、「自立・刻苦・求是・創新(自ら立ち、苦しみを乗り越え、真理を追い、革新し続ける)」という校訓のもと、学問を追求する場として急成長を遂げます。その伝統と精神は今も脈々と受け継がれています。

時代ごとに変わる復旦大学の名称

創立当初は「公学(私立学校)」の位置づけでした。その後、政治体制や学制改革のたびに幾度か改称・再編を繰り返しました。1917年には「復旦大学」と改名して大学の格付けを得ます。この改称は、「国際社会に通用する高等教育機関を目指す」という決意の表れだったといえるでしょう。

戦乱の時代には校地を移転したり、一時的に名称を変更したことも。一時期、日中戦争で校舎が疎開され「臨時復旦大学」となったり、共産党政権成立後は国有化され「国立復旦大学」となった歴史もあります。社会や政治情勢の影響を受けても、常に自立した姿勢と「復旦」の名を守りぬいてきました。

現在の正式名称は「復旦大学」。中国語では「Fùdàn Dàxué」と発音され、世界的にもこの呼称が知られています。「復旦」の二文字に込められた希望と革新の精神は、変わらぬモットーとして今も学生や教職員に浸透しています。

近代中国の激動期を生き抜いた大学の軌跡

復旦大学の発展史は、近代中国そのものの歴史とも重なります。辛亥革命、日中戦争、国共内戦、中華人民共和国成立——中国が大きく揺れ動くたびに、復旦大学もその時代の荒波を乗り越えてきました。特に1937年からの上海事変以後、校舎は空襲や占領で壊滅的な被害を受け、一時は四川省重慶へ避難するなど、まさに「流浪の大学」として生き延びました。

建国後には文化大革命(1966-1976)の混乱期も経験しました。多くの大学が閉鎖や統合の憂き目にあうなか、復旦大学も大きな打撃を受けつつ、学生・教員が力を合わせて再建を果たします。この「不屈の精神」こそが、今の復旦大学の強さやバイタリティの原点です。

21世紀以降は「世界一流大学」を目指し、国際的な大学ランキングにも名を連ねるように。時代ごとの困難や変化にしなやかに対応しながら、常に“時代の最先端”を貫くその姿勢は、上海の地から世界へ強い発信力を持っています。


3. 学者たちの物語——人物と伝説

歴史を彩った著名な教授たち

復旦大学には、時代を代表する数々の著名教授が教壇に立ってきました。例えば、中国近現代史の大家であり政治家としても活躍した陳寅恪(ちん いんかく)教授がいます。彼はその深い学識と独特の思索力で、多くの学生を魅了し中国学界に大きな影響を与えました。また、中国語文学科の朱自清(しゅ じせい)教授は詩人・散文家としても知られ、復旦大学での教育活動を通じて、中国現代文学の発展を牽引しました。

理系分野では、物理学者の蔣夢麟(しょう むりん)教授やノーベル賞候補にもなった化学者・唐敖慶(とう ごうけい)教授の存在が有名です。彼らは国際会議にたびたび招聘されるなど、世界レベルの活躍を見せています。その成果と情熱が、今も復旦の研究伝統を築いています。

これらの教授たちは単に授業を教えるだけでなく、「学問への愛情」や「社会貢献の大切さ」を学生たちに語り継いできました。逆境の時代でも誇りを失わない精神性が、多くの後輩たちに受け継がれてきたのです。

学生たちが残した忘れられないエピソード

復旦大学の歴史は学生たちの物語でも彩られています。例えば、日中戦争中に爆撃で校舎を失った際、学生有志が集まり仮校舎を自ら建設したエピソードは有名です。机や椅子が足りなくても、草地や大きな石の上で授業を受け、困難を笑いに変えた彼らの姿は、復旦スピリットの象徴と言えるでしょう。

1960年代、文化大革命の混乱のなかでも、「真理の追求を諦めない!」とこっそり自習グループを作り、地下活動的に勉強を続けた学生たちもいました。この“学びに飢えた”行動は、現在も語り草になっています。戦後復興期には、在校生・卒業生合同の「支援隊」が災害地や農村へ赴き、実践教育をおこなったこともあり、社会奉仕に力を入れる伝統が根付いています。

近年では、国際コンテストに参加するチームが「小さなイノベーション」で大手企業から注目されたり、SNS発信で学内ブームを巻き起こす学生グループが登場するなど、復旦生の卓越した行動力・発信力も話題です。個性豊かなエピソードが今もキャンパスで生まれ続けています。

復旦発の「流行」や社会現象

実は復旦大学発のカルチャーや社会現象も少なくありません。例えば、1980年代にはキャンパス発の「詩のブーム」が中国全土に広がり、「復旦詩社」というグループが文学サークルの第一線を担いました。社会問題への問題提起や環境保護運動も、学生たちが中心となって発信するスタイルが伝統的に根付いています。

さらに、メディア関連分野でのインフルエンスは抜群。復旦大学出身のジャーナリストや批評家の発言が、SNSやテレビ番組で大きな波紋を呼ぶことも多々あり、いわば「復旦ブランド」が時代のトレンドを生み出すエンジンとなっています。今や中国で使われる流行語や若者文化のなかにも、復旦大学発のフレーズが隠れていることがあるほどです。

もう一つ特筆すべきは、起業やイノベーション分野への貢献。「復旦スタイル」の自由で柔軟な校風が、未来型ビジネスにも大きな波及効果を持っています。IT企業やスタートアップの創業者の中に復旦出身者がいたり、キャンパス発プロジェクトが市民生活に取り入れられたりする現象が広がっています。


4. 復旦大学のここがすごい!人気&有名な学部・学科・研究

世界ランキング常連の看板学科

復旦大学といえば、「世界でも通用する学力」と「個性的な看板学科」の多さが自慢です。たとえば、国際関係学・国際政治学部はアジア有数のクオリティを誇り、世界各国の外交官や政策エキスパートがここから巣立っています。英国のQS世界大学ランキングではしばしばトップ50にランクインし、その研究水準は北京大学や清華大学にも引けを取りません。

医学部も中国トップレベルで、付属病院のレベルの高さや臨床研究の最先端度は格別。生命科学、分子生物学の分野では、世界的にインパクトの大きい学術論文を多数発表しており、アジアを代表する医学研究拠点と評価されています。ほかにも物理、化学、情報科学など理系の先端分野も目覚ましい成長を見せています。

また、ジャーナリズム・メディア学部も、卒業生を中国主要メディアや国際企業に数多く送り出している名門。英語力や国際感覚を身につけるうえで最高の環境が揃っています。実務教育と研究のバランスが良く、「復旦の看板学科」と呼ばれる理由がわかるはずです。

未来を担う人気の学部・専攻

最近の復旦大学では「次世代のリーダー」を育成する新しい専攻が人気です。特にビジネススクール(管理学院)は、グローバルビジネスの最先端を走り、アジア屈指のMBAプログラムを誇ります。そのカリキュラムは実践的かつ国際的で、中国のみならずアジア全体から留学生が集まっているのが特徴です。

環境学、都市開発学、社会学なども現代中国の「社会問題」に直結する分野として関心を集めています。近年中国で急速に進む都市化や環境問題、貧困・教育格差といったテーマに挑む研究者・学生が増え、多くの卒論やプロジェクトが現場と結びついているのが復旦流です。

IT・AI・データサイエンス分野も目覚ましい成長を遂げています。上海は中国IT産業の一大拠点。復旦大学でもAI倫理、ビッグデータ解析、サイバーセキュリティといった「未来型専攻」の登場で、新しい進路の可能性が広がっています。世界的なGoogle、Microsoft、アリババ、テンセントなどに進む卒業生も多数います。

最先端を行く研究プロジェクト

復旦大学の研究チームは、国内外の一流機関と技術提携し、つねに“今一番ホットな課題”に取り組んでいます。たとえば新型コロナウイルス流行時には、いち早くウイルス解析やワクチン開発に着手し、その成果が国際誌に掲載。社会医学や感染症対策研究プロジェクトは世界トップクラスの評価を受けています。

IT分野ではAI(人工知能)の「倫理ガイドライン」策定プロジェクトや、スマートシティに関する産学連携プロジェクトも盛んです。キャンパス内に最新鋭の研究施設が次々と整備され、学生でもプロの研究者と共同でプロジェクトに参加する機会が豊富です。国際共同研究や学際的なチャレンジも盛んで、若手研究者にとって挑戦しがいのある環境となっています。

また、社会的なインパクトの大きいプロジェクトとしては、環境保護、教育格差の是正、農村振興や文化遺産保護など、市民や行政と一体となった「社会貢献型」研究が伝統的に強いのも復旦の特徴です。理論と実践が結びついたアクティブな研究風土が、学問の枠を超えたイノベーションにつながっています。


5. キャンパス訪問で味わう復旦の魅力

散歩したい!美しい校舎とその周辺

復旦大学のキャンパスを歩くだけで、時間の流れがゆっくりになったような気がします。正門をくぐると、伝統的な赤レンガの校舎やクラシックな講堂が次々と現れ、まるで映画のワンシーンのような光景が広がっています。特に春や秋には、樹齢百年を超える並木道が美しい緑陰をつくり出し、散歩や写真撮影にぴったりです。

キャンパス内には、復旦大学の「顔」ともいえる歴史建造物が点在しています。最も有名なのが、「光華楼」とよばれる古い講堂。アーチ型の窓や重厚な屋根が風格を感じさせ、多くの卒業生がここで思い出の写真を撮影しています。他にも、近代的な図書館、高層の研究棟といった現代的な建物が調和し、知的で落ち着いた雰囲気を演出しています。

また、自然豊かな「五角場キャンパス」には池や庭園、四季の花壇など癒しのスポットも目白押し。校舎の間にはベンチや憩いの空間があり、学生や来訪者が思い思いの時間を過ごしています。キャンパス散歩の途中には、随所に復旦の歴史や学問の精神が感じられるモニュメントや碑も。大学巡りファンにはたまらないスポットです。

学食&カフェ体験、学生生活の「味」

復旦大学の学食は、中国の大学の中でも特にバラエティが豊富だと評判です。メインキャンパスにはいくつもの大食堂やレストランがあり、中華の定番料理から各地の郷土料理、ついには日本食や洋食まで楽しめます。「キャンパスで世界旅行気分」という声も多く、学生や教職員のみならず、地元市民にも開放されているところが特徴。

人気メニューは天津甘栗入りごはんや四川風麻婆豆腐、広州ワンタン麺、野菜たっぷりの炒め物など。100円から200円程度でおなかいっぱいになる「コスパ最強」も大学食堂らしい魅力でしょう。留学生専用メニューやベジタリアンコーナーも整備されており、多様な食文化への対応力も高いです。

また、お洒落なカフェやベーカリーもキャンパス内外に増えてきました。勉強や友人との会話にぴったりのスペースがあり、季節ごとの限定ドリンクやスイーツも用意されています。まさに「知と美食の融合空間」と言えるでしょう。復旦カフェ巡りだけを目的に訪れる地元の若者も急増中です。

観光ならここ!一般公開スポット3選

復旦大学には、観光客や市民が気軽に訪れられる名所もたくさんあります。まず一つ目が「復旦大学博物館」です。復旦大学と中国近代教育の歩みを紹介する展示のほか、近現代中国史に関する貴重な資料がそろい、一般公開されています。

二つ目は、キャンパス中央にそびえる「光華楼」。この歴史的建築物は、外観も美しく、内部の講堂も一般公開イベントの際に見学可能です。特別なガイドツアーに参加すれば、100年を超える教育の歴史を間近で感じることができるでしょう。

三つ目が、「復旦大学旧図書館」です。こちらはレンガ造りのレトロな空間で、定期的に文学イベントや講演会が開催されています。内装の風格や蔵書の充実度から“静かな知のパワースポット”とも呼ばれており、本好きや建築ファンにも大人気です。いずれも一般公開日や開館時間が限られる場合があるので、事前にチェックすることをおすすめします。


6. 復旦大学と日本のつながり

日本人留学生・研究者の交流

復旦大学には、毎年多くの日本人留学生が学びに訪れています。学部の正規課程や大学院だけでなく、語学留学、短期交換プログラム、研究員としての派遣など多様な形で受け入れています。そのため、キャンパス内には日本語を話せる中国人学生や、日本文化に興味を持つ友人がたくさんできるのも魅力です。

実際、日本からの留学生たちは、現地の学生と一緒にグループ研究やボランティア活動、文化祭などに積極的に参加しています。「異文化が交差する現場で自分の世界が広がった」と話す留学生も多く、中国語能力アップだけでなく、人脈や視野の拡大に大きなチャンスとなっているようです。

また、研究分野でも両国の交流が活発。復旦大学は日中友好協会などの団体と連携し、経済・政治・社会学など幅広い分野で共同プロジェクトを推進しています。日本の大学からの客員教授や研究員も数多く受け入れられ、学術交流を深めています。

日本の大学との学術連携

復旦大学は、日本のトップ大学とも多くの協定を結んでいます。東京大学、京都大学、大阪大学などとの間では、学部生・大学院生の交換留学はもちろん、教授陣の相互派遣や共同研究の実績も多いです。また、早稲田大学や慶應義塾大学、ICUなどとのパートナーシップも継続中です。

実際に開催された日中合同シンポジウムやワークショップでは、分野を越えたディスカッションが日中両国の研究者・学生のネットワーク作りにつながっています。中国経済の分析や日本語・日本文化研究、さらには国際関係学など複数分野で協力が続いています。

コロナ禍以後も、オンライン国際会議やリモート共同研究が新しい形として定着。「世界とつながる復旦、アジアで成長する日本」というテーマで未来志向のパートナーシップが今後も期待されます。学ぶだけでなく新しい価値やイノベーションを生み出す場として、両国の若者たちが刺激を与え合っています。

文化イベントやコラボレーション事例

留学や研究だけでなく、復旦大学と日本のつながりは日常生活やイベントにも色濃く表れています。毎年開催される「日中文化交流デー」では、日本の伝統舞踊、茶道、書道体験、アニメ上映会など多彩なプログラムが行われています。復旦生による和太鼓や着物ショーは大人気で、日本語学科の学生がガイド役を担うことも。

また、地元上海の日本企業、商工会議所とのコラボ・インターンシップの機会も豊富です。現地の日本料理店や雑貨店と一緒に、学生主体の「日本祭り」が開かれることもしばしば。学問領域だけではなく、“暮らしのなかの日中文化交流”がキャンパスに根付いています。

芸術系のコラボも盛ん。日本人アーティストの作品展や、現代アートワークショップ、音楽イベントへの共同出演など、感性を磨く交流の場も増えています。こうした取り組みが、学生たちの国際感覚や多文化理解をさらに深める源となっています。


7. おすすめ近隣スポットと“ついで”の上海観光

大学周辺の名所旧跡

復旦大学のある楊浦区は、歴史的建造物や隠れた名所が点在する地域でもあります。例えば、「魯迅公園」は、近代中国文学の巨人・魯迅ゆかりの地。緑豊かな公園内には記念館や古風な小道があり、復旦大学から徒歩でアクセス可能です。静かな朝のひととき、地元の人々に混じって散策すれば“小説の世界”を感じられるかもしれません。

また、少し足を伸ばせば「江湾体育場」や「共青森林公園」など大規模なレジャースポットも。週末のピクニックやちょっとした自然体験にぴったりの場所です。さらに北側には歴史ある老街(古い街並み)が残る一角もあり、昔ながらの上海の雰囲気に浸ることができます。

復旦大学から地下鉄で20分ほどの「外灘(ワイタン)」は、言わずと知れた上海屈指の観光地。19~20世紀の洋館街や黄浦江の夜景、現代の高層ビル群との“新旧ミックス”風景が楽しめます。学びの後は、ぜひ街歩きを堪能してください。

地元グルメで一息

復旦大学の周辺には、学生向けのお手頃グルメが満載。キャンパス近くの「五角場」は、活気ある学生街で、ローカル食堂やお洒落カフェ、夜市スタイルの屋台が軒を連ねています。特におすすめは「小籠包」や「上海焼きそば」、「生煎包(焼き小籠包)」といった上海名物が並ぶお店。どれも1品100〜200円程とリーズナブルです。

留学生や観光客に人気のカフェでは、本格珈琲やスイーツメニューも充実していて、キャンパス巡りの合間にひと休みするのに最適。中国茶専門店やおしゃれな中華スイーツバーもあり、「学び×美食」の贅沢な時間が過ごせます。

もちろん、大学生の財布にも優しい「学食グルメ」や「地元B級グルメ」も忘れずに。ボリュームたっぷりの定食、餃子や麺料理も多彩です。せっかくの機会、特別な一皿を探して五角場グルメツアーを楽しんでみてはいかがでしょうか。

上海の他の名門校も歩こう

せっかく上海に来たなら、復旦大学だけでなく、他の有名大学もぜひ訪れてみてください。代表的なのは「上海交通大学」。こちらも中国屈指の名門で、漕河涇キャンパスのクラシックな建築や近未来的な図書館など見どころ満載です。国際色あふれるキャンパスは、復旦大学とはまた違った雰囲気を楽しめます。

「同済大学」も有名で、特に建築・都市計画分野ではアジア有数の評価を誇ります。緑豊かなキャンパスやモダンなデザインの校舎、大学美術館など、アート&建築好きにはたまらない探検ができるでしょう。

これらの大学も地下鉄やバスですぐアクセス可能。大学巡りは、たんに観光を超えた「現地の知的文化体験」として、大きな思い出になることでしょう。上海の「学都」としての顔を、ぜひ歩いて体感してください。


おわりに

復旦大学は、激動の時代を乗り越えてきた不撓不屈の歴史と、現代都市・上海を牽引する知のパワーに満ちています。キャンパス文学や現代アートを楽しむもよし、最先端の学問や国際交流の現場を目の当たりにするもよし。また、大学周辺の散歩やローカルグルメ、上海の他大学巡りと、知的探検がきっとあなたの旅をより深いものにしてくれるはずです。

中国というと、まだ未知のイメージが先行しがちですが、復旦大学は“開かれた扉”として日本人にもオープン。ぜひ一度、自分の足で歩き、見て、味わって、その魅力を発見してみてください。日本と中国、そして世界をつなぐ架け橋として、復旦大学はこれからもますます輝きを増していくことでしょう。

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