ラオジースー（老吉士）｜老吉士

上海の中心地、徐汇区に位置するラオジースー（老吉士）は、上海料理の伝統と革新を見事に融合させた名店です。地元の人々はもちろん、訪れる観光客にも愛され続けているこのレストランは、上海の食文化を深く味わいたい方にとって欠かせないスポットとなっています。今回は、ラオジースーの歴史や周辺環境、代表的な料理、そして店にまつわる興味深いエピソードまで、詳しくご紹介いたします。

レストラン紹介

歴史と沿革

ラオジースーは1990年代初頭に創業され、上海料理の伝統を守りながらも新しい味の探求に挑み続けてきました。創業者は上海出身の料理人で、祖母から受け継いだ家庭の味をベースに、地元の旬の食材を活かしたメニューを展開しています。開店当初は小さな店構えでしたが、口コミで評判が広がり、現在では上海でも有数の人気店となりました。

また、ラオジースーは上海の食文化保存にも力を入れており、伝統的な調理法や地元の食材を使った料理の研究を続けています。地元の食材を使うことにこだわり、季節ごとに変わるメニューも魅力の一つです。長年の経験と情熱が詰まった料理は、訪れる人々に上海の食の歴史を感じさせてくれます。

周辺環境

ラオジースーが位置する徐汇区は、上海の文化と商業の中心地の一つです。周辺には歴史的な建築物や現代的なショッピングモールが混在し、散策にも最適なエリアです。特に天平路は、昔ながらの上海の街並みが残るエリアとして知られ、レトロな雰囲気を楽しみながら食事前後の散歩を楽しむことができます。

さらに、近隣には上海図書館や徐家汇公園などの文化施設もあり、食事だけでなく文化的な体験も同時に味わえます。観光客だけでなく、地元のビジネスマンや家族連れも多く訪れるため、活気ある街の雰囲気を感じられるのも魅力です。夜になると周辺の街灯が灯り、ロマンチックな夜景とともに食事を楽しむことができます。

料理の知識

ラオジースーの料理は、上海料理の特徴である「甘みと旨味のバランス」を大切にしています。代表的なメニューには、上海名物の小籠包（ショウロンポウ）があり、薄皮の中にジューシーな肉汁が閉じ込められています。特に蟹味噌入りの小籠包は、濃厚な味わいで訪れる多くの客を魅了しています。

また、上海料理の定番である紅焼肉（ホンシャオロウ）も人気です。豚バラ肉を醤油や砂糖、紹興酒でじっくり煮込んだこの料理は、トロトロに柔らかく、甘辛い味付けが特徴です。家庭でも比較的再現しやすい料理ですが、ラオジースーでは独自の調味料と火加減で、より深い味わいを実現しています。その他、季節の野菜を使った炒め物や海鮮料理も充実しており、上海の四季を感じられるメニュー構成です。

店にまつわるエピソード

ラオジースーには、創業者の家族の歴史が深く関わっています。創業者の祖母は上海の伝統的な料理人で、彼女のレシピを守りつつも現代の味覚に合わせて改良を重ねてきました。ある時、祖母のレシピノートが火事で一部焼失してしまいましたが、店のスタッフが必死に記憶を頼りに再現し、今の味を守り続けています。

また、ラオジースーは地元の食材農家との強い結びつきも特徴です。特に上海近郊の農家から直接仕入れる新鮮な野菜や豚肉は、他店にはない味の秘密となっています。こうした地域との連携は、単なる飲食店の枠を超え、地域社会に根ざした存在として評価されています。訪れるお客様には、料理を通じて上海の人々の温かさや歴史を感じてほしいという思いが込められています。